ブランディングの意味と効果

企業や商品の要となる「ブランディング」。ホームページからのお問合せやクライアント様からのご相談が最近ますます増えてきたので、私たちが考えるブランディングについてあらためて整理してみることにしました。「よく聞く言葉だけど、実際には何をするの?」「なぜブランディングが必要?」「ブランディングをするメリットは?」そんな疑問を解決する一助になれたら幸いです。

 

ブランドの起源

そもそも、「ブランド」とはいつ始まった概念なのでしょうか。起源は中世ヨーロッパにさかのぼります。牛などの家畜が財産の証だった当時、飼い主は自分の家畜に焼き印で印をつけていたと言います。そしていつしか「焼印をつける」という意味をもつ「brandr(ブランドル)」という古い語が「ブランド」という言葉に変わりました。マークをつけることで他の似たものとわかりやすく区別することができます。

転じて現代では、ユーザーが他のものと区別して商品を選びやすいようにブランディングが用いられるようになりました。言い換えれば、消費者の選択のコストを下げることが目的のひとつだとも言えます。

 

ブランドの役割

また、「ブランド」は「信用」という言葉に置き換えることもできます。「ルイ・ヴィトン」のトランクなら長期間の旅にもぴったりだろう。馬具の職人から生まれた「エルメス」なら革製品は丈夫で使いやすいだろう。そうして消費者に認められた確かな「ブランド」は「信用」や「信頼」といった目に見えない価値を生みだすことができます。このような効果もまた「ブランド」の役割だと言えるでしょう。

 

「ブランディング」とは

「ブランディング」とは、ブランドの価値をユーザーに伝えていくプロセスのことを指します。それには一貫したコミュニケーションでブランドやサービスの本当の価値をきちんと伝えていくことが大切です。

ブランディングはよくビジュアルを整えることや一時的に注目を集めることだと勘違いされがちです。それもまたブランドの価値や認知度を上げるために必要な要素ではあるものの、本質的な部分ではありません。そのブランドの存在意義や他にはない価値を見いだし、その価値がターゲットとしているユーザーにきちんと伝わる、これこそがブランディングの本質です。たとえ見栄えが良くても、社会的に注目を浴びても、そのブランドの価値が伝わっていなければ意味がないのです。

 

ブランディングを成功へ導くプロセス

では、本質的なブランディングを行うためにはどのようにすれば良いのでしょうか。今回は、弊社が実際におこなっている、ブランディングのフレームワークについてご紹介します。そのフレームワークには6つのステップがあります。

1.ブランドの強みを理解・整理・定義する

多角的に深掘りし、ブランドの強みにつながる要素を探します。ブランドオーナーやエンドユーザーへのインタビューを行い、社内・社外のイメージのギャップからキーワードを洗い出します。洗い出したキーワードを整理しながら組み合わせ、ブランドの本当の強みを定義します。

2.ブランドにかかわるユーザーのニーズを知り分類する

ブランドの市場について調査をします。時代の流れや業界ごとの特徴をつかみ、ユーザーが求めていることを把握していきます。そして市場の特徴があらわれる比較軸を探し、年齢や職業、思考などのユーザーの情報を分析しながら分類します。

3.ユーザーの選択と集中をおこなう

特徴ごとに分類したユーザー毎にサービス利用までの動向を検討し、ターゲット層を検討します。また、競合となる企業やサービスの状況も把握することで、競合との差別化が図れるポイントを探します。

4.選択したユーザーへ届けられる価値を考える

ターゲットとするユーザーと競合の状況から、改めて自社の強みであり、競合と差別化がはかれる要素を検討します。そして競合と差別化できる軸と狙っていくユーザーのニーズをかけ合わせ、ブランドが目指す将来像を決めます。

5.仮説を立て戦い方を決める

設定した将来像へたどり着くための、売上や点数など定量的な目標を定めます。ゴールとなるKGIを設定し、KGI達成のために必要な顧客数や問い合わせ数など中間到達点となるKPIを決めます。そしてそれを実現するために必要な戦略を検討し、実行していきます。アプローチ方法は社内へのインナーブランディングと社外へのアウターブランディング、2つの戦略に分けられます。

6.データ検証を行う

Webサイトの動向を分析・評価するヒューリスティック分析やアクセス解析、アンケートの実施などを定期的に実施し、仮説の検証を続けます。KPIを管理しながら実施する施策を調整し、効果検証を続けます。

上記6ステップを繰り返し行き来することで、ブランドの価値を高めていくことができます。どのステップも疎かにできない、重要な要素です。ブランディングについてさらに詳しく知りたい方は下記リンクをご覧ください。

 

ブランディングの効果

ブランドオーナーにとってブランドはコミュニケーションの手段だと捉えることができます。同じロゴマークや書体などを用いた一貫したコミュニケーションで自社(製品)の独自性をユーザーに理解してもらう。その方法が「ブランディング」です。ブランディングがうまく働けば会社や商品に一本の筋道が通りその魅力をより正しく世の中に伝えることができます。さらに、言葉やデザインを決める過程でブランドの魅力や課題を一つひとつ整理できれば、目指すべきビジョンがより明確に見えてくるでしょう。

ブランコ実績:Fukuoka Growth Next

従業員数の増加や売上の向上などの、定量的な結果はもちろん、「社員どうしの意識に統一感が出てきた」「ブランドに対する責任や誇りを感じるようになった」「採用活動で求める人材が集まるようになった」など、数字に見える部分以外でも効果を感じたという声がたくさん集まっています。IT環境の進歩や働き方の変化など時代にともなってブランディングの重要性はますます高まっています。

いかがでしたでしょうか。ブランディングについて成り立ちから説明させていただきましたが、まだいまいちピンとこない方もいらっしゃると思います。私たちの実例を用いた説明で理解していただけたらと思いますので、お気軽にご相談ください。いつでもお待ちしております。

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