ストーリーのある写真芸術 A combination visual art and storytelling
こんにちは、ナナです。私はオランダの大学の副専攻プログラムで、写真を専攻していました。
オランダの大学システムは4年間学部で勉強し、半年間副専攻を学びます。副専攻は、生徒たちの専門性を育てるには大変重要です。
It’s Nana again. The university system in the Netherlands consists of 4 years of studying, with half a year set aside for the minor. The minor a student chooses is generally an important factor that will help build the student’s specialty or focus.
I have always been a child that reads books and had a fascination for the fantasy world. I was also attracted to the visual art, be it painting, sculptures, photography and art installations and wanted to combine these two elements, the visual and the storytelling, into one. I was already doing this with my drawings, paintings and sculptures, but not yet with photography. This is why I decided to pursue this art form.
I started searching for photographers, to see whose style inspired me maybe try to discover what kind of photography I wanted to aim for. Soon my list started to contain a certain style and I could recognize elements I wanted to use.One of my big time inspirations became Kirsty Mitchell, who started her Wonderland series as a distraction from the pain she felt after losing her mother to brain cancer.
Kirsty described the relationship she had with her mother as her best friend, something I myself could relate to. She wanted her mother to never be forgotten and decided to dedicate the Wonderland project (that has been running for almost 5 years) to her.
Kirsty had a successful job as fashion designer, but after her story evolved, she decided to leave her 11-year fashion career behind her and focus herself fully on the project. She constructed her own costumes, and put together the sets after scouting for locations herself, sometimes even waiting a year or two before shooting.
I picked Snow White, but made her the evil one in her own story.
I sent out a lot of messages, trying to find a model, stylist and make-up artists, and was finally able to get certain people interested.
I had specific criteria for the model, and the model that I eventually chose, fit those criteria. After this I constructed my own set in the living room and spent the whole day taking pictures.
A few examples of the twists in the pictures are: She is the dominant one, controlling the dagger and what happens to it. She’s not quite as thankful to the dwarves as she is during the Disney version Snow White is the one offering the poisoned apple this time. Instead of falling asleep because of a poison apple, she fell asleep due to excessive amount of drinking (the bottle being under her pillow).
Though I still have a long way to go, polishing my photography skills, creating concepts, prop making and orchestrating everything together, I am really looking forward to the fine art projects I will want to dedicate my life and soul to.
ビジュアルに組み込まれたストーリー
私は子供の頃からいつも本を読み、ファンタジーの世界に魅力を感じていました。絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどといったアートにも興味を持っていましたし、「ビジュアル」と「ストーリー」を組み合わせてみるとどうなるのか、非常に関心がありました。
私はすでに彫刻やドローイングの分野で「ビジュアルとストーリーの組み合わせ」を何度も行ってきましたが、写真の世界で表現したことは一度もありませんでした。そこで私はこの一つのアートの形を追求するために、大学の副専攻で写真を選択しました。
フォトグラファー、カースティ·ミッチェル
まず私が思い描く世界を写真に撮るために、インスピレーションを受けるようなフォトグラファーを探すことから始めました。そしてすぐに望んでいたスタイルの写真家リストがたくさん集まり、「これだ!」と思うような人を見つけました。
私が最も魅了されたのは、Kirsty Mitchell(カースティ·ミッチェル)という女性フォトグラファーです。
カースティは母親を脳腫瘍で失った後、その悲しみから逃れるように、そして母親のことを決して忘れないという意味も込めて「ワンダーランドシリーズ」を作りました。そのプロジェクトはもう5年間も続いています。
また彼女は母親のことを、まるで親友のような存在だったと語っていました。それは私自身の母親との関係に通じるものがあり、非常に共感しました。
人生を捧げたアートプロジェクト
カースティはファッションデザイナーとして華々しい実績を持っていましたが、母親の死という人生の岐路に立たされて、11年間のその実績を手放し、ワンダーランドプロジェクトに集中することに決めたのです。
撮影のための場所を彼女自身の手で探し、衣装やセットなども全て彼女がデザインしました。時には一つの撮影に1〜2年間を費やすこともあったそうです。
新たなストーリーの白雪姫
私は元々風景写真を撮ることが大好きでしたが、携帯で撮っていると当然すぐにメモリーがいっぱいになってしまいますよね。そんななかで友人にカメラを買うことを勧められたことが、私が本格的に写真を始めたきっかけでした。
最初に選んだ写真のテーマは「白雪姫」でしたが、設定したストーリーは「邪悪な心を潜めた白雪姫」です。
モデルやスタイリスト、メイクアップアーティストを探すために、色んな人に大量のメッセージを送りこのストーリーに賛同してくれるメンバーを集めました。
モデル選びにはいくつかの基準がありましたが、最終的に私が選んだモデルはそれにぴったりと合っていました。そして私は自分のリビングルームでセットを手作りし、丸1日かけて撮影をしました。
私の白雪姫のストーリーには、元のお話と違う面白おかしい点がいくつかあります。
・白雪姫は支配的な人物で、短剣で全てをコントロールしている
・白雪姫は小人とはそれほど仲良くない
・白雪姫が毒リンゴを与える側である
・白雪姫は毒リンゴではなく、お酒の飲み過ぎで眠りに落ちる
(ボトルが彼女の枕元にある)
写真の面白さを追求
写真のスキルを磨いたり、コンセプトを立てたり、小道具を作ったり、関わる人をまとめたり、私はまだまだ長い道のりの途中です。しかしビジュアルに様々なストーリーとアイデアを組み込み、新たな表現を模索していくことは時間を忘れるほど楽しいです。
そしていつかカースティ·ミッチェルのように、私も人生を捧げられるようなファインアートプロジェクトに出会いたいと思っています。
原文はコチラ
日本語版翻訳:舘 紗也子