備前焼の力で水がおいしくなるウォーターカラフェ「hiiro」

「備前焼をもっと身近に使ってもらえるように」という思いから生まれた備前焼ブランド「DAIKURA」。プロダクトデザイナーの辰野 しずかさんとタッグを組み、水がまろやかに美味しくなる備前焼のウォーターカラフェ「hiiro」が2016年4月に誕生しました。

備前焼に新たな息吹を

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岡山県備前市周辺を産地とする「備前焼」は、1000年余りの歴史を持つ日本を代表する焼物のひとつ。1972年、小川 秀藏さんはこの地で初窯を手がけ、現在は、秀藏さんの次男である弘藏さんが次の担い手となり、2人で作陶を行っています。

秀藏さんの長男・代藏さんは家業を離れ就職。1度は弟に家業の全てを託したものの、エンジニアとしての職を続けながら、商品の企画や営業面でのサポートを行うようになったのだといいます。「子供のころに見てきた活気のある備前の町に再び戻ってほしい。そのためには、備前焼を通じて、町に人が帰ってくるようなきっかけ作りをしたい」。その思いを叶えるため、2人の新たな取り組みは続いていくのです。

備前焼のお店「DAIKURA」

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備前市で、2011年に生まれた備前焼のお店「DAIKURA」。DAIKURAは秀藏さん・弘藏さんの作品をより多くの方々に届けられるようにと、長男・代藏さんが2011年に始めた企画・販売店です。備前焼の伝統を大切にしながらも、新たな取り組みにも目を向けており、2016年にはウォーターカラフェ「hiiro」を発表しました。

土と炎の芸術・備前焼

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備前焼は1000年余の歴史を持つ炻器です。無釉で、絵付けも施さず、窯の中の状態によって焼き物の色や表情が変化する窯変が最大の魅力です。「hiiro」の表面の模様は稲藁をまきつけて発色させる技法「緋襷」をもちいていおり、その特徴的な「緋色の襷模様」からネーミングされました。備前焼の伝統を受け継ぐDAIKURAと、プロダクトデザイナー辰野 しずかさんのコラボレーションによって生まれた逸品です。

備前焼の力で水をまろやかに

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備前焼は、古くから「備前水甕(みずがま)水が腐らぬ」という言い伝えがあり、一昼夜おくだけで、水がまろやかに美味しくなるといわれています。デザインはモダンな焼き色の2色展開。備前焼ではあまり見られない削り出しのシャープな形状で、シンプルな中に自然の質感を感じられる雰囲気に仕上げられています。

また、お客さまからのご要望が多かったというコップ部分のみの販売も2017年7月1日より開始。来客用コップの買い足しに、また、hiiroを持っていないという方でも気軽にお楽しみいただけます。

ストイックなまでに土の質感を追求した備前焼とは一変、クールでスタイリッシュな「hiiro」。

新しい備前焼スタイルの第一歩を踏み出した「DAIKURA」に、今後も要注目です。

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