本物のパンからできたインテリアライト「パンプシェード」

「…本物のパン?!」。思わず二度見してしまうこちらのライト。実はこれ、神戸在住のアーティスト・美術家の森田 優希子さんの手から生まれる、本物のパンからできたインテリアライトなんです。

食べる以外のパンの魅力

2006年当時、パン屋で働いていた時にパンの魅力にすっかり取り憑かれたという森田さん。しかし売れ残ったパンが廃棄されていく現実が、どうしても受け入れられなかったのだといいます。

パンは食べておいしいのはもちろん、見ているだけで人を幸せにする魅力を持っている。そう感じた森田さんは、2007年からパンの研究を開始。知れば知るほど奥深いパンの世界。世界各国に広がるパンの多様な文化、味、食べ方。どこをとっても、研究に終わりはなかったのだといいます。そして同年、本物のパンをそのまま活かした第一号のパンプシェードが完成しました。

そして2016年。「モリタ製パン所」という屋号を掲げ、本格的にパンプシェードの制作にとりかかったという森田さん。まずは、パンプシェードをつくる上で1番重要な“パン”をどうするか、という課題にぶつかりました。森田さんはもともと大ファンだったというパン屋「ビゴの店」に直談判。

「ビゴの店のオーナーであるフィリップビゴさんは、日本にフランスパンを浸透させた貢献者として有名な方です。また、ビゴの店のパンは美味しいのはもちろん、所謂王道のフランスパンといった具合の生地で、形やクープも美しく、職人のこだわりが感じられます。そういったビゴの店の歴史的な面とパンの特徴に惹かれたので、ここ以外は考えられないと思い、お願いをしました」と森田さん。その熱意が通じ、取引をさせてもらえることになったのだそう。

やさしくおいしい明かり

そして、本物のパンゆえそれぞれに個性があります。「くり抜いた中身は美味しくいただくということには気を使っています。また、パンプシェードにする部分はしっかりと、防腐防カビ加工を施し、長期使用できるものに仕上げるよう気を付けています」というように、ひとつひとつパンの表情をうかがいながら、手作業で制作しているのだといいます。

そして、パンをくり抜いた後に中に入れる照明部分。森田さん自身も電流や電圧、家電製造の勉強をし、照明メーカーさんとともにパンプシェードだけのオリジナル部品をつくりだしたのだといいます。パンをおいしそうに光らせることを何よりも大切にしているという森田さんらしいエピソードです。

そうして、試行錯誤を繰り返して現在のパンプシェードが出来上がっています。「皆さんの普段の暮らしの中で、パンの温かい光が、空間を優しく包み込むようなものでありたいと思っています」と語るとおり、世界にひとつだけの明かりが、日常生活をやさしく照らします。
これから、世界中にパンプシェードを届けていきたいと語る森田さん。これからのさらなる飛躍が楽しみです。

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