福岡とオランダのモビリティデザイン
こんにちは、ブランコの松本です。毎年恒例のお花見も終わり、季節はもう春ですね。気候が暖かくなるに連れ、外出する機会が増えてきました。
僕も30歳を過ぎた頃から日常生活に運動を取り入れようと思い、自転車で移動することを意識しています。健康って本当に大切ですね!
サイクリングって楽しい
自転車はほかの交通機関に左右されることが少なく、自分で道を選べ、想定している時間で目的地に到着できるので、気持ちにゆとりが生まれるんですよね。サイクリングはルールを守りつつもその制限のなかで自由を楽しめる、そんな手軽な交通手段であることが最大の魅力です。
僕の体感値ですが、ここ数年、福岡市内での自転車利用が増えているように思います。増えることで気づくのは、利用者のマナーでしょうか。
路上にある駐輪場は縦列駐輪が増え、自転車があふれ返っているような場面を度々見かけます。市内にはたくさんの駐輪場がありますので、自転車で移動する際は前もって駐輪場の場所を確認することが大切かもしれませんね。
市内の駐輪場を探すのであれば、違法駐輪ゼロを目指すキャンペーン「放置サイクルZERO宣言!」の公式サイトが便利ですので、よろしければ参考にしてみてください。
また近年では、自転車の交通ルール遵守とマナー向上に取り組んでいる「愛チャリCity(旧Tour de Fukuoka)」が福岡市と一緒に事業を行ったり、健康増進や青少年の健全育成を目的とした「ツール・ド・糸島サイクリング大会」などのイベントが盛んだったり、自転車に対する関心度がより高まっているようです。
オランダに学ぼう
世界に目を向けると、例えばオランダは政府観光局がアピールするほどの自転車大国です。今から約40年前、1970年代以降に政府がサイクリングを推奨したことから始まったようです。
オランダ政府はまず国内に自転車レーンを舗装し、駐輪ステーションを設け、規則や道路のインフラを整備しました。またトンネルや橋は交通ラッシュから分離させることで安全面にも配慮していました。このほかに、自転車レーンがない場所は自転車で歩道を通行することができないという厳しいルールもあり、自転車も一つの交通手段としてしっかりと扱われています。
オランダが自転車大国として世界のサイクリストから愛されている理由は、国土の1/4が海抜より低く、かつ平坦の道が多いというその“走りやすさ”にあります。また国内の自転車道は15,000kmにも達し、これは国土面積の約36%にあたります。しかも国民1,600万人に対して1,800万台の自転車が存在していて、国民1人あたり1.1台という計算になりますから驚きですよね。
より良いまちづくりに向けて
僕が住んでいる福岡に話を戻しますが、天神周辺の駐輪場も徐々に整備が始まっています。2008年4月に「We Love 天神協議会」が取り決めた「天神まちづくりガイドライン」をもとに、たくさんの意見交換が進んでいます。
僕も数年前から、モビリティデザインに興味があり「We Love 天神協議会」の自転車WGに参加しています。このWGでは天神全体の計画に合わせてマナー向上などについて話し合い、参加されている方々と一緒に、より良いまちづくりに取り組んでいます。
また福岡市では「福岡市自転車の安全利用に関する条例」が2013年12月に成立し、2014年4月に施行されています。この背景には、福岡市の平坦な地形も一つあるようです。自転車レーンの実証実験も行われ少しずつ整備が広がってきています。目指すはオランダ!ですね。笑
自転車利用のススメ
2014年11月にオープンした福岡パルコ新館に、九州では初めての「サイクルツリー」が取り入れられました。商業施設への機械式立体駐輪場の導入は世界初とのこと。世界初とか聞いちゃうと、ちょっとした買い物の際も積極的に自転車を利用したくなりますよね。
オランダのように自転車を意識した歴史あるモビリティデザインとは少し違うかもしれませんが、福岡市も独自のモビリティデザインを計画し展開しているようなので、これからも興味を持って注目したいと思います。