冬をカラフルに彩る「鈴木マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべて色柄」

ユニークなモチーフ、遊び心のある柄、版の重なりから生まれる豊かな色彩。日本を代表するテキスタイルデザイナー、鈴木 マサルさんによる九州での初めての個展「鈴木マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべて色柄」が、三菱地所アルティアムにて1月14日(日)まで開催中です。

色と柄の世界

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ひとたび会場に足を踏み入れると、そこに広がるのは鮮やかな色と柄の世界。目の覚めるような、元気になる空間です。

これまで発表してきたテキスタイルや傘、ラグ、ファブリックパネルなど約100点からなる空間は、鈴木さん自身の構成によるもの。九州で個展を行うのも初めてながら、新作商品発表の場としてではなく、これまでの仕事や世界観の総括となる展覧会は初めてなのだとか。

「会場全体がひとつのインスタレーションになるよう、どこを見ても“色柄”となるような展覧会にしたかったんです」と鈴木さん。

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天井から吊るされたテキスタイルの裏には無地の布を貼り、壁には大胆に柄をトリミングされたパネルが。床には傘のシルエットを模した柄のプリントされたカーペットが広がります。確かに、どの角度から見ても目に映るのは、“色”と“柄”。

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色のチカラ

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入り口正面の壁にずらりと飾られた傘。カーペットには傘のモチーフ。毎年「鈴木マサル傘展」を開催されている鈴木さんにとって、傘と色にはどんな関係があるのでしょうか。

「傘は依頼されてつくったのが始まりです。実は、当時は傘というプロダクトに興味がなかったのですが、定番の形を持つ“傘”に色柄で違いを出すというやり方は、自分の考えやスタンスに合っている気がしています。傘を開いた瞬間にちょっと気持ちが明るくなるような、そんな色のチカラがあると思うんです」

「鈴木マサルのテキスタイル」展示の様子(GALLERY le bain/東京)2015年

「鈴木マサルのテキスタイル」展示の様子(GALLERY le bain/東京)2015年

鈴木さんはこうも続けます。「トレンドや売れる色も気にはするのですが、配色をする時は感覚に任せてえいや!っと決めることが多いです。その決断力が商品にも宿るというか。実際にトレンドを意識したものよりも、感覚を大事にした商品の方が売れる気がします(笑)」

色にまつわるストーリー

「これまでは色の“相性”といったところを意識してつくっていたのですが、新作ではあまり相性を考えすぎないようにしました。大胆な色使いという点で新たな挑戦ができました」という新作テキスタイルは、ケーキ柄とサルスベリ柄。モチーフはなんでも良かったとのことですが、その斬新で大胆な配色はまさに絶妙。ぜひ会場でお確かめください。

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そのほかにも、会場にはテキスタイルデザインがプリントされたスツールや、色にまつわる全6種類のストーリーが置かれています。

“「赤」が1番好きだけど嫌いな色のひとつ”、“グレーは豊かな色の世界を生む”…。普段色と向き合い続けている鈴木さんの視点から見る色は興味深いものばかり。どんな色が好きなのか、それはなぜなのか、自分にとっての色のストーリーを考えても面白そうです。

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