アクロス福岡で開催中!福岡の古き良き時代を伝える「あかり絵の世界」

皆さん、いかがお過ごしですか?コピーライターの鈴木です。

先日からアクロス福岡 アトリウム B1 特設会場にて、素焼きの人形と照明、そして博多の方言が添えられたオブジェが並ぶ展示イベント「あかり絵の世界」(〜5月24日まで)が始まっています。

早速足を運んで来ましたが、それはそれは“夢んごたぁ”幻想的で、何かホッとするような穏やかな空間でした。博多弁の使い方、合っていますかね?(笑)

福岡の子どもたちを表現する

この「あかり絵の世界」を手がけられているのは、造形作家の入江 千春さん。

入江さんは九州造形短期大学のグラフィックデザイン科を卒業後、博多駅にある商業施設でイベント企画を9年ほど担当されていました。そのなかで福岡の色んなお祭りや行事に触れて、こういった昔ながらの博多の様子を自分自身で形に表現したいと思い、造形作家として独立されたそうです。

表されている世界は昭和30年代の福岡。登場人物はすべて子どもたちです。ご本人曰く“老若男女、多くの方々に観て欲しいと思ったので、それなら子どもを描こうと。子どもではなかった人はいないし、そんな目線になって、ふと童心に返ってもらえたら”とのこと。

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また“自分は作家として活動しているけれど、舞台演出家のような心づもり。役者、ステージ、照明、そしてセリフを用意して、例え小さな人形であっても、そこに動きを感じさせるような空間をデザインしていく”という作家としてのこだわりを持たれています。

私は福岡で育った訳ではありませんが、これらの人形、舞台を目の前にして、古いアルバムをめくっているかのような懐かしさを覚えました。

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地道な作業で作品を生む

作品の構想から完成まで、入江さんはご自身の工房「イリエアトリエ」で作業をされています。

題材を決めてイラストを起こし、素焼きの人形を制作するのに約1週間。それに続く大工作業に多くの時間をかけていらっしゃるそうです。

木材、ガラス、アクリル、樹脂、それから和紙。素材選びは作品それぞれのイメージに合わせて、特に熱に耐えうるものを見つけるまで忍耐強く行い、1ヶ月ぐらいの時間をかけて“とてもじゃないけれど人に見せられない、木くずだらけの姿で(笑)”木工細工をつくり上げるそうです。

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小さなものだと通常3点程度を同時進行させ、作品たちに博多弁のセリフをひと言添えてから最後に照明を施し「あかり絵」として完成させるのに約2ヶ月間をかけるとのことで、入江さんの地道な作業に、私も頭が下がるばかりです。

自己満足で終わらせない

これまでアクロス福岡のようなスペースのほか、養護老人ホームや公民館、病院などの施設で展示イベントを行ってこられたそうですが、イベントでの人とのつながりや口コミから少しずつ評判になっていったようです。

入江さんは子どもを作品として表現するうえで、それを観る大人の存在を意識し、大人と子どもを結ぶ家族の絆のようなものを感じてほしいと願っているそうです。

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技術的にも体力的にも、この活動を永く続けること自体が非常に難しいことであるとのお考えのようでしたが、それでも“自己満足では終わらせたくない”と強く言い切っていらっしゃいました。例えば医療の現場で、認知症患者に対する「回想法」という治療にも役に立てられれば、などという思いもあるようです。

アクロス福岡 での「あかり絵の世界」は5月24日(日)まで開催されていますが、ぜひゴールデンウィークにちょっと立ち寄っていただきたいスポットです。またアクロスの近く、旧福岡県公会堂 貴賓館 2Fの常設展もおすすめですよ。

福岡の古き良き時代を思い起こして、ほのぼのとした博多の方言とともに優しく、あたたかいひと時をお過ごしください。