調査分析と戦略立案で差をつけるブランディング


皆さんは、会社やグループ、または製品やサービスのブランディングに取り組もうとするときに何から手を付けたら良いのか分からないというお悩みはございませんか。

ブランディングを成功させるためには、目を引くパッケージやクールなロゴマークも、もちろん重要な要素ですが、私たちが考えるブランディングには、ブランディングを行う前の調査分析・戦略立案が成功の上で非常に重要な要素だと考えています。今回は、これからブランディングに取り組みたいと考えている方々へ向けて、それらがなぜ重要なのかについて説明します。

ブランディングを成功させる4つのフェーズ

私たちは、結果を生むブランディングのために、ブランディングを4つのフェーズを通しておこなっています。今回お話するのはその前半部分である、発見フェーズ・発案フェーズについてです。

本質的な課題を見つける発見フェーズ

1つ目の“発見フェーズ”では、お客さまへのヒアリングや調査内容から取り巻く状況を分析し、課題を整理していきます。ここでなぜ、ブランディングにおいて、発見フェーズが必要なのかというと、「理想や目標」に近づくためには、本質的な課題解決をおこなう必要があるからです。

ブランディングへの一番の期待は、事業をさらに飛躍させることであると言えますが、目的達成への道筋にはさまざまな選択肢があります。現在認識できている課題へ焦点を当てて解決を試みることは、予算やスケジュール面でもコストがかからず一見有益なように見えますが、場当たり的になりがちです。

特に現代では、同じような製品やサービスが溢れ、ブランドの差別化がむずかしい時代となってきています。ヒットする商品やサービスを作るためには、ターゲットユーザーの行動や本質を理解し、驚き・感動・喜び・心地よさなどの体験をしてもらうためのアプローチが必要です。変化が速く、多様性が広がる時代のため、自社の状況や競合他社・業界の動き、ユーザーのニーズの変化など、広く多角的に意見を集め、さまざまな影響を考慮して選択していくことが、結果的に一番の近道になります。

調査分析をおこなわずとも、しっかりと解決すべき課題が見えているのが理想ではありますが、本質的な課題がまだまだ顕在化されていないケースは多く見られます。

ブランディングにおける調査分析の効果

調査分析は、企業・ブランドが自社のビジネスや業務を改善するために、必要不可欠なプロセスの一つであり、市場動向や顧客ニーズを理解するためにも欠かせないものです。調査分析により得られた情報を、より的確な戦略や戦術へ繋げることで、企業の競争優位性を高めていくことができます。

以下では、なぜ調査分析が重要であるか、6つのメリットを紹介します。

顧客ニーズを理解する

調査分析を通じて、企業・ブランドはターゲットユーザーが何を求めているのか、どのような商品やサービスに需要があるのかを把握することができます。また、顧客からの不満や問題点を把握し、改善策を講じることができます。それにより、企業・ブランドは市場でのシェアを拡大し、成長を促進することができます。

市場動向を把握する

市場は常に変化しています。調査分析を通じ、市場動向を把握することで、変化に対する対応・施策を考案することが可能となります。それにより、企業・ブランドは自社のビジネス戦略を修正し、市場での競争力を維持することができます。

競合他社との差別化を図る

調査分析を通じて、競合他社の強みや弱みを把握することで、自社の強みを生かした競合優位性を確立することができます。それにより、企業は新しい商品やサービスを開発し、市場での競争力を高めることができます。

意思決定をサポートする

調査分析を通じて、企業・ブランドは必要な情報を収集し、意思決定をサポートすることができます。それにより、より的確な判断を下し、効果的な戦略を実行することができます。

成果を評価する

調査分析を通じて得られたデータを分析することで、企業・ブランドが設定した目標に対しての達成度を把握することができます。それにより、必要な改善点を特定し、改善策を講じることが可能となります。また、調査分析を継続的に実施することで、企業・ブランドが取り組むべき優先順位や課題を把握し、将来的な戦略立案に役立てることができます。

企業イメージの向上に役立つ

ユーザーからのフィードバックをもとに改善策を講じることで、満足度を向上させることができます。また、社内でも意見や要望を調査することで、社員満足度を向上させ、社員のモチベーションを高めることができます。これにより、企業・ブランドは社会的責任を果たし、より良いイメージを構築することができます。

