オノマトペで言葉を豊かにデザインする

オノマトペとは、人や動物の声をあらわす擬声語・自然界の音や物音をあらわす擬音語・無生物の状態をあらわす擬態語を総称する、フランス語を語源とする言葉です。

例えば、きらきら、しぶしぶ、もくもく、ぴかぴかなど。

小学校などで国語の時間にその一部を習いますが、習ったことがない言葉でも、経験や言葉の響きからおおよそ意味の予想がつきます。また、オノマトペを使うことで言葉がいきいきとし、そこに含まれるニュアンスで感情や情景をありありと伝えることができます。

リズム、感情、情景を表現する

ihatovo

“あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。”

デザイナーには馴染みの深い、Macのフォント書体見本で表示されるこちらの文章は宮沢 賢治さんの一節。ここにもオノマトペが出てきます。

宮沢 賢治さんは「雨ニモマケズ」、「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」などが有名な詩人であり童話作家です。彼の作品の中でオノマトペはよく登場し、物語のリズム、感情や情景を表現するためにとても効果的に使われています。

オノマトペの多い日本

各国でオノマトペは存在するものの、英語では200~300に対し、日本語では3000を超えるオノマトペがあるそうです。

春夏秋冬と四季を感じる環境で、古くから俳句や百人一首など言葉の遊びを行なってきた、情緒的な日本ならではかもしれませんね。

rain

例えば、雨に関連するものだけでも、しとしと、ザーザー、ぽたぽた、ぽつぽつ、ぱらぱら、ぴちゃぴちゃなど、いくつも挙げることができます。

Pick up

giongobook

オノマトペの中でも擬音語・擬態語についてまとめた「ぎおんご ぎたいご じしょ 新装版(発行元:パイ インターナショナル)」の中から、いくつかをご紹介します。

「まんじり」
少し眠る様子。「まんじりともしない」の形で、一睡もしない様子を表すことが多い。

「いそいそ」
楽しみなことがあって、態度や足並みがうれしそうに少し速くなる様子。

「きゅっ」
1.ものを強く締め付けたりこすったりする様。またその音。2.杯など少量の酒を一気に飲み干す様子。

ちなみに博多弁のオノマトペには「てれっと」というものがあります。ぼーっとしている様子を表し、「なにてれっとしとっとや」という様に使います。地域により特徴がでやすいので面白いですね。

「豊か」に伝える

オノマトペに正解はなく、音を聞こえたままに、自分の思うように表現できるのもいいところ。

これを用いることで、伝える内容が「豊か」になり、あなたの感情がよりスムーズに伝わるかもしれません。

オノマトペ、普段の会話に意図的に織り込んでみてはいかがでしょうか。

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