称賛が企業文化をつくる。社内通貨でバリューが浸透する仕組み
こんにちは。ブランコでデザイナーをしています、得津です。
私事ですが学生のときに、通貨によるコミュニティの形成について研究していました。研究を通して、コミュニティで通貨を循環させる仕組みによって、人と人が助け合い、コミュニティとして強くなることを知り、とてもおもしろく感じました。
このような機会をいただきましたので、コミュニティ通貨のひとつである「社内通貨」にふれながら、社員一人ひとりのモチベーションを高め、豊かな企業文化をつくるために大切なことについておはなしできればと思います。
社内通貨とは
社内通貨は、企業が社員向けにつくり、流通させる通貨のことです。紙幣や通帳、カード、スマホアプリなどかたちはさまざまです。
また、付与されるタイミングや、付与された通貨の使い方もさまざまで、企業の課題から自由に通貨をデザインすることができます。
社内通貨のインナーブランディングへの効果
社内通貨を導入することで、コミュニケーションの活発化、バリュー(行動指針)の浸透が期待できます。
コミュニケーションの活発化
社員同士で称賛や感謝を伝えるために使うことで、コミュニケーションを活発化し、チーム力の向上につながります。
自分の気持ちは、仕事の中であまり直接伝える機会のないものですが、社内通貨を用いることで、送るときにことばを添えたり、気持ちの大きさを送る通貨の量で伝えたりすることができます。
目に見えづらかった感謝の気持ちをみえる化し、ことばにして伝えることで、良好な人間関係につながります。また、受け取った側は、自分がチームの一員として貢献できていることや、少しずつ成長していることを感じられ、モチベーションの向上につながります。
バリューの浸透
さらに、社内通貨を付与するタイミングを行動指針にひも付けることで、カジュアルな形でバリューの浸透につなげることができます。具体例と一緒に紹介します。
– 残業0のときに付与される
この場合、残業をしないことをすすめ、友人や家族とのプライベート時間を充実させることが大切だという価値観を共有することができます。
– 各研修や資格取得の成果に応じて付与される
こちらは、キャリアアップに向けた自己学習や専門的なスキル・知識の獲得を応援し、モチベーション向上に繋げることができます。
このように、社内通貨を導入することで、自分自身のチームへの貢献がみえるようになったり、企業の考え方を身をもって体験したりすることができます。
社内通貨を導入している企業の具体例
株式会社ディスコ「Will」
半導体製造メーカー・株式会社ディスコでは、社内業務の受発注や、専門的なスキル・知識の取得報酬に社内通貨「Will」を使い、社員一人ひとりの自発性を促進しています。また、保有量に応じた優秀者の報酬やインセンティブが、モチベーションの向上につながります。
カブドットコム証券株式会社「OOIRI」
三菱UFJフィナンシャル・グループのカブドットコム証券では、社内通貨「OOIRI」を導入し、残業ゼロや1日に1万歩以上歩いたときに通貨を付与することで、健康リテラシー向上をすすめています。他社と協働しながら、自社でシステムを開発することで、技術力の検証や社内外へのPRにもつながっています。
豊かな企業文化をつくるために
コミュニケーションの活発化、バリューの浸透を通して、働き方改革や社員個人の自己成長を推し進めることができます。
社内通貨を使用するなかで、行動が評価されて通貨が貯まる → 景品などと交換できる、または表彰される → 仕事へのモチベーションになる、という循環がうまくできると、社員一人ひとりが主体的になり、チームや会社にとってよいと思う行動を心がけるようになります。
経営層だけでなく、社員も一体となってやりがいのある環境をつくっていくことで、その企業らしい、豊かな企業文化の土壌につながっていきます。
社員からも愛されるブランドへ
社内通貨をうまく使うことで、コミュニケーションの活性化、バリューの浸透を図ることができます。またさらに、称賛や感謝をみえる化することで、社員個人のモチベーションや主体性を育むことができ、全社一体となった、豊かなブランドづくりにつながります。個人的にはブランコにも導入したいと思うほど、効果のある施策のひとつだと感じています。
今回は社内通貨を例におはなししましたが、ブランディングにはさまざまな戦略があります。私たちは、お客さまの今ある悩みに寄り添いながら、愛されるブランドづくりのため、最適だと考える提案をしてまいります。ブランディングをご検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。