文面は全部同じ!48種類のフォントを見分ける「フォントかるた」

もともとデザイナー仲間で行う新年会用の遊びのために作られたという「フォントかるた」。それがSNSで話題となり、2017年2月に製品化、発売されました。48枚の取り札に書かれた文言はどれも「愛のあるユニークで豊かな書体。」。しかし、使われているフォントが全て異なります。フォント名を詠み上げて、そのフォントが使われている札を取る。そんなマニアックなかるたです。

どこかで目にしたあのフレーズ!

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企画・デザインは、広告やエディトリアルを手がけるグラフィックデザイナーのせきね めぐみさん、解説は、グラフィックアプリケーションやデザイン関連書籍の執筆、グラフィックデザインのトレーニングを行っている伊達 千代さんが手がけた「フォントかるた」。

印刷されているのは「愛のあるユニークで豊かな書体。」。これは写植書体見本帳(写研)使われていたフレーズで、チーム全員一致で「これにしよう!」と採用されたんだそう。デザインに携わったことがある人なら1度は必ず目にしたことがあるこのフレーズに、思わず「そう来たか!」と声に出してしまった人もいるのでは…?

遊びながら学ぶ「まなび」のツール

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「フォントかるた制作チーム」のみなさんは、フォントかるたを単なる難しいゲームと考えているわけではないのだといいます。

「今までフォントに関心がなかった方でも、楽しみながら書体の違いが学べる絶好の「まなび」ツールだと考えています。フォントかるたをプレイすることで、街で見かけた書体を判別できるようになった小学生がいます。また、すでに高校・大学の授業の中で書体を学ぶ教材として使われていたり、印刷会社の研修に使いたいという要望もありました。一般の方々が、書体の面白さに気づき、書体の違いを知って、目的にあったフォントを選べるようになるために、フォントかるたがきっかけとなれることを、私たちはひとつの目標にしています」といいます。

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「まなび」ツールと考えているのも納得。読み札の裏には、フォント名・制作企業名・解説・そのフォントの文字が記されていて、フォントのことをよく知らない人でも興味を持ちやすくなっています。受験シーズンに持ち歩く「単語帳」のように、穴を開けて持ち歩きたくなってしまうような内容です。

「かるた」以外の遊び方も…?!

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また、数種類の遊び方ができるのもポイント。大人数でワイワイとかるたを楽しむ以外に、百人一首のように札を整列させて対戦したり、付属の「読み札用ケース」を組み立てて、読み札を1枚ずつ抜き取りながら対戦、または1人で挑戦するという、読み手がなくても楽しめるような遊び方のアイデアが満載。

もともとは、新年会の余興として生まれたアイテムだけに、学びのツールとしてはもちろんのこと、遊びの延長で気軽にフォントと触れ合ってほしいという思いが遊び方の多さにも反映されています。ストイックに勉強したい方、かるたとして楽しみたい方、様々なニーズに答えた「フォントかるた」。まずは第一歩として気軽にホームパーティや旅行に持って行ってみてはいかがでしょう?

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