山で見た景色をハンカチに仕立てる「MOUNTAIN COLLECTOR」

東京都在住のテキスタイルを軸にしたデザイナー 鈴木 優香さんが手がける、山で見た景色をハンカチに仕立てていくプロジェクト「MOUNTAIN COLLECTOR」。鈴木さんは自らを“山岳収集家”と称し、登山・山行記録の更新・ハンカチの制作を繰り返しながら、2度とは見られない山の景色を集めています。

山に登りはじめたきっかけ

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鈴木さんが本格的に山登りを始めたのが、アウトドアメーカーに就職した2011年ごろ。だんだんと、山登りに慣れて来た時にふと「同じ景色は2度と見られないかもしれない」という気持ちにかられ、フィルムの一眼レフカメラを持って山に入るようになったそうです。写真を取り始めたころはデータ化して楽しんでいたそうですが、山の景色を手に取れる「モノ」にしたいという気持ちが強くなり、学生時代から制作の材料として扱ってきた素材=布に落とし込んだのだといいます。

「MOUNTAIN COLLECTOR」に込められた思い

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鈴木さんは山岳写真家になりたいわけではありません。あくまで、その時自分の場所から見える景色を、漏らさずただただ記録するように切り取り集める、ということを大切にして撮影しているのだそうです。

=“山の景色を集めている”ことから、生まれたのが「MOUNTAIN COLLECTOR」というプロジェクト名だったのだといいます。

ハンカチにした理由とは…

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ポストカードでもなくTシャツでもなくハンカチを選んだのは、ただの四角い布だったからという理由。「美しい山の景色を乗せるにはこれくらいシンプルなものがいいと思いました。薄手の生地は光に透けてその色を変え、まるで山の天気のよう。そして、私がいつか見た山の景色がハンカチに姿を変え、誰かの生活の中で生きていくことが不思議で面白いと感じたからです」と鈴木さんはいいます。

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また、パッケージには品番のほかに山の名前と登った日付が記されており、その情報をもとに「MOUNTAIN COLLECTOR」のブログ内で検索すると、山行記録が見られるようになっています。ただ、ハンカチを手にするだけではなく、一緒に旅したような気持ちになれるひと工夫に、鈴木さんの山に対する愛や、このプロジェクトの本当の意味を感じることができます。

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