Z世代が求める本質的なブランディング

美しさより本質を求める、新たな価値観の誕生

私は、ブランコでアシスタントデザイナーをしており、先輩の多い環境で働いています。必然と自分より上の人と話す機会が多くなり、あることを思いました。

それは、自分よりやや上の人と会話していると行動や考え方に少し違うところがあり、やはり世代が違うからなのかなと思うことです。例えば、モノの見方や情報の集め方など。そこから私は「見た目の美しさ」よりも「モノの中にある本質の部分」を優先していると気付き、Z世代の本質的な部分なのではないかと思いました。

Z世代のひとりである私が、Z世代とはどのような存在なのかや、Z世代の持ついくつかの特徴、新しく生まれた価値観についてお話ししたいと思います。また、私たちZ世代がどのようなブランドを求めているのかを知るために、具体的な事例と私が実際に体験していることや感じていることを交えながらご紹介したいと思います。

Z世代の特徴と価値観

そもそも、Z世代とはどんな世代のことを指すのか気になる方もいるかもしれません。

Z世代の定義はいろいろありますが、一般的には「1996年〜2010年代序盤に生まれた世代」と言われています。もともと、アメリカから伝わった世代のグループ分けを指す「ジェネレーションZ」から生まれた言葉です。

デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれており、これは生まれたときからデジタル化が進んでいたことが影響しています。「デジタルネイティブ」は、Z世代の特徴のひとつであり、他にも「多様性の尊重」「自分の価値観を重視」「親近感や共感性を大切に」「社会への関心」の4つの特徴があるので、ひとつずつご紹介します。

デジタルネイティブ

先ほどお伝えしたように、私たちZ世代が生まれた時には、すでにインターネットやデジタルデバイスが存在していました。そのため、小さい頃からインターネットやデジタルデバイスに慣れ親しみ、扱いに関しては世代一だと思います。そんな慣れ親しんだデバイスで一番使用されるツールといえばWebやSNSであり、それを中心にさまざまな情報収集をしています。

何か気になることがあれば、検索ツールとしてGoogleで検索することもありますが、同時にX(Twitter)やInstagram、Youtubeで検索することも多いです。

例えば、気になるカフェがあれば、X(Twitter)だと実際に利用した人の口コミや生の意見を知ることができたり、Instagramではそれをビジュアルとして知ることができます。知りたいことによって検索するツールを変える人が多く、基本的にWeb・SNSでの情報収集で事前知識をつけます。また、これらのツールをコミュニケーションの手段としても使っています。

多様性の尊重

インターネットから情報を得ることが多い私たちは、オンライン上でさまざまな考え方や価値観を持つ人と接する機会が多いです。

自分と異なる人種やジェンダー、人生観を持った人に対して抵抗がなく、逆にLGBTQや人権問題に関して真剣に向き合いたいとも思っています。そこには周りの考えや価値観を快く受け入れる分、自分も受け入れてほしいと負う心理があるのかもしれませんし、少なからず、自分もそう思っています。

Z世代のなんでも快く受け入れ、向き合うことから、よく「ダイバーシティ」や「インクルーシブ」を大切にする世代とも言われています。

自分の価値観を重視

私たちZ世代は、自分の価値観やワークライフバランスを大切にしています。実生活を充実させたいという欲が強く、仕事よりもプライベートを重視する人が多いです。

私もそうですが、人生の中で仕事第一という考えより、自分のやりたいこと、個々の好みや興味を人それぞれ好きなように突き詰めたいという考えを強く持つ人が多いように思えます。ゆえに、Z世代は、プライベートを重視しているように思われているのかもしれません。

また、商品を購入する際も、世間からどう見られるかよりも自分の価値観に合うかどうかを重視しています。一般的に評価されているブランドに対するこだわりはあまりもっていません。

親近感や共感性を大切に

Z世代は、三つ目の特徴のように自分の価値観を重視しているので、親近感や共感性に重きを置いています。自分が共感できるものかどうかを判断するために、見た目より先に商品やサービスの背景にあるストーリーや過程に興味を持つことが多いです。

この特徴から、「見た目」よりも「モノの中にある本質の部分」を見ていることがよくわかると思います。また、共感できるコンテンツや自分と同じような価値観を持つ人に注目し、SNSでフォローしたり、コミュニケーションをとることが多いです。

私は、Instagramで共感するデザインをしているデザイナーをフォローしていて、どんな考えや価値観を持っているのかを自分と照らし合わせることがあります。自分と似たような考えであれば親近感を抱き、違う考えであれば共感したりしています。

中にはグッズを出しているデザイナーもいて、いいなと思えば購入することもあります。私と同じZ世代のデザイナーを見ていると、やはり全員それぞれの価値観を持っていますが、見た目だけではなく、本質的な考え方を持っている方が多いように感じます。

社会への関心

私たちは、東日本大震災などの自然災害をリアルタイムで体験してきた世代です。実際に災害を受けた人もいれば、幼い頃からニュースで被害を見てきた人もいます。そのため、地球環境や社会問題などへの関心や、自然や社会とのつながりを重視する価値観(SDGsについて関心、共感)を持っています。実際に、私は大学でSDGsの授業がありましたし、同時期2020年頃から小学校や中学校、高校の教育課程でも必修化されているそうです。

これらの5つの特徴からわかるように、私たちZ世代は美しさより本質を求める、「新たな価値観」を追い求めています。

Z世代が評価するブランドの特徴とは

上記でご紹介した「デジタルネイティブ」「多様性の尊重」「自分の価値観を重視」「親近感や共感性を大切に」「社会への関心」の5つの特徴から、私たちがブランドをどのように評価しているのかが見えてくると思います。

