SXSW(サウスバイサウスウエスト)参加レポート
今回はSWINGS特別編として、小型二足歩行ロボット「PLEN」を作るプレンプロジェクトの富田 敦彦さんに記事を寄稿していただきました。誠にありがとうございます!
それでは、富田さんのレポートをお楽しみください。
SXSWとは
「SXSW(サウスバイサウスウエスト)みたいなテクノロジーとクリエイティブの祭典を福岡でやりたい。」
ブランコ株式会社の代表 やいぶさん(山田ヤスヒロさん)との出会いは、2011年に始まる伝説のイベント明星和楽だった。。。
初めまして、小型二足歩行ロボットPLENを作るプレンプロジェクトのトミタです。やいぶさんとの出会いから4年が過ぎて、話にだけ聞いていたSXSWに今回とうとう参加することができたので、レポートします。
映画「北北西に進路をとれ(North by Northwest)」から名付けられたというSXSWは、1986年に3人のマネージャーが、自分が担当するミュージシャンの売り込み方の意見交換をしよう!と呼びかけたのが始まりとのこと。
昼は勉強会をして、夜ライブをやっているうちに参加者が増え、映画、インタラクティブ(当初はマルチメディア)が加わって、今の形になったらしい。会場はテキサスの州都オースティン。州の旗ローンスターは全米50州の中で唯一星条旗と同じ高さに掲げることを許されている。
10日間で、人口85万人の町に約10万人が訪れるSXSWは、150万都市福岡だったら18万人規模のイベントってことだよね。
ファーストインプレッション
行ってみると、見ると聞くとは大違いだった。世界中から人が集まると聞いていたけど、目立つのは白人、次はラテン系。アジア、アラブ、アフリカ系はかなり少数派でアウェイ感を満喫できた。
Twitter、Foursquare、Pinterestのブレイクのおかげで、日本ではテクノロジースタートアップの登竜門的に語られているけれど、アメリカ人の起業家に聞くと「それは昔の話」。
先端テクノロジーが普及して、それ自体が注目されるのではなく、エンターテーメントやサービスやハードウェアの裏でこっそり動いている存在になったからかもしれない。
ミートアップに出かけてみたけど轟音の鳴り響くバーの中では、初めて会う人とまともな話などできないと悟った。何だか想像ほど刺激的ではないなと最初は思った。
自ら動いて、探す、出会う
SXSWがやっていることはクリエイティブな人を集めて、アイデアをシェアするということだ。自分から動いて面白いものを探せ、人と出会え、というように設計されている。
宿をAirbnbで探し、ホテルでなく現地の方の家を借りてアメリカ人の普通の生活を体験する、Uberで車を手配し運転手からオースティンの過ごし方を聞く、SXSWアプリで同時多発的に開催されるイベントの中から好みを見つける、Google Mapsで場所を探して、町を眺めて歩く。自分で積極的に動くと、その面白さがわかってきた。
コンベンションセンターの片隅のテーブルで、コーヒーを飲みながら「俺のブースにおいでよ!」と思い切って声をかけて知り合った映画のカメラマンが、後で彼が編集したSXSWの短編映画を送ってくれた。感想を返すとSNSで繋がって、海外に友達が1人できる。そういうことが好きな人は日に日にフェスが楽しくなってくると思う。
日々変化を見せてくれるSXSW
SXSWは日々姿を変える。初日は教育部門が開催されていて、落ち着いたムードだった。インタラクティブが始まると街にSAMSUNGやGoogleなどの企業パビリオンが姿を現すけれど、それでもまだ本番ではない。ミュージックの前日17日の午後になるとそこら中で酒が振舞われ、ラテン系のノリの良い人々で町中が一気に賑やかになる。SXSWの主役は大企業ではなく、インディーズだってこと。
イベントの構成自体も変化していて、今年はエコという新分野もできる。スタイル(ファッション)、クリエイティブ(手作り)、ゲーム等の単発企画が今後部門に発展するか、どんな新人や企業が登場するか、を追ってみると、トレンドの方向を感じることができるのかもしれないね。
小型二足歩行ロボットPLEN2
今回は3Dプリンターで出力できる小型二足歩行ロボットPLEN2のトレードショー出展が参加目的だった。およそ1週間頑張って、13ヶ国語、90の記事掲載やオンエアをしてもらえた。これで十分行ってきた甲斐は十分あったかな。(評判の良かった展示ブースのパネル、ポストカード、ビジネスカードのデザインは九州産業大学在学中のデザイナー、児玉和音さんの仕事です。)
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人情味あふれる街、テキサス
テキサスは人情味があって、少しおせっかいな人が多かった。FedExで日本に荷物を送ろうと思ったら、係の人が「送る物はなんだ?精密機械?ちゃんと梱包したか?」と、せっかく詰めた箱を開けて、余分に緩衝材を入れてくれた。長蛇の列が出来てしまって、だいぶ恐縮しました。
Uberの運転手は「素晴らしいサービスだろ?タクシー会社が政治家と結託して規制しようとしたから、俺たちが立ち上がって反対をぶっ潰してやったんだ。 」と誇らしげに語ってくれた。みんな話し好きなので英語に慣れるのが早くなると思う。独特の訛りはあるけれど。
最後に、テキサスはバーベキュー発祥の地。ビーフステーキは外せない。ローカルビールもいっぱいある。迷ったら「ローンスター!」と注文すると、お店の人と仲良くなれるよ。
Enjoy your trip to Texas!