今、世界が注目するサウンドデザイン
こんにちは!イブです。今回は、私が今とても気になっている「サウンドデザイン」についてご紹介します。
日常に溢れている音
「サウンドデザイン」というと映画やテレビCM用の音楽制作を想像されるかもしれませんが、音楽は私たちの日常生活で“デザインされたもの”として色んなシーンで重要な役割を担っていると思います。
例えば信号が青になった時に流れる音や、駅のホームに列車が到着した時の音、お気に入りのBARの入り口を開ける音など。
脳への作用
私たちの耳は非常に敏感で、すごく小さな音でも認識することができます。そして音楽は、脳のほぼ全ての部分に働きかける力を持っていることが明らかになっています。
音と脳の関係性については未だ完全には明らかにされていませんが、音が私たちの行動や振る舞いに大きく影響していることは確かなようです。
マーケティングにも活用
マーケティング業界ではすでに音楽をあらゆる方面で活用しています。
スーパーマーケットではゆっくりとした音楽を流すことで、お客さんがゆっくりと歩くことを促して棚の前に長く居てもらい、商品をより多く買ってもらうことを狙っています。またBARでは速い音楽をかけることで、お客さんがお酒を飲むペースを速めるという効果があるみたいです。
しかし特に空間デザインなど、デザインの現場では“音”の存在を無視しているものが多いようです。駅などの公共スペースに、耳障りで不快な音がたくさん存在しているように思います。
ニューヨークのサウンドデザイン
実はこの不快な音などについての問題は、少しずつ改善されつつあります。
有名な例は音楽プロデューサーでありニューヨーク地下鉄のサウンド設計者、ジェームス・マーフィーによるプロジェクトです。
彼の構想では、ニューヨーク地下鉄の改札は機械ごとに違ったトーンで、全音階の音が鳴ります。改札にカードを通す度に、全ての改札が音楽を奏でるのです。あれだけの人混みと喧騒の中で、人々は音を楽しめるという訳です。
このプロジェクトはまだ実現していませんが、彼はその実現の日を心待ちにしています。
クラシック音楽で防犯!?
地下鉄で音楽を活用した素晴らしいプロジェクトがほかにもあります。 それは若者の犯罪者を減らすためにクラシック音楽が地下鉄の駅構内で流されるものです。
一般的な統計では、若者の犯罪者はクラシック音楽をあまり好まないことを利用しているようです。このプロジェクトの調査によると、これは非常に効果的だったようで、今ではアメリカを始め世界中の地下鉄で採用されています。
“音”が注目される未来
うまくいけば、音響やサウンドデザインに対する注目はより一層強まっていくと思います。
私たちが迎える未来は「Look nice!」なだけではなく「Sound nice!」と言えるようになりそうですね。
原文はコチラ
日本語版翻訳:舘 紗也子