IoTをすべての人へ。挑戦する「MAGELLAN」のプラットフォーム

「モノのインターネット(Internet of Things = IoT)」という概念が、近年注目を集めています。

IoTとは、今までネットワークに接続されていなかった「モノ」が、技術の進歩によってインターネットを介して情報をやり取りする能力を備えていくということです。

IoTには欠かせないバックエンドのクラウドプラットフォームの一つに、福岡発の「MAGELLAN(マゼラン)」というサービスがあります。

その提供元である株式会社グルーヴノーツの代表取締役社長 最首英裕さんに、「MAGELLAN」について、そしてこれからのIoTのあり方についてお話を伺いました。

「MAGELLAN」とは

MAGELLAN_pc

―「MAGELLAN」とは一体どんなサービスでしょうか。

最首 「MAGELLAN」は安定したデータ収集と集まった大量のデータを高速で処理する仕組みを持ったクラウドプラットフォームです。元々はオンラインゲームのバックエンドに特化して事業を行っていましたが、現在はゲーム分野だけではなく医療、自動車、製造といったIoT分野にも進出しています。

―IoT分野に進出して、何か感じたことはありますか。

最首 まず世の中でIoT、IoTとあちこちで言われていますが、実際は話題先行で、本格的なサービスはまだまだだと感じています。

そして「MAGELLAN」の営業先をゲーム業界にとどめずIoTに関する様々な業界に広げていったことで、それまでよりもっと生活に身近な考え方をするようになりました。自動車、カメラ、デバイスなどのメーカーや医療関係、どこへ行っても最終的には生活に溶け込んだ話になる。決してビッグデータが云々という話ではないです。

世の中の変化をいかに感じ取るか

最首 あと当たり前のことなのですが、社会は関連し合って動き、世界は常に大きく変化していることに改めて気づきました。

ヒット商品が生まれるプロセスって、世の中の変化があり、そこから生まれる潜在的なニーズをカバーする商品がタイミング良く出てくることで、結果的に商品が売れる。何と言うか、つまり売れるということは必然なんだとつくづく感じます。

例えばスマートフォンは、メーカーが小さくて性能の良いハードウェアを作ることが出来るようになったから皆が買っているのではなく、世の中が変わったから人々がその変化に応じたツールを求め、そこにタイミングよくスマートフォンがはまったんだと思うんです。

技術を中心に物事を考えると生産性や効率を重視しがちですが「MAGELLAN」のようなサービスを推し進めるうえで重きを置くべきことは違うところにあるんじゃないかと考えています。

ハードウェアメーカーの方々と話していて、少し違うなと感じることがあります。ハード部分ばかりにこだわって、個人が使うデバイスなのに個人の気持ちや要望が反映されていないとか、その辺りです。

例えば心拍計を作ったとします。心拍数や活動量を知るためだけの物で終わってしまっては利用者の琴線に触れない。一緒にスポーツをする仲間やコーチと情報を共有したり、友達と一緒に楽しめたり、そういうことをユーザーは望んでいるのではないでしょうか。

IoT×グルーヴノーツ×福岡

IoT_MAGELLAN01

最首 さらに言うと、生活に身近な考え方が求められるIoTと私たちのビジネス、そしてここが福岡であるということ。この三つのポイントをいかに絡めていくかを考えた時に、会社自体を地域社会に適応させて、社会との関わりを深める必要性を感じています。

福岡という場所はとても面白い場所です。福岡は違う個性、違う職業、違う感性の人たちとの触れ合いが非常にやりやすい。人間のバリエーションの幅は、ビジネスにも非常に重要ではないかと。なので、そんな社会と深く関わることはとても大切だと思っています。

また将来のIoTは「ハードウェアを売る」というよりも「ハードウェアという素材やサービスという素材を提供する」という感覚に移行するんじゃないかと思っています。その素材を、様々な人たちが活用していく。そんな未来を予想しています。

