福岡の未来を語る「FUKUOKA STREAM」
2014年5月、福岡市は国家戦略特区である「グローバル創業・雇用創出特区」に選ばれました。
産学官民が一体となって行ってきた数々の取り組みを振り返り、いま福岡に住む人たちが、福岡の未来を思い描き、語り合うことを目的とした特区1周年記念イベント、「FUKUOKA STREAM(フクオカ・ストリーム)」が7月7日(火)に開催されました。
開催日が七夕ということで、浴衣姿の参加者もチラホラ。
以前SWINGSでもご紹介した「LOCAL GOOD FUKUOKA」でクラウドファンディングを行なったバイオリニスト、松本さくらさんの演奏と共にイベントは和やかにスタート。
天神地下街イベントコーナーで行われたオープンなイベントということもあり、通りゆく沢山の人も、足を止めてイベントに参加していました。
“幸せな街”福岡をより良い場所に
セッション1のテーマは、「福岡だからできる暮らし方」。
福岡で様々な活動をされている方4名をパネリストに招き、福岡だからこその働き方、やりたいことの叶え方などを語り合いました。
何か活動するときに仲間が集まりやすく繋がりやすい、自然と都会の距離が近く仕事と私生活のバランスが取りやすいといった福岡の特徴や、満足度の高い街だからこそハングリー精神が足りないのではないか、東京に集中しがちなトップクラスの人材を集めるためにもっと工夫が必要、といった課題も明らかになりました。
セッション1締めくくりの来場者へのメッセージでは、株式会社ボーダレス・ジャパン⽥⼝⼀成さんの「社会に対して自分ができることはちゃんとやる。出来ないことはそれをやっている人を応援する」という言葉がとても印象的でした。
皆がそれぞれのできることを、それぞれに全うしてやっていく、ということが街づくりにおいてもとても大切なんですね。
市民の熱い主張
「パブリック・ライトニング・トーク」と題し、福岡に住む10名の方々による、自分がいま行なっている活動や、福岡の未来づくりについてのショートプレゼンテーションも行われました。
トップバッターは福岡市長の髙島宗一郎さん。「イノベーションは技術革新ではなく、“時代にフィットする”ということ」「いろいろな立場・分野をこえて語り合う場を持ち、共有することが大事」と熱く語り、会場はヒートアップ。
その他にも、海外から移住された方の“外”の視点からみた福岡について、福岡を音楽の発信地に!福岡にデザインセンターを!といった様々な主張がされました。
10名の方々の熱い声に、雰囲気も盛り上がり、そのままセッション2に突入。
福岡の“いま”
セッション2のテーマは「福岡の未来のまちづくり」。
髙島市長は、福岡の都市の状況と、いま行なっている取組みについて、こんな話をされました。
福岡市民の9割がサービス業で働いてるため、より多くの人に街に来てもらい、サービスを利用してもらうことで、市民ひとりひとりの幸せにつながる、ということ。福岡に来てもらうための取組みとして、観光、国際会議、福岡マラソン、Wi-Fiの無料化、オープントップバスなどを展開してきたこと。そしていまの福岡は、都市計画がはじまった当初の想定を超えた街になっていて、いろいろな場所の改革が必要だということ。
今後の10年間で天神にある30棟のビルの建て替えを行うという、新たな空間と雇用をつくり出すためのプロジェクト、「天神ビックバン」が紹介され、その大胆な構想に会場からはどよめきが起きました。
福岡の“これから”
天神ビックバンのエリアの中核である、明治通りの再開発に携わられている、西日本鉄道株式会社 高崎繁行さんからは再開発におけるコンセプトの説明がありました。
「新しい都心」をつくるため、「イノベーションが生まれるようなクリエイティブな空間」「ワクワクドキドキするエンターテイメント空間」「ゆっくり快適に過ごせるようなアメニティ空間」という3つのコンセプトを掲げ、多くの人が集まる魅力的な都市にしていきたいとのこと。
県外の方から見ると、福岡の街は40年来変わっていない印象もあるようで、街とともに成長してきた西鉄という企業が、魅力的な街をプロデュースする新たな取り組みも楽しみですね。
街を活性化させる試み
クリスマスマーケット実行委員長の株式会社サエキジャパン 佐伯岳大さんは、クリスマスマーケットを福岡の冬の風物詩にすることを目指していて、今年は天神での開催も検討していらっしゃるようです。
イルミネーションだけでなく、多くの人が集まるイベントが増えることで、また新たなビジネスが生まれたり、都市の活性化につながる、新たなストリームを感じます。
株式会社パルコ 城戸かなめさんは、若者が元気になれば、街の活性化につながるというお考えのもと、様々な取り組みを実践されています。
若手クリエイターの祭典「天神ラボ」では、若いクリエイターの発表する場をつくり、「福岡Tシャツマーケット」では地元のアパレルショップやクリエイターが「FUKUOKA」の文字をデザインしてオリジナルTシャツをつくり、福岡という街がアートやファッションと融合する企画も行われているんだとか。
確かに最近、街で「FUKUOKA CITY」と書かれたTシャツを着た人を見かけることが多い気がします。
そしてNEXTステージへ
私は東京から移住してきてまだ半年ですが、福岡には、人が人を巻き込む環境が整っている印象があります。
市民ひとりひとりが街のことを考え、行動し、協力し、それが大きなうねりとなり発展していく。そのようなストーリーで、熱い街が動いているんだなぁと、今回のイベントに参加して実感しました。
NEXTステージに進む福岡。これからどのように変わっていくのか、ほんとうに楽しみです。