ディック・ブルーナの3つのこだわり − 60周年記念ミッフィー展
誰もが知っているキャラクター、うさぎの『ミッフィー』は今年で60周年を迎えます。ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナ。佐藤可士和氏もブルーナに影響を受けたと公言していますが、彼はオランダの絵本作家でありグラフィックデザイナーでもありました。
究極にシンプルなのに温かみのある彼の作品、ミッフィーの絵本の中に込められた彼のこだわりをご存知でしょうか。
1.キャラクターが常に正面を向いている。
ミッフィーの絵本に登場するキャラクターは、基本的に正面を向いていて横顔のカットは存在しません。これは“嬉しいときにも悲しいときにも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたい”というブルーナの深い愛情の表れです。
確かにキャラクターがこちらを見てくれていると、子どもたちは安心するんでしょうね。
2.線が揺れている。
ディック・ブルーナは自身が描く線についてこう言っています。
「わたしの線は、いつもすこし震えています。
まるで心臓の鼓動のように。
震える線はわたしの個性なのです。」
3.使用するカラーは6色。
これが一番有名なこだわりかもしれません。
ミッフィーの絵本やグッズに使われている色は、白・黒を除くと丁寧に吟味されたこの6色のみ。これが独特の世界観を作り出している要素のひとつですが、なぜこれらの色なのでしょうか?
6色にはそれぞれ意味があります。
「赤」…喜び・楽しさ。幸せで豊かな空気のイメージ。温かい、愛情の色。
「黄色」…明るさ・楽しさ。赤や緑に温かみを与える色。
「緑」…安心・安定。私たちの世界を彩る、樹木などの自然描画に必要な色。
「青」…悲しみ・静けさ。よそよそしく冷たい色。
「茶色」…落ち着き。ミッフィーのお友達を表現するための色。
「グレー」…バランスに必要な色。ミッフィーのお友達を表現するための色。
元々は4色だったのですが、茶色とグレーは「子犬や子熊、うさぎや象を描くために」後年になって加えられました。それぞれが主張する強さを持っているのに、隣り合った時にそれぞれの色味をそこなうことなく互いを引き立たせる、計算しつくされたこの6色は“ブルーナカラー”と呼ばれています。
何がどんな色で描写されているのか、色使いに注意して見てみると、ミッフィーの世界をより楽しめそうですね。
全国でミッフィー展開催
今年88歳を迎えるディック・ブルーナは、2011年に創作活動を引退しましたが、ミッフィーの生誕60周年を記念し、2015年から2016年にかけて日本各地で『ミッフィー展』が開催されます。一番の見どころは、1955年に初めて出版されたミッフィーの絵本第1版の原画展示。なんと世界に先駆けて日本で初公開されるんだとか。
約300点の原画やスケッチのほかに、近年公開されたアニメーション映画のセットも展示される予定です。まだ会場や日程などの詳細は発表されていませんが、福岡にも巡回してくるようです。大人も子供も一緒に楽しめる展示になりそうですね。
ちなみに、実は日本では呼び方が二通り存在していて、福音館書店版では「うさこちゃん」、講談社版では「ミッフィー」と呼ばれているそうですよ。
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