Webサイトを用いたブランディングにおいて、エンジニアが果たす役割とは?

Webサイトを用いたブランディングを成功させるためには、重要な要素が様々あり、その中には、エンジニアが果たすべき責任が含まれると私たちは考えています。そこで本記事では、ブランディングを行うフィールドとしてWebサイトを選択する場合、どのような留意点があるのかをまずご紹介します。それを踏まえて、どのような役割をエンジニアが果たしているのかについて、お伝えできればと思います。ブランディング支援を依頼する会社を選ぶ際の、一つのヒントになれば幸いです。

Webサイトの媒体としての特性・留意点

チラシやポスターなどの紙媒体と比較して、Webサイトは顧客とのタッチポイントを増やすための施策として優れているといえるでしょう。一方で、その自由度の高さ故に考慮するべき事項は広範囲にわたります。Webサイトの媒体としての特性を踏まえて、注意するべきポイントの具体例をご紹介します。

ユーザーに提供可能な情報量が多い

Webサイトでは、紙と比べて良くも悪くも提供する情報量に限りがありません。ページ数も文字数も、どこまでも増やすことが可能です。ただ情報量が増えれば増えるほど、結果として一番伝えたいメッセージが伝わらない状況に陥る可能性があります。効率的に情報を届けるための情報設計はもちろんのこと、ユーザーに与えたい印象をコントロールするためのデザインや、アニメーションなどの動きの設計も重要になるでしょう。

様々な環境やデバイスで、ユーザーが閲覧する

どのような環境でアクセスしても、壊れない仕組みがWebサイトには必要です。例えば閲覧する環境や状況として、以下のようなものが想定されます。
・多様なサイズの閲覧機器(スマホ、タブレット、PC)
・様々なブラウザやOSの種類
・音を出せない、マウスが使えないなどの状況
閲覧環境に左右されない形でデザインや操作性が保たれていないと、ブランドとして伝えたい印象にブレが生じます。この点も注意が必要ですね。

ユーザーとのインタラクティブ性が高い

お問い合わせフォームやチャット欄などを用いて、ユーザーとコミュニケーションが取れることもWebサイトの特徴です。また、Google Analyticsなどの解析ツールを活用することで、サイトに訪れたユーザーの動きを数値で解析することも可能です。

ブランドを構築するにあたっては、ロイヤリティの高いファンを獲得していく必要があります。こうした交流を通じて、ユーザーが何を感じ、考えているのかを汲み取ることが可能です。そのためのシステムや、仕組みの構築が必要になるケースは多いといえるでしょう。

エンジニアが果たす2種類の役割

Webサイトのブランディング成功のために、エンジニアが果たす役割は大きく分けて次の2つです。
・攻めの役割:アニメーションや心地よい操作性を通じて、ブランドを表現する。
・守りの役割:堅牢性とパフォーマンスを維持し、ブランドの信頼を毀損しない。
それぞれについて、事例を交えながらご紹介していきます。

攻めの役割

ブランドの印象を左右する”動き”を実装する役割です。わたしたちは、日々Webサイトの動きに関するトレンドを追っています。実際に面白いと感じた動きを社内で情報共有したり、再現してみたりしています。特に昨今のトレンドとして、盛り上がりを見せていると感じる技術は次の2つです。

3Dアニメーション

3Dアニメーションについて、WebGLという技術を用いたサイトがよく目に付きます。座標計算や光の当て方などを調整し、立体感のある動きを表現します。デザインにZ軸=奥行きの要素を加えることで、インパクトのあるビジュアルや世界観を演出可能です。

連動的なスクロールアニメーション

画面全体がスクロールするアニメーションを取り入れるWebサイトも、近年増加傾向にあるように感じています。スクロールしてみたくなる気持ちを醸成して情報をより多く見せられたり、連動した動きを付けることで情報の理解を促進したりする効果があります。

守りの役割

Webサイト上で表現したいブランドの印象を守ることも、エンジニアの役割といえます。ユーザーに違和感を抱かせないシステムとしての堅牢性や、読み込みが遅いことによるストレスを感じさせないためのパフォーマンスチューニングなどが重要です。

堅牢性について

例えば、次のような状況が発生していたとき、収益へのダメージは重大です。
・スマホのアドレスバーに隠れて押せない申し込みボタン
・リンクが切れていて、画面遷移ができないリンクボタン
・バリデーションが甘く、不十分な情報しか入手できないフォーム
・セキュリティ対策が不十分で、サイバー攻撃が容易に届いてしまうサイト
極端な事例のように思えるかもしれませんが、このような状況に陥っているWebサイトを実際に目にするケースがあります。通報してくれる親切なユーザーがいればまだ救いがありますが、基本的には失望して何も言わずに去っていく人がほとんどでしょう。

パフォーマンスについて

「攻めの役割」の部分でご紹介したアニメーション技術ですが、諸刃の剣の側面もあります。デメリットとして代表的なものは、画面上のアニメーションをリッチにすればするほど、サーバーやブラウザに負荷をかけてしまうことです。結果として、画面表示にかかる時間が増え、ユーザーが求める情報に到達するまでの速度が遅くなります。

そこで、対応策としては次のようなものが考えられます。
・画像や動画ファイルのサイズの軽量化
・コードを記述したファイルの圧縮処理
・サーバーからのデータ取得のタイミングのコントロール
細かな対応ですが、こうした緻密な対策の積み上げによって、ユーザーのブランド体験がWebサイト上で構築されていくといえるでしょう。

Webサイトでブランドを構築するために

Webサイトでブランドを構築するに当たって、必要となるエンジニアリングの攻めと守りの役割をご紹介しました。ユーザーに与える印象や体験、それら全てがブランディングに繋がっています。その実現のためには、Webの裏側の仕組みに関する理解や、技術に精通した人材によるサポートが必要です。私たちは、経験豊富なエンジニアを含めて、チーム体制でお客様のブランディング支援を行っています。ご相談やご質問などあれば、こちらから気軽にお問い合わせください。

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