美しい書体 “Zapfino”が時間を彩る腕時計「smart canvas」
数々の書体を生み出した、ドイツの書体デザイナー、Hermann Zapf(ヘルマン・ツァップ)。
2015年6月、その生涯に幕を閉じましたが、彼はいくつもの有名な書体を遺しています。
亡くなった彼を偲んで、彼のつくった美しい書体「Zapfino」で時を刻む腕時計、「smart canvas」をご紹介します。
彼のつくった書体
ツァップは幼い頃から、兄と秘密のやりとりをするための暗号文用アルファベットをつくっていました。カリグラフィーは独学で学び、長年連れ添った奥様もツァップと同じく書体デザイナーでありカリグラファーという、書体に縁深い人生を送っていました。
彼がつくった書体の中でも、縦横の線の太さがあまり変わらず、セリフが直線的で独特な雰囲気を持つ書体「Palatino」と、ローマン体を意識して作られた、サンセリフながら上品で装飾豊かな書体「Optima」がとても有名です。
Optimaは、シンプルかつ高級感溢れるそのエレガントな印象から、ファッションブランドや化粧品、女性誌などに多く使用されています。
そして試行錯誤の末に生まれた「Zapfino(ツァッフィーノ)」は、カリグラフィーとフォントを組み合わせたような新しいスタイルで、伸びやかな優雅さと力強い印象をあわせ持った美しい書体です。
以前コチラの記事でもご紹介した、タイプ・ディレクターの小林章とともに改良を加えたものがMac OS Xに入っているので、見たことがある方も多いかもしれません。
フォントで時を感じる
そんなZapfinoの魅力を堪能できる時計が、2015年4月にEPSONから発売されました。
「時感旅行」をコンセプトに、時を感じ、時を楽しむために生まれた腕時計「smart canvas」は、ミッフィーやムーミンなど様々なシリーズを出していますが、これはフォントで時を感じる「Monotype」シリーズのもの。
小林章監修の元、HelveticaとZapfino Extraを文字盤に使用した2種類が発売されています。
日付・曜日・時刻が表示されるベーシックモード、時をフォントで知らせるスペルアウトモード、数字をモチーフにタイポグラフィー化されたパネルのタイポグラィーモード、時刻と時間が表示されるデスクトップモードと、表示モードは4種類あり、オススメはZapfinoを堪能できるスペルアウトモード。
金具の色はシルバーとブラックの2色から選べ、午前は画面の背景色がホワイトに、午後はブラックになり、時の流れを教えてくれます。
一部在庫商品があるものの、基本的に受注生産のため、注文から最長で3週間ほどで手元に届くそうです。
弊社のデザイナーもZapfinoの時計を愛用していますが、この時計があれば、Zapfinoが時間まで優雅に彩ってくれそうですね。
smart canvas Monotype「Zapfino Extra」
¥20000 silver/black
バンドのみ(別売り)¥3000 全12種類 silver/black