街でよく見るあの書体がデジタルフォント化!機械彫刻用標準書体フォント
歩道橋のプレートや、レトロなマンションでの注意書きなど、さまざまな場所で使われている、こんな書体を見たことがありますでしょうか。
これは「機械彫刻用標準書体」と呼ばれ、日本工業規格(JIS)によって、工業的な彫刻で文字を作成する際の標準となる書体として定められているものです。
特徴のある書体
機械彫刻標準書体は、機械の刃が回転しながら軌跡を描くように彫刻していくため、縦も横も同じ線幅で、線の終わりは半円形になるという特徴があります。
線が1か所に集中するのを避け、交わる部分の角度は直角、角は曲線に、ハネや筆押さえをはぶき、なるべく線が連続するように…など、文字を彫る原版をなるべく傷つけないよう、また彫刻する際の作業効率をあげるために、様々なことが決められています。
工業彫刻の持つさまざまな制約に配慮してつくられた、機能美の書体なのです。
他のゴシック体の書体と比べてみると違いが明らかですが、”ふところ”がとても広くとられていて、柔らかい印象で読みやすいのも特徴のひとつです。
フリーダウンロード
この味わい深い書体を自主制作でデジタルフォントにしてくれたのは、Kirnuraさん。
商用利用も可能なフリーダウンロードで提供してくれています。
ダウンロードはコチラでできます。
現段階で、ひらがな134グリフ(※グリフは書体を数える単位)、カタカナ134グリフ、漢字548グリフ…と、収録されている字の種類はまだまだ限られていますが、今後も収録字種はどんどん増えていくそうです。
書体好きな方には嬉しいニュースですね。
かつてドイツで工業用書体として使用されていた書体DINは、工業以外の用途に使用した途端、またたく間に広まった、というストーリーを持っています。
この機械彫刻標準書体もKirnuraさんがデジタルフォント化してくれたことによって、DINのように広まるかもしれませんね。
味わい深いこの書体を、皆さまもぜひダウンロードして試されてみてはいかがでしょうか。
機械彫刻用標準書体フォント
商用利用も可能な機械彫刻用標準書体フォント