まず、私たちZ世代はデジタルデバイスを使い慣れているので、WebやSNSを通じて情報収集をしています。重視しているものは、広告やメディアからの情報よりも個々の声や意見、口コミなど、より信頼性の高い情報です。そのため、ブランドは一方的な発信ではなくブランドの本質や実際のユーザー体験に基づいた情報、つまり、ブランドとユーザーのコミュニケーションに力を入れる必要があります。

つぎに多様性を尊重し、自分の価値観やワークライフバランスを重視しているため、ブランドが個々のニーズやさまざまなライフスタイルに合った商品やサービスを提供しているかどうかを見ています。その際、ブランドが商品やサービスのストーリーやコンテンツを用意し、共感を得ることができれば、よりそのブランドへの愛着が高まります。

さらに、私たちは社会への影響に対して高い関心を持っているため、ブランドが社会にどう貢献しているかどうかもみています。ブランドの環境や社会問題に対する取り組みを見ることで、そのブランドが信用できるものであると感じます。

Z世代に受け入れられたブランドの成功事例

では、実際に私たちZ世代に受けいれられるブランドをつくるためには、どのようなものが必要なのでしょうか?三つの成功事例を用いてご紹介していきます。

カロリーメイト

一つ目は、コロナ禍の影響を受けた受験生を応援するムービー「見えないもの」編をYoutubeで公開し、話題になったカロリーメイトです。このムービーが公開された当時、新型コロナウイルスの感染はまだ広がり続けている状態でした。

このムービーは、変化し続ける環境にいる受験生やその周りにいる人々に対して「見えないものと闘った一年は、見えないものに支えられた一年だと思う」というメッセージと共に応援するという内容になっています。

学生の気持ちに寄り添った感情を揺さぶるようなコピーと、共感性を掻き立てるムービーは、まさに私たちZ世代が求める親近感や共感性を重視したものになっています。ムービーに込められたメッセージが学生たちを奮い立たせ、頑張る力を与えたのは間違いないと思います。

また、Youtubeで公開することで、自らの体験や感想をコメント機能で気軽に書き込んだり、他のSNSへの共有も増えます。その書き込みや共有のしやすさから、感想やコメントが拡散され、カロリーメイトの認知拡大にも繋がった事例です。

サンリオ

二つ目は、推し活をするZ世代に向けたコンテンツを発信するサンリオ商品企画部のTikTokアカウントです。

@hapidanbui_sanrio

推し活とは、好きなアイドルやキャラクターなどを「推し」と呼び、 「推し」をさまざまな形で応援する活動のことを言います。約5人に1人が推し活する時代と言われており、推し活という言葉も一般的になってきています。

推し活が流行っているのも、Z世代の消費傾向が「モノ消費(モノの所有に価値を感じる消費傾向)」から「コト消費(得られる体験に価値を感じる消費傾向)」に変化していることが関係しています。

サンリオ商品企画部のTikTokアカウントは、Z世代の推し活に対してどのようなコンテンツを欲しているのか見極め、それを提供することで成功しました。このアカウントでは、サンリオキャラクターの楽しい動画やクリエイティブなコンテンツを発信しています。

私たちZ世代は、自分たちの好きなキャラクターやアイドルに関連するコンテンツに関心を寄せ、それを見て楽しむことで自己表現やコミュニケーションを楽しんでいます。サンリオ商品企画部のTikTokアカウントは、この需要に応えることで、Z世代の支持を獲得し、ブランドへの支持を築いています。

パタゴニア

三つ目は、環境保護や社会貢献活動に力を入れている企業として有名な、アパレルブランドのパタゴニアです。

パタゴニアは、製品の生産から廃棄までのすべての過程で環境への負荷を最小限に抑える取り組みを行っています。また、収益の一部を環境保護団体に寄付したり、環境問題に関する啓発活動を行ったりしているそうです。この取り組みを知ることで、私たちZ世代はパタゴニアの製品の背景にあるストーリーに信頼性を感じ、共感し、魅力的なブランドだと感じます。

また、製品の背景にあるストーリーを知ってパタゴニアの製品を購入することで、自分たちの行動が環境問題に対する取り組みに繋がっているとわかり、さらなる環境保護や社会貢献活動に対しての興味に繋がっているのだと感じます。

これらから、私たちZ世代が商品やサービスの背後にあるブランドの思いや価値観、そして社会に対しどのような取り組みをしているのかをよく見ていて、見た目の美しさではなく本質的な部分でブランドを評価しているということが分かってもらえたかと思います。

特に、透明性や誠実さを持っていて、自らのライフスタイルや価値観に共感できる、双方向にコミュニケーションが取れるブランドに魅力を感じやすいです。

未来のブランド戦略

これからの未来を作るZ世代の影響力は、今後ますます拡大していきます。企業はZ世代の特徴や価値観、ブランドに対して求めるものを理解し、Z世代の期待に応えるための戦略を練る必要があります。

複雑なようにも感じられますが、ブランドが持つ本質的な魅力を伝えていくことで、私たちZ世代との信頼関係を築き、支持を得ることができます。ブランディングはすぐにできるものではありませんが、一貫したメッセージと行動を続けることで、期待に応えるブランドを作ることができるはずです。

私たちブランコは、その魅力の引きだしから伝え続けるところまで、ブランディングを全面的にサポートしています。未来のブランド戦略を一緒に考えてみませんか。

Related Posts