美しいアルファベットを書くドローイング・レター

ブランコでは月に一度、社員の「インプット」のための勉強会を開催しています。

今月の勉強会では、アルファベットを手書きする方法を学びました。

アルファベットを手書きしてみよう

普段PC上であらゆるフォントを目にしていますが、PCやワープロがなかった時代はインク等を使ってアルファベットを手書きする技術が考案されていました。

その書体のルールを知り、形とバランスを取る目を鍛えるのが今回の目的です。

福岡・天神にあるスタヂオポンテで行われた、レター・カーヴァー(石に文字や模様を彫り、またその文字をデザインする人)のジョン・ニールソン氏によるワークショップを受講したスタッフが、社内にフィードバックしてくれました。

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まずは現在の欧文書体の原型である「ローマンキャピタル体」を何も見ずに書く、というところから挑戦。タイピングする機会はあっても、いざ手で書くとなると以外と覚えていないものです…。

アルファベットのルールを学ぶ

ローマンキャピタル体をはじめとする欧文書体には、誰でも同じような文字が手書きできるようにレター・カーヴァーなどが見つけ出した法則やルールがあります。今回はその中でもジョン・ニールソン氏が考案した一番簡単な方法を皆で共有しました。

例えばOの縦横比を10:10とすると、HやNは10:8、SやBは10:5など、文字によってバランスが異なることや文字の特性を知ることができます。その比率を守っていくと、アルファベットの基本的な縦の線は1と1/2、横の線は3/4という風に太さが違います。

これは、かつて筆やペンで書かれていた時代に筆記具を約30°に傾けて書いていたためにできた差と言われているそうです。実際に書いてみると、非常に美しいバランスだと感じました。

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この比率で5cmの高さの枠に書くため、あらかじめ主要な比率のみを記入したスケールを手作りしました。バランスの良いアルファベットが効率よく書けるようになります。

文字の微妙なバランス

そして、定規で引いた真っすぐな線で書いただけでは、錯視によってアルファベットは微妙に歪んで見えるのです。それを考慮して、書体は全て微調整がされています。

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例えばHなら縦の線の真ん中を少し細く、両端を少し太くする「ウェスティング」、上下の留めの部分をお皿のように凹ませる「ディッシング」という調整をかけます。

Oならば10:10の正方形の中に収まるように円を書くと実際より小さく見えてしまうため、上下左右をほんの少しはみ出させます。

このあたりの調整は明確に何ミリと決められておらず、委ねられるのはほとんど書き手のセンス。「ほんの少し太く」や「円弧を繋げる」などの調整の部分には、書き手の個性が表れるかもしれませんね。

錯視を考慮した微調整は、私たちブランコが普段のデザイン業務で意識している事と繋がるものがありました。

書くことで見えてくる先人の工夫

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今回ドローイング・レターと呼称し教えてもらったこの技術は、元々、文字を効率よく描くために考案されたものだそうです。

今ではほとんどタイピングされたフォントにしか触れ合う機会がありませんが、原型である手書きを学ぶことで、先人の工夫を読み取ることができました。

次回の勉強会もドローイング・レターの続編を学ぶ予定。ブランコは、仕事のみならず「学び」にも非常に意欲的です!