今秋デビュー!
福岡初の架線式蓄電池電車819系「DENCHA」

エコでスマートな「人と地球の未来にやさしい」をテーマに、軽油を用いた気動車(ディーゼルカー)に替わる次世代の車両として注目されているJR九州の架線式蓄電池電車「DENCHA」。

今年4月より試験運転を開始していたDENCHAが、ついに10月19日(水)より通常運行を開始します。

「DENCHA(でんちゃ)」とは

“DUAL ENERGY CHARGE TRAIN”から“D EN CHA”の文字を取って名付けられた「DENCHA」は、2つのエネルギーを交換する列車という意味を持ち、名前の通り架線と蓄電池の2パターンの電気を利用した電車です。

その新たな取り組みについて詳しくご紹介します。

架線式蓄電池電車のしくみ

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DENCHAに用いられた架線式蓄電池電車とは、交流電化区間(パンタグラフにより架線から電気を得て走る区間)と非電化区間(パンタグラフを下げ架線を使わず蓄電池に溜まった電気のみで走る区間)を、2つの方法を使い分けた走行が可能な電車のことです。

栃木県のJR烏山線「ACCUM(アキュム)」が2014年3月に日本で初めてこの方式を取り入れました。こちらの電車は現在も活躍中です。

今秋10月にデビューするDENCHAは、北九州市の筑豊本線(若松線) 若松〜折尾 間(およそ10.8km)を非電化区間とし走行します。
少しずつ区間を区切って走行するのかと思っていたので、10km以上もの道のりを走ると知って驚きました。

DENCHAの利点

「人と地球の未来にやさしい」のテーマに沿った、電気のみにこだわった取り組みが多数みられます。

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停車駅や乗換案内などの案内表示には、マルチサポートビジョン(MSV)という液晶画面を採用。

客室照明にはLEDを使用し、ドアには寒い地域でよく見られる押しボタン式“スマートドア”の採用により、室内温度環境が維持され省エネを実現します。

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蓄電池を利用する非電化区間では架線を張らなくてよいので、見た目もすっきりしますね。
車両内からその様子を見ることができないから楽しくないのかなと思いきや、各車両に電気の流れを解説するエネルギーフローを表示するということで、走行中でもどんな状況なのか楽しむことができるそうです。

非電化区間を可能にした蓄電池への充電は、走行・停車中に架線から蓄電池へ、ブレーキ時に回生エネルギーを蓄電池へ常に充電されるようで、休まず隙のない充電が特徴です。

車両デザイン

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豪華寝台列車「ななつ星in九州」を手掛けた工業デザイナー、水戸岡 鋭治さんによりデザインされたDENCHAは、817系をベースに地球をイメージした青色を用いて環境へのやさしさを表現しています。

さらに内装に一部木質感を与えることで、都市と自然の融合が背景に描かれているように感じます。

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数多くの列車のデザインを手掛けてきた水戸岡さんのデザインとだけあって、特別感が増しますね。

DENCHAはディーゼル(軽油)を使わず電気のみでよりエコな走行を目指した電車への第一歩です。便利なものだけを生み出すのではなく、よりエコで、より未来によいものを生み出す必要性を感じました。

DENCHAの「人と地球の未来にやさしい」というテーマは、電車に限らず1人1人のテーマでもあるべきですね。