NTT DOCOMOの絵文字がMoMAの永久収蔵コレクションに

10月27日(木)、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」が、日本の通信会社NTT DOCOMOの「絵文字」を新しくコレクションに収蔵したことを発表しました。

近代美術専門の美術館

引用元:MoMA 公式サイト

引用元:MoMA 公式サイト

MoMAは、ニューヨークにある、近代美術を専門に扱う美術館です。

1929年に創設されて以降、建築、商品デザイン、ポスター、写真など、それまで美術館の収蔵対象とされてこなかった表現までも積極的にコレクションに加え、常設・企画展示・上映をすることで、世界的な地位を確立していきました。

引用元:Wikipedia

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ゴッホの「星月夜」、ピカソの「アヴィニョンの娘たち」、アンリ・ルソーの「眠るジプシー女」といった絵画だけでなく、Power Mac G4 Cube、テクニクス レコードプレーヤー SL-10といった電化製品など、デザインの歴史に影響を与えた作品を幅広く収蔵しています。

引用元:au 公式サイト

引用元:au 公式サイト

2007年には、深澤 直人さんデザインの携帯電話端末「INFOBAR」を含む、「au design project」のうち4機種がMoMAの収蔵品に選定され、話題を呼びました。

コミュニケーションを豊かに

今回、1999年に誕生したNTT DOCOMOの「絵文字」が収蔵されることになり、再び大きな話題となっています。

この絵文字は、NTT DOCOMOのiモード立ち上げメンバーのひとりである栗田 穣崇さん(現 株式会社ドワンゴ執行役員)の企画・監修の元つくられました。

複雑な敬語の存在や、細やかな挨拶を重んじる日本は、文化的に文章が長くなりがちですが、その頃主流だった携帯電話でのテキストメッセージは文字数制限が50文字。

そこで、iモードという携帯電話にインターネットを組み込むサービスを立ち上げる際、文字のコミュニケーションをより円滑に、豊かに、楽しくするため「絵文字」が考えられました。

引用元:MoMA 公式サイト

引用元:MoMA 公式サイト

好き嫌いなく、気軽に使えることを意識して、12×12ピクセルでつくられたシンプルな絵文字は全部で176種類。

例えば「:)」というスマイルマークのように、既存の文字や記号を組み合わせて作られた「emoticon」、漫画、絵文字フォントである「Zapf dingbats」などをイメージソースにつくられたそうです。

iモード立ち上げに関わる前は、店舗でポケベルや携帯電話販売をされていたという栗田さん。一部は建築家の方などに外注したそうですが、絵文字のほとんどは栗田さんご自身がつくられたとのことで、そこにも驚きです。

デザインの力で行動が変わる

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文末に添えることで、より自分の感情を伝えたり豊かな表現ができる絵文字。

ヴィジュアルランゲージ(視覚言語)を飛躍的に成長させる種を植えたこと、デザインの力が人の行動を変えたということが評価され、この度のMoMA収蔵となりました。

DOCOMOによる絵文字発表後、他社がこぞって取り入れ、今や世界中で「Emoji」という言葉が広まるきっかけをつくったことも功績のひとつです。

12月上旬にはMoMAで、絵文字が誕生してからこれまでどのように進化をしてきたのか、インスタレーションを開催するそうです。

いまやどの携帯電話のキャリアでも当たり前の機能として付いている絵文字が、日本で初めて誕生していたということにも驚きました。

日常の中に当たり前にあるものほど、誕生秘話や誰がつくったのかなど意識する機会はほとんどありませんが、改めて身の回りのものに目を向けてみると、面白い気づきや発見があるかもしれませんね。

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