カスタマージャーニーマップとは?その必要性と効果的な運用方法をご紹介!

近年、人々の消費行動は大きく変容しています。デジタル化やコロナ禍によるニューノーマルの拡大で、Webをはじめとする非対面での接点も増えてきました。

このように複雑化する顧客の購買プロセスを分析し、課題を発見するために欠かせないフレームワークが「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーマップを効果的に運用するためには、概要やメリットを押さえておくことが欠かせません。

この記事では、カスタマージャーニーマップの概要や導入メリット、作成方法、活用事例について解説します。

 

カスタマージャーニーマップとは

昨今は、インターネットやSNS、サブスクリプションモデルの普及などで情報化が進み、商品とユーザーとの接点が多様化していることにより、昔に比べるとユーザーの行動を把握することが困難になっています。

そこで、商品とユーザーとのタッチポイントを細かく確認し、顧客の行動・思考・感情を想定し共有できるカスタマージャーニーマップが注目されるようになりました。ここではまず、カスタマージャーニーマップの概要と、作成により得られるメリットの詳細をみていきましょう。

カスタマージャーニーマップの概要

カスタマージャーニーマップとは、一言で言うと、「商品やサービスを関わるユーザーが、どのようなプロセスをたどるか視覚化したもの」です。ユーザーが、商品やサービスを購入するまでにとる行動や思考などを、時系列で並べて1枚の「地図」にします。

カスタマージャーニーマップは、商品と顧客のタッチポイントを「認知」「興味関心」「検討」「購入」「購入後」の5段階に分けたものが基本構造です。これらのステージごとに、発生する行動や思考、感情を詳しく分析します。

実際に弊社で使用しているフォーマット

ユーザーは、商品やサービスと関わるなかで、ステージごとに「認知」や「検討」のような異なる行動を行います。そのため、カスタマージャーニーマップを作成することで、行動の全体像を可視化し、ユーザーとの新たなタッチポイントを発見できるのです。

カスタマージャーニーマップは、BtoBやBtoC問わず、どのような商品・サービスにも適用できるフレームワークです。ペルソナや共感マップと併用されるケースも多くあります。ペルソナと併用する場合、細かい項目や内容は扱う商品やサービスによって異なるため、一つのペルソナにつき一つのカスタマージャーニーマップの作成が必要です。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット

ここでは、カスタマージャーニーマップを導入することで得られる代表的なメリットをご紹介します。

課題の可視化・明確化ができる
顧客の行動をより正確に分析するためには、商品に触れている期間だけではなく、前後の行動やプロセスについても把握することが必要です。

カスタマージャーニーマップでは、購買プロセスを時系列で並べるため、マーケティングのアプローチがユーザーの心理とマッチしているかをしっかりと確認できます。「ユーザーが必要としている情報を提供できているか」「どのタイミングでどのような広告を打ち出せば効果的か」といった課題抽出がスムーズになります。

顧客とのタッチポイントを強化できる
ユーザーが商品やサービスを認知するきっかけには、広告・SNS・口コミなどさまざまなものがあります。多様な顧客とのタッチポイントがあるなかで、カスタマージャーニーマップは「どのタッチポイントを強化すれば認知が拡大するか」を判断する材料となります。

また、ユーザーの視点に立ち、行動に至った背景を理解できれば、顧客とのタッチポイントをより効果的なものに改善することも可能です。タッチポイントの強化によって、新規ユーザーの獲得だけでなく、サービスの離脱防止も期待できるでしょう。

顧客満足度の向上
カスタマージャーニーマップは、ペルソナ設定や共感マップだけでは明確化されなかった要素を補完し、顧客をより深く理解するためのツールです。

行動分析をもとに、ユーザーの思考やネガティブ・ポジティブ感情などを詳細に把握できるため、質の高い商品・サービスが提供できます。ユーザーのニーズに沿った商品やサービスを提供することで、顧客満足度の向上や他社との差別化も期待できるでしょう。

 

カスタマージャーニーマップの作成方法

では、カスタマージャーニーマップはどのように作成すれば良いのでしょうか。ここでは、具体的な作成方法について順を追ってご紹介します。

ペルソナを設定する

まずは、ペルソナを設定します。ペルソナとは、顧客ターゲット像を具体化したものです。年齢や性別、居住地などから趣味嗜好に至るまで、細かく想定し描写することによって、ターゲットの行動や思考パターンが想像しやすくなり、ユーザーとの接点やアプローチ方法の具体的な検討が可能になります。

