ゲームのデザインから「ゲーミフィケーション」へ
こんにちは。イブです。
以前、音楽や心理学などについての記事を書かせていただきましたが、私はゲームも大好きです。
大学に入った頃からゲームはしなくなってしまいましたが、スクリーンの前でコントローラーを握っている時間は、紛れもなく最高の時間でした。
そしていつも疑問に思っていました。どうしてゲームにこんなにも病みつきになってしまうんだろう?そんなゲームの性質は、別のデザインに応用することはできないだろうか?と。
ゲームの「中毒性」はどのように作られるのか
私以外にも多くの人が同じ疑問を持っていたようで、ここ数年でゲームの「中毒性」に関する数々の研究がされてきました。
私の発見したことをいくつか紹介し、面白いビデオをシェアしたいと思います。
ゲームデザイナーのジェーン・マクゴニガルは、彼女のTEDスピーチの中で、ゲームを中毒にさせるにはいくつかの要素があるといいます。
ゲームには世界を救うような壮大なミッションがあり、それを手助けしてくれる仲間がたくさんいます。特に大人数参加型オンラインゲーム(MMOGs)では、ポイントの通過の仕方、レベルアップの仕方など、常にフィードバックを得ながらゲームを達成できます。その達成感により、私達は知らず知らずのうちにゲームにのめり込んでいくのです。
様々な分野で応用 「ゲーミフィケーション」
この手法は、マーケティングなどの様々な分野でよく使われています。
ポイントやバッジを集め、それによってレベルアップしていくような形態のキャンペーンは、ウェブサイトなどでよく見かけますよね。これはゲーム以外の分野でゲームの要素を応用する、“gamification(ゲーミフィケーション)”と呼ばれる手法です。
ゲーミフィケーションの他の例としては、プレイヤーを楽しませると同時に教育もするよう設計された「シリアスゲーム」が挙げられます。
例えば米軍によって作られた、兵士になりきってプレイできる“America’s Army”というゲームがあります。このゲームは米軍の活動を魅力的かつ現実的に伝えることにより、新兵を採用することを意図して作られました。
ゲームに視覚、聴覚、触覚を巻き込む
しかし、どうしてそれほどゲームに「没頭」するように作ることができるのでしょうか。
没頭(Immersive)とは、「何かに深く関与され、巻き込まれていること」と定義されます。ゲームのプレー中は、完全に別の現実に引き込まれてしまう感じになりますよね。
心理学者のジェイミー・マディガンは、ゲームへの没頭に関与するものについて、興味深い記事を書いています。
彼の記事によれば、ゲームは視覚、聴覚、触覚など、人間の様々な感覚が関係しています。その全てをフル活用し、非常に現実感のある、理にかなった仮想世界を作り上げているのです。
あらゆる方法でゲーム環境と相互作用し、例えばアイテムをゲットできたり、壮大なストーリー性を持たせるなど、のめり込む要素をたくさん作ります。
身体の感覚を使って強い没入感のあるゲームを作ることは難しく感じられるかもしれませんが、それを簡単にできる数々のデバイスが開発されてきました。
例えば、キネクト。これはゲームをする時に体全体を使ってプレーすることで、より一体感を持って参加することができます。
そして、オキュラスリフトはおそらく最も重要なデバイスです。頭の動きに対応するバイノーラルオーディオと3D映像を使って、確実に今までより怖いホラーゲームなどを作る事ができます。
ゲームの世界に学び、現実をもっと豊かに
ゲームになぜ夢中になるのか、それをどのように他のデザイン分野に応用できるのか、お伝えすることができたでしょうか。
ゲームから学んだことをデザインに活かすことで、現実の世界をより刺激的で面白く出来るのではないかと思っています。
原文はコチラ
日本語版翻訳:舘 紗也子