「文字の旅 二千年」展で文字の歴史を体感する
展示とワークショップを通して、文字と印刷の関係をさまざまな視点から伝える、文字の展示イベントが12月5日(土)から9日間開催されます。
文字の歴史を旅する
カリグラフィーを真剣に学びたい人や、カリグラフィーに興味のある人が気軽に楽しく集える場所を提供したいという思いから生まれた、カリグラフィー教室やワークショップを開催しているスタヂオポンテと、九州大学総合研究博物館の共催で開催される「文字の旅 二千年―手書きアルファベットからデジタルフォントまで―」。
手書き文字から印刷媒体へ、印刷媒体から手書き文字へ、相互にどのように影響しあっているかを軸に、カリグラフィー・活版印刷・写真植字・デジタルフォントについて、展示だけでなくワークショップやトークショーを通して文字の歴史を旅する、とても内容の濃いイベントとなっています。
写真植字に触れる
活版印刷については以前コチラの記事でもご紹介していますが、写真植字はあまり耳馴染みがない方が多いかもしれません。
写真植字(通称:写植)とは、写真技術を応用し、文字などを印画紙やフィルムに印字して印刷用の版をつくる方法のこと。
レンズを用いて、文字を拡大・縮小・変形するなどして印画紙に焼き付けるため、文字のサイズが自由に操作できるという特徴があります。
また、レンズを通すことで生まれる独特の柔らかみから、DTPが一般的となった現在でも、その風合いを活かしタイトル文字などに使用されることもあります。
そんな写植を実際に体験できるほか(※要予約)、写植100周年を迎える2025年まで写植を残していきたいという思いから、写植と木版画、詩人とのコラボレーション作品なども展示予定です。
盛りだくさんの内容
その他にも、スタヂオポンテ主催の初島 さつきさんによる「展示作品に使われている書体、技法、その書体の歴史について」、文林堂の山田 善之さんとOLDMAN PRESSの日髙 真吾さんによる「活版印刷のこれまでとこれから」、フォントワークスの藤田 重信さんによる「デジタルフォント 筑紫書体」についてのトークショーが開催されます。
歴史的な書体のほか、21世紀的なカリグラフィー作品の展示もあり、文字の歴史を凝縮したイベントになっています。
文字たちと楽しく旅ができそうな素敵なフライヤーも必見です。
新たな発見
私たちの生活に欠かせない、身近な存在の文字。
漢字の成り立ちなどは触れる機会が多くても、文字そのものの歴史に触れる機会は貴重です。
カリグラフィー・活版印刷・写真植字・デジタルフォントなどさまざまな視点から、文字の歴史を総括的に見ることで、新たな発見があるかもしれません。
文字の歴史に浸りに、ぜひ足を運んでみてくださいね。
文字の旅 二千年―手書きアルファベットからデジタルフォントまで―
第6回スタヂオポンテ カリグラフィー作品展
九州大学総合研究博物館
福岡市東区箱崎6-10-1箱崎キャンパス
2015.12.5(土)-13(日) 11:00-17:00
※初日は19:00まで、最終日は16:00まで