動物の“貂(てん)”をモチーフにした、Adobeオリジナルフォント「貂明朝」

11月28日(火)、クリエイター向けに開催されたイベント「Adobe MAX Japan 2017」にて、Adobeの新フォント「貂明朝(てんみんちょう)」が発表されました。

モチーフは“貂”

引用元:Adobe 公式サイト

引用元:Adobe 公式サイト

“貂(てん)”はイタチ科テン属に分類される、フェレットのような細身のシルエットに愛らしい顔立ちが特徴で、天然記念物に指定されている哺乳動物です。

今回発表された貂明朝は、手書き感のあるものや、丸みと角を綺麗に融合させたフォントを手がけられるRobert Slimbachさん、柔らかなひらがなや漢字の美しい文字組みなどを手がけられる西塚 涼子さん、2人のタイプフェイスデザイナーにより「かわいくも妖しい明朝体」というコンセプトでデザインされました。

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RegularとItalic、2つの書体が提供されており、一般的な明朝体に、日本の伝統的な手書き文字の特徴を取り入れ、美しさの中に上品さ、柔らかさを融合させた和文書体です。

かわいくも妖(あや)しい

頭の大きな“の”、うねりを持った“い”、円を描くような“や”“わ”など、貂が飛び跳ねて遊んでいるような可愛らしさと、“ん”のように余韻のある上品さが明朝体の特徴を表現しているように感じます。

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歴史を感じる新フォント

Adobe Typekitに追加された和文書体 貂明朝。Adobe Creative Cloud有料ユーザーであれば、追加料金なく利用することができます。

引用元:Wikipedia 瓦版

引用元:Wikipedia 瓦版

江戸時代の情報紙「瓦版」に使われた、勢いのある筆づかい「運筆」を取り入れ、丸みを加えることで、可愛らしさを表現。貂の柔軟な体のとシルエットにとてもマッチした仕上がりですね。

暗い背景でも可読性を失うことなく使用できるそうで、ディスプレイや書物、広告などの幅広い分野で目にする機会が増えるかもしれません。

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貂明朝には、最新の常用漢字・人名用漢字を含む約6500文字、Italic含む欧文グリフ約2100文字、かな・シンボル・役物など約500文字が含まれています。従来の日本語フォントよりも幅広い欧文文字が展開されており、単体のフォント「Ten Oldstyle」としてもリリースされています。

貂の姿をした特徴的な絵文字。うさぎやカエルを擬人化し描いた「鳥獣戯画」にインスパイアされたもので、“擬人化された貂”も新しく、そんな遊び心もまた魅力です。

江戸時代の情報紙や、日本最古の漫画など歴史的な表現を取り入れることで、新フォントながらどこか古風な雰囲気を漂わせていますね。

Adobe Typekit

貂明朝を使用できるAdobe Typekitは、「好きなフォントをいつでもどこでも使えるようにする」をコンセプトにしているオンラインフォントサービスです。Adobe視覚デザイン研究所字游工房タイプバンク大日本印刷Fontworksモリサワ、7つの企業のフォントを使用できるサービスで、ありとあらゆるフォントを集約しています。

元々は欧文フォントを中心に展開していたAdobe Typekitですが、ここ2〜3年の間に日本語書体に力を入れており、1年間でもひらがな、カタカナ、漢字それぞれの個性が溢れる74もの書体を発表しています。

引用元:Adobe 公式サイト

引用元:Adobe 公式サイト

今回のように動物をモチーフに、雰囲気を文字に落とし込んだ書体は、新しく、見ているだけでとても癒されます。1つとして同じもののないフォントの可能性、これから登場するフォントがとても楽しみです。