ディック・ブルーナがこだわった「シンプル」の正体 に迫る
ミッフィーの生みの親として知られる絵本作家ディック・ブルーナさんの原画やスケッチが集結した「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展が、天神イムズ 8Fアルティアムにて5月13日(土)〜7月2日(日)の期間で開催されています。
シンプルと親しみ
絵本作家、グラフィックデザイナーと、2つの顔を持つブルーナさん。本展では、彼の求め続けたスタイル「シンプル」の正体に迫ります。
ブルーナさんの絵本の親しみやすく暖かい雰囲気は、点と点を線で繋ぐように描く手法から感じとることができます。ゆっくりと慎重に描くことで微妙な線の揺れが生まれ、その揺れの中にブルーナさんの想いが込められているように感じます。
色を見ただけでブルーナさんの作品を連想できるほど、たくさんの方に浸透しているこの6色。“ブルーナカラー”と呼ばれており、シンプルな色合いで独自の世界観が表現されています。
イラストはスケッチをもとに慎重に形から無駄なものを削ぎ落としたものだそうで、子供にも理解しやすく、親しみやすい工夫となっています。
絵本のストーリーは、少し幸せな気持ちになるような表現で優しい言葉がとても印象的です。
ブラック・ベアの絵本も展示
展覧会メインビジュアルでも登場するブラック・ベア。ブルーナさんが手がけるペーパーバックシリーズの宣伝ポスター等で有名なキャラクターです。
彼は、本を読むことが大好きなクマ。
ブルーナさんが創作活動を引退される少し前に作られた絵本『de beer is dood』にも登場します。この絵本は、オランダ語で「クマくんが死んだ」という意味で、ブルーナさんの逝去後に発表するのがふさわしいとされ公開が見送られていました。
ブルーナさんが今年の2月16日に亡くなられ、6年もの間大切に保管されていた作品『de beer is dood』を特別展示。本展は、市販予定のない『de beer is dood』を見ることができる貴重な場となりました。
シンプルの明日
本展ではブルーナさんが手がけた200点以上のペーパーバッグ、およそ40点の原画やスケッチと、たくさんの作品を見ることができます。
さらに「シンプルの明日」というテーマで、グラフィックやプロダクト、ファッションなどのジャンルで活躍中の4組(KIGI/groovisions/中村至男/ミントデザインズ)が、ブルーナさんからインスピレーションを受けた新作の展示も行われています。
以前こちらの記事では、ブルーナさんの「ミッフィー(うさこちゃん)」を描く上でのこだわりをご紹介させていただきました。
ブルーナさんのこだわりを知り「シンプルの正体」に迫ることで、新たな趣を感じられるかもしれませんね。
シンプルの正体ディック・ブルーナのデザイン展
天神イムズ 8Fアルティアム
2017.5.13(土)-7.2(日) 10:00-20:00 ※5.16(火),6.20(火)休館
一般400(300)円、学生300(200)円、高校生以下無料、再入場可