様々なモノが民主化

―近い将来、IoTという名前じゃなくなるかもしれませんね。誰にとっても身近な当たり前のことになっている可能性がありますね。

最首 IoTに限らず、社会の様々なものが民主化する方向にある気がしているんです。

例えばメディアにおいては特にそれが顕著で、以前はテレビでも新聞でも特別な人がやっていましたが、今はインターネットが普及し権威によってリードするメディアという存在が成立できなくなりました。

同じような流れがハードウェアにも訪れて、それが広い意味でのメーカーズブームでありIoTじゃないかと思っています。そこを「MAGELLAN」で民主化させる。そんな流れを加速させたいと思っています。

そうすると、結果的に私たちのようなIoTのバックエンドをやっているような仕組みも一緒に普及していくのではないかと。

ゲーム業界を経験して気づいたこと

―ところで、元々はゲームに特化したサービスとのことでしたが。

最首 ゲームのビジネスは非常に難しいですね。ゲームというエンターテイメントは、みんなが楽しいと思えるものを作る訳です。つまり目に見えないこと。もっと言うなら、楽しさとの関係を想像しにくいものは「なんかどうでもいいんじゃない?」って考えられがちです。だからサーバーとか、クラウドとかは重要性がなかなか伝わりにくい。

それでも、ビジネスシステムに比べると圧倒的なデータ量やトラフィックをさばいてきた訳で、そういう実績に裏打ちされた技術が私たちの強みです。だからこそ大量のデバイスがつながり始めるIoT分野は、私たちにとってはとても親和性が高い。強みが活かせるし、ほとんどの人が経験していないことを想定できる。結果、今ではIoTプロジェクトの方が多くなってしまいました。

こういう流れの中で、私たちが理解していったことは沢山ありました。大量のアクセスに耐えうる仕組みだとか、無停止運用のノウハウ。しかし、もっとも得難い経験だと思えるのは「便利なものや効率がいいことのために払われるお金よりも、楽しいことのために払われるお金の方が大きい」と知ったことです。

社会は機能性や利便性だけで動いているのではなく、お洒落だとか、可愛いとか、そういうことにははるかに大きなお金が動いていたりする訳です。

女性目線の大事さ

MAGELLAN_team

―これからますます生活に身近な考え方や柔軟な発想が求められそうですね。

最首 よくあることなんですが、女性は男性の思いもよらないアイデアをポンと出したりして、男性側としては「それって仕事になるの!?」と思っちゃう訳ですが、もしかしたら世の中に対する想いって女性の方がより強いんだろうなと。そこで会社のあり方も含めて発想を変えられたら、その会社はすごく力をつけられると思います。

仕事や社会においてどのように女性が関わるかを考えた時、どうしても結婚、出産、育児、教育などの問題が絡んでくると思うんですが、そういった生活の悩みを逆に活かせば、子供の洋服を縫ってあげるように子供にデバイスを作ってあげることに長けた人が出てくるかもしれませんよね。

―なるほど。ペルソナを普段インターネットに関わっていない人に設定するとUI設計はしやすいですよね。

最首 そうそう。ある人はガーデニングがしたい、またある人はペットや子供の何かをしたい、作りたい、というような色んなニーズを持っていると思うんです。それはすごく難しかったらダメで、すぐ壊れたりしてもダメなんです。そして何かを作るその難しさよりも、デザインや可愛らしさの部分を考えられるような状態に持っていけたらいいのかなと考えています。

IoTをすべての人へ広げていくためには、そんな生活者の目線というか、そういうものが必要です。そのためには思い切った発想の転換を行うべきですよね。そして効率性だけではなく生活者が豊かになるようなサービス、そういうことが重要だと思います。

そしてこのビジネスを大きくするためには、今行っていることの社会的な意義を考え、社会を愛し、社会から愛される。そんなことが最も大切だと思っています。

―素晴らしいお考えですね!本日はどうもありがとうございました!

クラウドプラットフォームサービス「MAGELLAN」のロゴ、Webサイト、グラフィックを弊社ブランコが担当させていただきました。

シンプルなビジュアルを用いて「MAGELLAN」がどういうサービスなのかを分かりやすくデザインしています。

是非一度ご覧ください。