器の視点から特別感を「カップ酒リデザインプロジェクト」
カップ酒のパッケージというと、シールラベルが貼ってあるものや、瓶自体に絵柄がプリントされているものを想像しませんか。
ガラス工芸の技術により、カップ酒の印象を大きく変えるリデザインプロジェクトでは、パッケージとなる器(瓶)自体に細工を加え、カップ酒を手軽なものから、お祝いの場や特別な日に飲みたくなるものへと変えていきます。
iichiの生み出す価値
元々カップ酒は、大関株式会社により、1964年東京オリンピックの開会に合わせて発売されたのが始まりです。
酒場に始まり、現在ではスーパーやコンビニで手軽に購入できるものですが、カップ酒リデザインプロジェクトでは、身近なカップ酒に新しい視点で特別感を生み出します。
日本の優れた手仕事を紹介し使い手と繋ぐ、ギャラリー&マーケット「iichi」による、カップ酒リデザインプロジェクトは、カップ酒の第一印象を左右する「器のデザイン」の視点から、新しいカップ酒を提案するプロジェクトです。
酒造メーカーである、岩手県盛岡市の株式会社 あさ開と滋賀県長浜市の冨田酒造有限会社の協力の元、デザイナーでクリエイティブディレクターの平野 光太郎さん、ガラス工芸作家の吉田 晶乃さん、江戸切子職人の澤口 智樹さんにより、新しいカップ酒が製作されました。
器の表情
デザイナー平野さんにより、カップ酒リデザインプロジェクトで生まれた器は5種類あり、それらの器には、冨田酒造有限会社の「七本鎗」、株式会社 あさ開の「あさ開」それぞれのお酒の背景や特徴が表現されています。
七本鎗の器には、「賤ヶ岳の七本鎗」とうたわれた勇壮な武将たちから想像される「鎗」を表現したエッジの効いたもの、七本鎗の紋章、イメージを、モダンな七本のラインに再構成した、柔らかな表情を見せるものという2種類。
あさ開の器には、東北の降り積もる柔らかな雪、盛岡の柔らかい水質の「雪解け水」、クリアな水と氷、をイメージしたものの3種類があり、美味しい水を軸としたデザインが取り入れられています。
これらは、サンドブラストの彫刻と切子の組み合わせ、磨き加工の切子など、手作業かつ、職人にしかできない様々な加工法で表現されています。
お酒を飲む際に、そこから見える景色まで楽しむことができるそうです。
加える伝統
カップ酒リデザインプロジェクトでは、カップ酒を“瓶”ではなく“ガラス”と認識することで、器そのものに価値を生み出しています。
伝統的で細かな職人の技術を加えることで、カップ酒そのものが伝統工芸品のように感じることができ、「特別なもの」という新しい価値を持ち始めます。
お酒を飲み終えても器として使いたくなるデザインで、さらにパッケージには繊細なお酒と器を守る桐箱が用いられていて、特別な日の贈り物としても喜ばれそうですね。
カップ酒リデザインプロジェクト
七本鎗 Type-A,Type-B
あさ開き Type-A,Type-B,Type-C 各¥5,400(税込)