ダイナミックラボでクリエイティブの原点に遡る
鹿児島 南さつまにあるファブラボ「ダイナミックラボ」。ラボという言葉では収まらない刺激溢れる体験を発信・提供しています。
“ならでは”
一般社団法人「その辺のもので生きる」が運営するダイナミックラボは、鹿児島県南さつま市の山中に存在します。
廃校(旧大坂小学校)に作られた日本最大級のファブラボで、木工部屋や手芸部屋、デジファブ部屋などのものづくりができる場所が完備されており、1日利用や伝統技術を利用したワークショップが体験できます。
ダイナミックラボの利用者は、レーザーカッターや3Dプリンターなどの工作機械を目的とする人や、自然下でのサバイバルキャンプや先住民技術のワークショップ参加者など、ジャンルを問わず幅が広いことが特徴です。
なくなるはずだった廃校が、自然とふれあうもよし、便利な機器を利用するもよし、自然の中で何かを発見し生み出すことに最適なダイナミックラボ“ならでは”の環境に生まれ変わりました。
フルオフグリッド
2017年クラウドファンディングにて230%の資金調達を成功させた本プロジェクト。
職業はヒッピーという代表理事の小崎 悠太さん(テンダーさん)は、鹿児島で年間1万円の家で電気・ガス・水道の契約なしの生活(フルオフグリッド)をしています。その暮らしは妻・子供の4人で不自由なく、ストレスのない上質な暮らしなのだそう。
“環境をなるべく汚染しない生活モデルを実現する”ことを目的に始めた暮らしをきっかけに、本プロジェクト「ダイナミックラボ」が誕生。
金属や化石燃料などの有限な資源をこれ以上使い果たさないために、“かつて地下資源だった廃棄されるもの”“見捨てられているもの”を「いかに使うか」、さらにお金ではなく技術と信頼を今後の財産として継承していくことを目的に設立されました。
できること
ダイナミックラボでは、自然のエコシステムを参考にし、水をまかなう雨水システムやトイレの下水浄化システム、土や鉄からかまどやストーブなどの暖房&調理器具を製作するなどの持続可能なシステム「パーマカルチャー技術」を取り入れた暮らしや仕組みを体験できます。
廃棄されたプラスチックは3Dプリンターに用いる原料へ、壊れたプリンターや洗濯機などの機器からはモーターなどを取り出し新たな機能を持った機器へ。
限られた資源の中から自分が必要とするものを「どう生み出し、形にするか」。テンダーさんの感性が、クリエイティブの原点に戻ったような感覚、自分自身を考えさせられる不思議な空間を自然と導き生み出しているように感じます。
ものに限らず生命に関しても同じこと。ダイナミックラボでは家畜(鳥)の解体から料理までを一貫して行うワークショップも開催されます。なかなか体験できないようなことですが、そういった経験からは命の大切さや日々の恵まれた生活に関して考えさせられ、普段味わうことのない刺激を受けるのではないでしょうか。
“ないものはつくる”ことの大切さ、そしてその技術を伝えることで、ものに恵まれていることへのありがたみや継承されてきた技術の素晴らしさなどに気づき、教育にも繋がっていくのだと思います。
ダイナミックラボ
鹿児島県南さつま市金峰町大坂3430
土.日 10:00-17:00(予約制)