製本の可能性を探る「製本ノチカラ展」

一般的に本の形状というと、四角いもの、左もしくは右に開いて順にめくっていくもの、という認識があるかと思います。

そんな製本の常識を超え、新たな可能性を探る展示「製本ノチカラ展」が、3月22日(火)〜4月22日(金)まで、特殊紙のショップ&ショールーム「PAPER INN」にて開催されています。

自由な本の形

本の「かたち」からいくつもの制約をとりはらったらどこまで自由になれるのか、「紙」と「製本」の常識を捨てたらどこまで魅力的になれるのか…本展では、紙・製本・装丁・装画を生業とする人たちが、新たな本の可能性に挑戦。

装丁・装画から印刷・造本までを含むブックデザインに関わるすべてのクリエイターのための協会、「日本図書設計家協会」の会員による8種類の造本のアイディアを、紙の専門商社「竹尾」のファインペーパーと、東京都製本工業組合の高い製本技術によって実現させた、全39点の作品が展示されています。

デザイン視点・製本視点から楽しむ

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例えば“蝶の本”と名付けられた造本アイディアは、広げると蝶が羽を広げたような形状をしているのが特徴です。

本を閉じて立てていると、花の上で羽を休めている蝶にも見えますね。

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“円環装本”と名付けられた造本アイディアでは、始まりも終わりもない本を表現しています。まるでページが無限に湧いてくるようです。

この他にも、面白い発想のさまざまな製本の作品が展示されています。

ギャラリーでは本展のガイドブックも用意されており、デザインの視点からだけでなく、製本をする際に工夫した点、苦労した点など製本の視点からも解説があるので、作品をより楽しむことができます。

製本も“本”の一部

内容だけでなく製本も立派な本の一部です。内容とリンクした製本技術を取り入れることで、より本の世界観を広げ魅力を引き出してくれるのではないでしょうか。

「この形であればこんな内容の本が合うかも!」と製本技術発の本が生まれそうな、新たな本の形に挑戦している本展。

お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね。

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