アーツ千代田3331で創造的な匂いに触れる
東京は福岡にまして、うだるような暑さです。ヒートアイランド現象ってやつですか?福岡のほうが海に近いせいか幾分涼しく思います。
東京に来ています、やいぶです。こんにちは。
仕事の関係もあって、前々から気になっていたアーツ千代田に行ってまいりました。
廃校というマイナスから作られたアーツ千代田
アーツ千代田は、廃校になった学校を利用して作られた施設のようで、至るところに学生時代の記憶を呼び覚ますような風景が残っています。
正式な名称は「アーツ千代田3331」。3331の由来は、江戸一本締めから来ています。
「タタタン」と手を3度打つことを3回繰り返して「九(苦)」となり、最後に「タン」と1度打つことで苦を払い、九に一画加えて「丸」となり人々が繋がっていくと言われているそうです。そうして苦が落ち、丸くなり人々が繋がっていく場所であることをデザインで表現し、漢字の3331がロゴマークの中に入っています。
アートに興味を持つ人だけでなくだれでも気軽に利用でき、新しいアートの拠点であり人々が集い繋がっていく場所でもあるようです。
1階はメインフロアー。エキシビジョンや、セミナーなどが行われるスペースで、カフェなんかもありました。
夏休みは、子供向けの展覧会などが行われているようですね。
丁度、デザイナー向けのセミナーが行われてました。
2階はどことなく油絵具の匂いがする、アートスペース。デザイン科の高校に通っていた身としては、また元々学校というロケーションも相まって、非常に懐かしい空間でした。
3階はシェアオフィスやクリエイティブオフィスが連なるフロア。
創造的な箱
基本的な設計は、旧校舎をそのまま活かし、大きな工数がかかる工事はしてないように見受けられました。
作り過ぎない、手を加えすぎない、学校の持つどことなく神聖で郷愁の念を殺さないことで生まれる「創造的」な匂いやオーラが全体に立ち込める素敵な「箱」でした。
余白と余裕
都市には余白が大事だと思っています。それが緑だったり公園だったり美術館やギャラリーだったりと、社会活動に直接必要ではない空間。
都市の余白は余裕に繋がり、余裕があれば豊かな発想やコミュニケーションが生まれ、多様性も醸造される。そんな空気を醸し出すような施設が、都市の文化的な発展には必要です。
グラフィックデザインの世界でもそうですが、豊かさとの表現で余白は非常に重要です。一見ムダと思える空間や空白も、計算しうまく使うことで、余白は余裕に、そしてそれは豊かさを演出します。
デザイン=高い?
「デザイン=価格が高い」みたいな風潮が、いまの日本にはあるかもしれません。価格の高さと豊かさは、直接繋がってはいないはずです。価格を含めて設計するのがデザインですし、予算の問題も含めて解決策を考えるのがデザインです。
ぜひ福岡という都市にも、このような余白をつくり、豊かな生活をつくってはいかがかな?と思っております。アーツ千代田のように、大きなお金をかけずにも「豊か」はつくれるはずだと考えています。もしかしたら、そこにデザインの力が多少使えるかもしれません。
では、また
アーツ千代田3331
廃校を利用して誕生したアートセンター