光に透かすと“こもれび”が浮かび上がる「こもれびうちわ」

夏に欠かせない日本の風物詩・うちわ。竹と和紙でつくられた本格的なうちわをひとつ持っていると、日常に彩りをプラスしてくれるだけでなく、浴衣姿をより美しく演出してくれたり、お祭りなどでも活躍してくれます。今回は、夏のお出かけを小粋に楽しむことができる「こもれびうちわ」をご紹介します。

こもれびうちわとは…?

「こもれびうちわ」はMARLC(マアルク)のアートディレクター・平田 ことこさんが手がけた、光にかざすと情緒溢れる“こもれび”の光景を映し出すうちわです。

伝統的な技法から生まれたうちわ

こもれびうちわに使用されている越前和紙の起源は、1500年前までさかのぼるといわれています。現在の福井県の岡太川の上流に現れた美しい女神「川上御前」によってこの地に紙づくりが伝えられたという伝説が残っており、その技術は現代まで絶やすことなく受け継がれています。

その技術を用いて制作された和紙。いうまでもなく、熟練の技術を要します。和紙を無地・柄・柄の三層にすることによって、障子にうつり込んだようなぼんやりとした輪郭の“こもれび”を表現しています。すべてが手作業で行われるため、ひとつづつ柄のニュアンスが異なります。

また、仕立ては「京うちわ」の老舗で創業300年の阿以波によるもの。放射状に並ぶ骨組みが京うちわの特徴。心地よいうちわの感触を作るために、職人の手で丁寧に並べられていきます。

風を運んでくれるだけでなく、目でも楽しむことができるこもれびうちわ。

平田さんは「障子に映る影が美しく、現代の住宅で見ることの少なくなったその風景をそのままデザインに落とし込みました。」と話します。

都会の喧騒の中で、忘れがちな自然の美しい風景を思い出させてくれるデザイン。例年になく暑い日が続いている今年の夏。傍らに置いて涼を感じてみませんか?

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