ブランドの立ち上げ方とは?生き残っていくブランドをつくるために
最近SNSを見ていると、知らないブランドの広告を目にする機会が増えてきたと感じます。それだけ誰でもブランドを立ち上げることができる時代になってきました。
しかし、多くのブランドが生まれているということは、同時に消えていくブランドも多くなっているはずです。そのなかで長く支持され、成功を収めるブランドはほんの一握りです。
ブランドが激しい競争を乗り越えて成功するには、さまざまな取り組みが必要で、簡単なことではありません。今回はそのなかでもブランドの根幹となる、ブランドの立ち上げ方に焦点をあててお話したいと思います。
ブランドは、唯一無二の価値を伝えるためにある
皆さんは、なぜブランド化することが必要だと思いますか。
日々目にするSNS広告には、似たような商品で溢れています。そのなかで「ストーリー」がしっかりと伝えられているブランドは、唯一無二の存在として記憶に強く残ります。似たように見える商品でも、他にはない背景や想いがあると思うと、それだけで魅力的に感じられるものです。
どんなブランドにも、必ずつくり手の思いとそれに至るまでの過程があります。日常の小さなひらめきから生まれたものや、誰かの悩みを解決したいという強い願いが形になったもの。商品やサービスが完成するまでの道のりには、多くの試行錯誤や情熱が詰まっているはずです。これこそが、ブランドを唯一無二の存在にする他にはない価値です。
性能や機能だけでは差別化がむずかしい今、消費者が共感し、応援したくなるようなストーリーはその商品が選ばれるための大きな理由となっています。ブランドを通してそれを伝えることで、ただの「選択肢」ではなく、顧客にとっての「特別な存在」になるのです。
選ばれるブランドの立ち上げ方
ですが、ブランドを立ち上げただけでは、必ずしも選ばれるとは限りません。どうすれば競争のなかで顧客の目にとまり、選ばれるブランドになれるのか。その具体的なステップをひとつずつお伝えしていきます。
ブランドの目的を明確にする
まず、なぜブランドを立ち上げたいのか、そのブランドによって何を果たしたいのかを明確にしましょう。おそらく、すでに漠然としたイメージはあるかもしれませんが、そこからさらに深堀りしていくことが大切です。
たとえば、どんな人に向けてこのブランドを展開し、なにを伝えたいのか?顧客のどんな課題を解決できるのか?そして、競合にはない独自の価値とは一体なんなのか?
深堀りしていくことでブランドの軸が明確になり、揺るがない土台ができます。しっかりとした軸があれば、ビジョンやターゲット層なども自然と定まっていきます。
ブランドのパーソナリティを決める
ブランドのパーソナリティとは、ブランドが持つ人間らしい特徴や性格のことを言います。ブランドを人に例えるならどんな性格を持つ人物なのか?と考えてみるとわかりやすいでしょう。
たとえば、温かみがあり親しみやすい性格なのか、あるいは洗練されていて高級感のある雰囲気を漂わせるのか。伝えることが同じだったとしても、伝える人や言い方によって受け取り手の印象が大きく変わるように、ブランドのパーソナリティも、顧客がそのブランドに対して抱く印象や感情に大きく影響します。
どのような見られ方や伝え方をしたいのかだけでなく、ターゲット層の好みを理解し、寄り添ったパーソナリティにすることで、ブランドへ自然と好感をもってもらいやすくなります。
ブランドのビジュアルを整える
ブランドのパーソナリティが決まったら、それを視覚的に表現していくためにビジュアル要素を整えます。ロゴマークや色、フォント、パッケージなどは、顧客にブランドの第一印象を与えるものです。ひとつひとつが魅力的な表現になっていることはもちろんですが、バラバラな印象を与えないように、それぞれが一貫したデザインのトーンを守るようにしましょう。
一方で、商品やサービスによって既にイメージカラーやデザインが定着している場合、競合と似通ってしまうこともあります。そのなかで独自性を出しつつ、ジャンルの枠を外しすぎないデザインを考えることが、競争力を高めるポイントとなります。
ブランドのコミュニケーション戦略を練る
ビジュアルが整えば、最後はブランドをどのように顧客に伝えるかの戦略を立てていきます。ブランドの強さは、顧客とどれだけ深い関係性を築けているかに大きく依存しています。広告、PR、SNS、メール、イベント、顧客サポートなど、さまざまな接点で統一感のあるメッセージを届けることが必要です。
SNSの投稿ひとつでも、言葉遣いや写真の選び方によって、顧客の受け取り方は大きく変わります。皆さんも、広告の訴求が強すぎたり、頻度が高すぎるとかえって購買意欲が減少してしまった経験がありませんか。フォロワーのライフスタイルや価値観に寄り添った投稿ができていないと、このような問題が起きてしまいます。
また、時事ネタやトレンドに便乗する場合も、ブランドの価値観と矛盾がないか必ず確認を行います。話題性のあるものは良くも悪くも反応が得られやすいため、無意識のうちに感度が低い発言や時代錯誤な表現をしてしまうと、炎上の原因になりかねません。
このように、たったひとつの投稿でブランドのイメージが損なわれることもあれば、好印象を与えることもできます。すべてのコミュニケーションにおいて、顧客がブランドに対してポジティブな印象を持ち続けられるよう、事前にしっかりとした戦略を立てておきます。
ブランドの立ち上げはあくまでスタートライン
これでブランドを構成するための必要な要素はそろいましたが、本当の勝負はここからです。ブランドの立ち上げはあくまでスタートラインであり、これからいかに育てていくかにブランドの成功はかかっています。
個人が強い発信力を持つ現代では、どんなに大きなブランドでも油断できません。いつ、どこで脅威に直面するかわからないため、常にユーザーのニーズやブランドに対する印象を把握し、変化に応じて新しい価値を提供し続けることが大切です。
競合がひしめく現代において、独自の価値を見つけることは簡単なことではないかもしれません。しかし、ステップをひとつずつ着実に進めていくことで、どのブランドもそのブランドならではの価値が見えてくるはずです。その瞬間は、ブランディングの醍醐味でもあります。まずはブランドの目的を明確にするために、頭に浮かんだキーワードを自由に書き出すことからはじめてみてください。
私たちは、新規ブランドの立ち上げから、リブランディングまで、幅広くブランディングの支援をしています。どんな小さな質問でも構いませんので、いつでもお気軽にご相談ください。