見えない傘“Air Umbrella”で傘の常識が覆る?!

梅雨に突入して傘の欠かせない日が多い今日この頃。

一般的に傘のデザインといえば、傘布に様々なデザインを施したものが多いですが、本日はこれまでの常識をくつがえすような、面白いデザインの傘をご紹介します。

傘の歴史

その前に、傘の歴史を振り返ってみましょう。

私たちが日常的に使用している傘は洋傘が主流ですが、洋傘はおよそ4000年前から使われていたと言われています。その頃は、祭礼の時に神の威光を表すものとして神像の上にかざすなど、神聖な場で使われていたのだとか。

引用元:Wikipedia

引用元:Wikipedia

ヨーロッパにおいて、傘は長い間富と権力の象徴である贅沢品で、傘を誰に継承するかという内容が遺言書に記載されることもあるほどだったようです。

アンブレラ(Umbrella)は、“影”の意味を持つラテン語「umbra」が語源で「影を作るもの」という意味があるほど、当時は日傘としてしか使われていなかったのですが、18世紀後半に入ると雨傘として使われはじめました。

当初傘をさすのは女性だけで男性は帽子で雨をしのぐのが普通の時代でしたが、イギリスのジョーナス・ハンウェイという男性が、奇異の目で見られながらも30年間雨具として傘を使い続け、その結果次第に男性が傘をさすという行為も世間に受け入れられていきました。

umbrella

また、当時の社交場のファッションに欠かせないアイテムだったステッキと、傘の持ち手を似た作りにすることで、男性にも雨傘が爆発的に広がったそうです。

常識を超える傘

昔からほぼ変わっていないため、傘といえば誰もが同じ形状を思い浮かべると思いますが、この商品の登場により、ついに傘の常識が変わるかもしれません。

その商品とは「Air Umbrella(エアーアンブレラ)」。

これは、北京航天航空大学や南京航天航空大学の博士・修士の学位を持つメンバーが多数を占める、中国の研究開発チームによってつくられた、空気の流れを利用した見えない傘です。

引用元:Air Umbrella Kickstarter プロジェクトページ

引用元:Air Umbrella Kickstarter プロジェクトページ

ヘッドの下部から吸い込んだ空気を上部から放出し、空気の壁をつくることで傘布の代わりとなるというシンプルな仕組み。

Kickstarterというアメリカのクラウドファンディングサイトにて資金調達を行なったところ、目標金額1万ドルに対し10倍の10万ドルを超える資金が集まり、現在2015年12月の商品化に向けて動いているところだそうです。

現在スティック部分の長さの違う3タイプ(30cm、50cm,50cm〜80cmまで伸縮するタイプ)を発表予定で、30cmのものは1時間の充電で15分、他の2タイプは2時間の充電で30分使用可能となっています。

使用可能時間が短いので、今のところは都心部に住んでいる方や、車利用の方をターゲットにしています。

使用可能時間が短いという他にも、雨を防げる範囲が直径1メートル程度、風で水平方向に雨を飛ばすため周りの人に迷惑…など、課題は色々ありそうですが、こういった面白い発想を実現させようという取り組みはどんどん応援したいですね!

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