進化するサウナ。ブランドイメージがユーザー行動に及ぼす影響

みなさん、こんにちは。ブランコでディレクターをしている中村です。さっそくですが、私はスノーボードや水上バイクなど様々な趣味を持っています。その中でも特に思い出深いのは、幼い頃から家族と一緒に行っていた”サウナ”です。

小学生の頃からサウナに通っており、その魅力にどっぷりと浸かってきましたが、ここ数年でサウナに対する世間のイメージや、訪れるユーザーの変化を感じています。そこで今回は、かつては「おじさんの聖地」というイメージが強かったサウナが、今ではなぜ20代などの若い世代を中心に人気となっているのかについてお話ししたいと思います。

サウナの歴史的な変化

サウナが今のような人気に至るまでには、長い歴史があります。日本で初めて本格的なサウナが登場したのは1957年の東京にある銀座の温浴施設でした。その後、1964年の東京オリンピックの選手村に設置されたサウナが話題となり、日本各地に広まりました。この時が第1次ブームです。1990年代には「スーパー銭湯」が普及し、サウナ文化が再び注目を浴び、第2次ブームが訪れました。そして現在、第3次ブームが到来しています。

Googleトレンドでの「サウナ」の検索推移

若い世代がサウナを利用するようになった理由

私が昔から行っているサウナ施設では、親世代のユーザーだけでなく、同じ世代のユーザーが増えたように感じます。では、なぜ今の若い世代がサウナに魅了されているのでしょうか?私の思う5つの理由についてまとめてみました。

SNSによる影響

1番影響を与えていると感じるのはSNSです。今では10代(早い方は小学生も)から親世代まで、幅広い世代がInstagramやX(旧Twitter)、TikTokなど様々なSNSを利用しています。中でも、20代は生まれた時からデジタル化が進んでいたことによりインターネットが身近にあるため、情報を得る方法の1つとして普段からSNSを利用しています。

日常的にインフルエンサーの投稿や一般の方のまとめ情報、おすすめ情報などを見ることができ、サウナに対しての情報が入ってくることが多くなり、イメージが大きく変わったと感じます。特に、文章だけでなくサウナ施設のオシャレなデザインや特別な体験が写真や動画で伝わることで、「行ってみたい!」と思う人が増えています。

クローズドカルチャーとしての魅力

以前は、若い人は大規模なイベントや多くの人と知り合える場所に行くというイメージがありましたが、近年ではサウナやスナックなど、自分と似た思考を持った人たちとリラックスして繋がれる場所や空間に魅力を感じる若い人が増えています。

親世代に人気があったものを自分たちの新たな視点で楽しむという最近のトレンドもあり、このクローズドカルチャーがトレンドに敏感な若い人に支持され、サウナに興味のなかった人も興味を持って試す人もいるのではないでしょうか。

タイパのよい交流の場

若い世代はタイムパフォーマンスを重要視する傾向がありますが、これもサウナが人気になった理由のひとつだと思います。居酒屋などに飲みに行くと長時間の時間を使ってしまいますが、サウナではササッと話したいときに集まって友人や仲間との会話や交流を楽しむこともできることから、ストレスの解消だけでなく、社交的な活動の場としても大事にされています。

サウナ形態の多様化

従来の形にとらわれない、多種多様なサウナの形態も増えてきました。特に、アウトドア・サウナや個人サウナなどの新しい形態は、これまでのサウナ体験とは全く違うスタイルなので、注目を集めています。アウトドアサウナは、自然に癒やされながらサウナを楽しむことで、心身ともにリフレッシュできる体験ができることから人気が集まっています。

これまでは私も、夏になると暑くて自然とサウナ施設に行くペースが落ちていたのですが、今年はいろんなアウトドアサウナに行く予定を立てています。

一方で、都心部では個人サウナの需要が増加しています。個室ごとにサウナ室とシャワーが設置されており、自分の好きなペースでサウナを楽しむことができます。また、時間貸しで予約ができるため、忙しい都会の中でも隙間時間を活用してサウナを利用することができます。この利便性の高さから、都心で生活しているユーザーが気軽に利用でき、サウナを日常的に取り入れるきっかけになっていると考えます。

サウナ施設の多様化

サウナが人気になってきたことにより施設も多様化し、サウナの楽しみ方も増えてきました。例えば、福岡で年間10万人が訪れる「ウェルビー福岡」は男性専用ですが、系列店に「SaunaLab Fukuoka」という九州唯一の本場フィンランドの雰囲気を感じられる女性専用サウナ施設があります。ここは白樺の木で装飾されていて、まるで都会に突然現れた森のような雰囲気があり、博多区という都会の中で自然に触れている気分になります。

またこの施設では、サウナハットや巻き布など必要なものが利用料金に含まれているので、サウナ初心者でも安心して利用できます。また、ワークルームもあるため、パソコンを持ち込んで仕事や趣味の時間に使うこともできます。

このように、女性専用サウナやサウナとコワーキングスペースが一緒になった施設など、さまざまなニーズに応える場所が登場したことによって、一人で静かにリラックスしたい人から、友人や仲間と楽しみたい人まで、幅広いユーザーがサウナを楽しめるようになってきました。

引用元:SaunaLab

実際に、私自身も長年近場のサウナ施設のみリピートをしていましたが、SNSで様々なサウナ施設の記事や、サウナにハマった友達からの誘いで普段の疲れを癒やすようなアウトドアサウナにも行くようになりました。

上記のように若い世代がサウナを利用するようになったことで、各サウナ施設は地域やトレンドに合わせたアプローチを取り、ユーザーに特別な体験や質の高いサービスを提供し、施設ごとの魅力を高めています。その結果、各施設の評判が上がり、サウナ全体のイメージも向上しています。このような取り組みが相乗効果を生み出し、サウナ業界全体が成長していると考えます。

ブランドイメージが与えるユーザー行動への影響

かつて「おじさんの聖地」として親しまれていたサウナが、現在では若い世代や女性、さらには外国人観光客にも愛されるスポットに変わってきました。この変化は、先述したようにサウナ施設がブランドイメージを変え、現代のニーズに合わせたサービスを提供してきた結果です。

昔からのサウナファンたちにとっては伝統の場であり、馴染みの場所、日常の癒しの場である一方で、これからもサウナ業界はますます多様化し、新しいトレンドやユーザーのニーズに応じて進化し続けると考えます。

ブランドイメージが変わると、ユーザーの行動も変わります。これはサウナ業界に限らず、どの業界でも当てはまります。良いブランドイメージを作り、それを保てば、ユーザーの信頼と支持を得られ、企業は成功しやすくなります。そのため、企業は常にブランドイメージをしっかり管理し、顧客満足度を高めることが大切です。

私たちブランコは、さまざまな視点からブランドや企業の価値を最大限に発揮するブランディングを提案しています。「なにをどのように改善すれば良いのかわからない」「ブランディングをするとどうなるのか」など、どんな些細なことでもお問い合わせをお待ちしております。

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