以上のように、調査分析は企業が成功するために不可欠な過程であり、競争優位性を高めることができます。企業・ブランドは常に、市場動向やユーザーニーズの変化に対応する必要がありますが、調査分析を継続的に実施することで、より的確な戦略や戦術を立て、業績の向上につなげることができます。

ブランディング戦略を決める発案フェーズ

2つ目の“発案フェーズ”では、調査分析にて明らかになった課題を解決するための戦略立案を行います。戦略立案とは、企業・ブランドといった組織が将来を見据え、どのような施策で競合他社と戦っていくのか、案を立てることを意味します。

戦略立案では、企業・ブランドの、やらなければならないこと、やらなくてもよいことが発見でき、よりよい方向に進むための策を生み出すことができます。また、施策の優先順位をはっきりさせることで、企業・ブランドの将来的な見通しが立ち、決められたコスト内での結果を最大化させることができると考えられます。

ここで重要となるのは、「他社にはない、企業・ブランドの強みを明確にし、勝てるポジションを認識すること」です。そのために、調査で分かった情報を使用しない手はありません。まず調査分析で明らかになった、競合他社より優れている自社の特徴を軸に、具体的なペルソナを立てていき、行動をイメージします。商品やサービスを手に取るまではもちろんですが、手に取ったあとの感情・動向にも向き合うことで、いつどこで、どのような訴求をおこなうべきなのかを検討することができます。

競合に勝つための具体的な戦略

私たちが行う戦略立案では、「ユーザー体験(UX)が備わっていること」が大前提としてあります。購買動機として、価格より優良な体験を優先するユーザーも増加傾向にあり、ユーザーの利便性・使いやすさを考慮するのは当たり前となってきています。UberやNetflixなど、近年一般的に広まっているサービスは全てUXの基本が備わっていると考えられます。UXを備えた上で、「高品質・安売りで面を取る戦略」「個性で他社との違いを出す戦略」「品質で他社との違いを出す戦略」などの、競合他社との戦いに向いている戦略を行っていきます。

高品質・安売りで面を取る戦略

過当競争をしかけ面を取ってしまうことで、業界覇者となり、価格決定力を持つことになります。大手などの資金力がある企業やブランドに向いており、低コストを活かし、高品質、低料金の戦略を仕掛けることができます。

個性で他社との違いを出す戦略

他社にはない、違い(差別化要素)で勝負することで、価格競争を回避する戦略です。ターゲットユーザーを絞る傾向があるため、面を取りにくい傾向にあり、深堀りし、LTV(顧客生涯価値)を上げていく必要があります。

品質で他社との違いを出す戦略

最高品質を高価格で提供するといった、面・売上ともに取りづらいものの、企業ブランドは向上する戦略です。戦略における、違い(差別化要素)とは、他社と違うものを作り、アピールすることではなく、競合他社の商品・サービスと比べて、「明確な特異性があること」「価格が高くても購入してくれるユーザーがいる」状態を指します。

戦略立案にはルールがあるわけではなく、各企業・ブランドごとに存在するものです。さまざまなフレームワークを使用しながら、競合他社との競争に勝てる戦略を検討していきます。

制作フェーズでも調査分析・戦略立案を基に進めることで、クリエイティブの良し悪しを、短期的な利益や、個人の主観などに捉われずに判断することができます。あくまでも、調査分析・戦略立案をおこなうことは目的ではありません。ターゲットであるユーザーに企業・ブランドの価値をしっかりと届けるための必要不可欠な手段なのです。

 

ブランディングには調査分析・戦略立案が不可欠

競合他社との違い(差別化要素)を生み出すことは簡単なことではありませんが、調査分析を行い、情報を多く制し、戦略立案の道筋を増やすことで、結果的にブランディングを成功へと導くことができると私たちは考えています。

今回は4つのフェーズの前半部分の重要性について記載いたしましたが、これらをクリエイティブに落とし込み、結果を出すまで育てるというところまで、私たちは伴走しながらサポートしています。企業やブランドの成長を目指して、ぜひ一緒にブランディングをしてみませんか。
まずは、お気軽にお問い合わせください。

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