アンクルトリスの生みの親、イラストレーター柳原良平さんに思いを馳せる
イラストレーター、画家、漫画家、エッセイストである柳原良平さんが8月17日にお亡くなりになりました。享年84歳でした。
柳原さんの名前に聞き馴染みがなくても、ウィスキーのキャラクター「アンクルトリス」の生みの親、と言ったらお分かりになる方も多いのではないでしょうか。
今回は追悼の意を込めて、柳原さんについて少しご紹介します。
大の船好き
サントリーホールディングスの前身である寿屋の宣伝部に所属していた際、コピーライターの開高健さん、CMプランナーの酒井睦雄さんたちと広告制作を担当し、切り絵を得意とする柳原さんのシャープなラインが特徴的なアンクルトリスが誕生しました。
寿屋を退職後、フリーランスで活躍し、絵本や本の装丁なども多数手がけられました。
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引用元:こぐま社 公式サイト
「かお かお どんなかお」「やさいだいすき」といった柳原さんの生み出す絵本は、独特の色味と切り絵で表現されたシンプルな内容で、子ども達にも人気がありロングセラーになっています。
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引用元:柳原良平 公式サイト
大の船好きだったことでも知られており、船にまつわる著書も多数、作品の中にも船をモチーフにしたものが数多くあります。海運各社から名誉船長の称号を贈られたり、「帆船日本丸記念財団」の理事を務めていたこともあるのだとか。
横浜の愛称を決める選定委員を務めた際も、「横浜は港町だ」と強く推し、「みなとみらい21」に決定したという逸話もあります。
愛され続けるアンクルトリス
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引用元:サントリー 公式サイト
アンクルトリスは、美味しいハイボールをつくるのが好きで、美味しいハイボールを飲むのはもっと好きというバーテンダーの設定。
ウィスキーを飲むとだんだん顔の色が変わっていくテレビのCMや、高度経済成長期の当時、サラリーマンの心情を代弁した有名なキャッチコピー「『人間』らしくやりたいナ 『人間』なんだからナ」で共感を呼び、広く浸透していきました。
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引用元:アンクルトリス 公式Facebookページ
ウィスキーとハイボールにまつわる話題が定期的に更新されるアンクルトリスの公式Facebookページにはファンが3万人近くいるなど、誕生から57年たった今も多くの人に愛され続けています。
柳原さん死去の報道がされた8月19日には、R.I.P(「rest in peace(安らかに眠れ」)」を表す俗語。日本語の「ご冥福をお祈りします」と近い意味を持つ。)というコメントも寄せられていました。
週末はハイボールを飲みながら、大好きな船に乗って空を航海し続けているであろう柳原さんに思いを馳せたいと思います。