描写の解像度が高ければ高いほど、カスタマージャーニーマップのクオリティも大きく向上します。ペルソナの概要や設定方法については過去にSwingsでもご紹介しているので、気になる方はこちらから御覧ください。

また、必要に応じてペルソナを複数設定することも重要です。実際のユーザーにはリピーターも新規ユーザーもいるため、対象次第で最適なアプローチが異なるためです。

ペルソナの行動・感情を整理する

次に、描写したペルソナから想定される顧客行動を時系列で並べていきます。
例えば、何かしらのサービスを利用したペルソナの顧客行動としては、以下のようなプロセスが考えられます。

  1. サービスを知る
  2. サービスに興味を持つ
  3. 他社との比較や検討を行う
  4. サービスを試してみる
  5. サービスの利用を開始する
  6. 内容に満足し、継続的に利用する

ここで重要なのは、利用に至るまでだけではなく、利用開始後のフェーズも考慮することです。ユーザーが途中離脱しないようなアフターサービスを検討することも大切だからです。

その後、フェーズに応じてユーザーがとった行動をカスタマージャーニーマップに記載します。例えば、「サービスを知る」というフェーズでは、以下のような行動が予測できます。

  • SNSで知った
  • ネットで検索してホームページにたどり着いた
  • 知人との会話で知った

行動を整理したあとは、ユーザーの感情を想像してカスタマージャーニーマップに記載します。この際、先入観をなくし、なるべくユーザー視点で考えることが大切です。

チャネル・タッチポイントを設定する

顧客が商品と触れる接点を「タッチポイント」、接点となる場所や媒体を「チャネル」と言います。タッチポイント・チャネルとして「店頭」「Webサイト」「SNS」などのいずれの選択肢が効果的であるかを検討し、顧客の行動心理を分析し仮説を立てます。現状を正しく把握するために、顧客にアンケートをとるなどして調査を行い仮説検証することも有効です。

課題を抽出し分析する

カスタマージャーニーマップで読みとる顧客の行動心理から、課題を抽出し、分析します。この際、ユーザーのネガティブな感情にフォーカスすると、課題抽出をスムーズに行えるでしょう。ただし、当然ながらポジティブ感情にも課題が潜んでいる場合があるため、多角的な視点から分析することが重要です。

具体的な課題としては、以下のようなものが挙げられます。

認知や興味について

  • ユーザーがフォローしているインフルエンサーに、商品を知られていない
  • SNSの写真が、ユーザーが実際に着ている様子をイメージできるものになっていない

情報収集・比較検討について

  • ブランド名のハッシュタグがないため、検索できない
  • 価格が把握できないため、購入を躊躇してしまう
  • こういった課題を抽出して、解決策を検討していきます。その際、やみくもに進めていくのではなく、「どの課題を解決すると最初に設定したゴールに近づくのか」という視点を持って、優先順位を決めて施策を実行することがおすすめです。

     

    カスタマージャーニーマップの例

    ここまで、カスタマージャーニーマップのメリットから作成方法までをご紹介しました。そのうえで、カスタマージャーニーマップを効果的に導入するためには、既にある成功事例から学ぶのも有効です。以下では実際の企業におけるカスタマージャーニーマップの活用事例をご紹介します。

    らでぃっしゅぼーや

    顧客満足度を重視する食材宅配事業「らでぃっしゅぼーや」は、顧客推奨度調査を実施し、得たデータを効果的に活用するためにカスタマージャーニーマップを作成しています。抽出した課題を顧客推奨度調査のアンケートに反映させたり、調査結果を社内で共有したりと、日々の業務の改善に役立てているとのことです。

    リコー

    光学機器メーカーの「リコー」は、導入決定までと導入以降を切り分けて、二つのカスタマージャーニーマップを作成しています。導入以降のマップでは、製品・サービス習熟までのプロセスにフォーカスしました。特にサブスクリプションサービスでは、「導入したが使いこなせていない」といった習熟不足が継続契約の妨げとなり得るため、カスタマージャーニーマップを活用して運用をサポートしているとのことです。

     

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    カスタマージャーニーマップを作成することで、ユーザーが購買行動のなかでストレスを感じるポイントを明確にできます。ユーザーエクスペリエンスの全体像を可視化すれば、チーム全員で共通の認識を持ちやすくなり、課題に対する施策検討をよりスムーズに行えるでしょう。ぜひこの記事を参考に、カスタマージャーニーマップの作成を検討してみてはいかがでしょうか。

    弊社ではペルソナやカスタマージャーニーマップの作成はもちろん、サービスの企画段階から参画させていただく事例も多くございます。ご質問、ご相談等ありましたら、お気軽にご相談ください。