世界のグラフィック作品が集結した「TDC展」で、デザイナー研修

京都の展示会場 京都dddギャラリーにて、2017年7月4日(火)〜8月22日(火)に開催された「TDC展」。デザイナー研修ということで、弊社ブランコのデザインチームで8月18日(金)、京都dddギャラリーを訪れました。

TDC展

今年設立30周年を迎えた東京タイプディレクターズクラブ(TDC)は、タイポグラフィを中心にした展覧会やイベントの開催、塾やセミナーを開く、NPO法人団体です。

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TDCが主催する、国際的なデザインコンペの受賞者やノミネート者の作品を展示した「TDC展」。毎年10月、世界中からタイポグラフィを軸にしたグラフィックを用いた作品が集められ、東京 銀座にあるグラフィックデザインの専門ギャラリー ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて開催の後、様々な会場で展示されます。

今回訪れた京都dddギャラリーには、TDC設立30周年を記念するにふさわしい作品が結集していました。

受賞作品

2017年グランプリに輝いたのは、イギリス出身のグラフィックデザイナー Jonathan Barnbrookさんによる、ミュージシャン デヴィッド・ボウイのアルバムパッケージ作品です。

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アルバムタイトル「Blackstar」に★を用いたデザインで、CDやレコードカバーは黒地に光沢を持った黒字という斬新な表現が魅力です。

CDやポスターに加え、WebやiTunesなどの現代メディアでも同様に見えるよう洗練されたタイトルが付けられました。SNSの時代を踏まえ、簡単にシェアできることも意図したそうです。デザインにはすべて意図があり、考えられた末の魅力が詰まっています。

TDC賞受賞の、PARCO広告。2014年よりPARCOキャンペーンでクリエイティブディレクターを務めるデザインユニット、M/M(paris)による2017年SSシーズン広告は、架空の世界を創り出します。ポスターには、フォトグラファー Juergen Tellerさんが撮る写真に、手書きフォントを組み合わせ、ファッションとシーズンの永続性が表現されています。今後のテーマやストーリーも気になりますね。

グラフィックの世界

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会場に入って感じたのは、グラフィックの限りない可能性です。会場内には大小様々な作品が展示してあり、その数なんと150以上。それぞれにフォントやカラー、表現を持ち、作者の個性が伺えました。

壁にはポスター、展示台には本やパッケージがあり、1つとして同じものはありません。作者の数だけ表現方法があり、その違いで作品の印象を180度変えることができるのだと改めて気づかせてくれる作品ばかりでした。

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こちらはPanasonicにより21の方法で電気を起こし制作された電池、eneloopです。最新ではなくどこか懐かしさのあるパッケージは八木 義博さんによるデザインで、電気の歴史が感じられます。電気の誕生を可視化したことで、電気のことを知ってもらい、より「大切にしよう」と思えてくるような表現が魅力です。

トーンが統一された豊富な色の組み合わせが、興味をそそりますね。

印刷技術の興味深さ

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個人的に興味を持ったのは、“印刷技法”をわかりやすくポスター風で一覧にした作品です。色や技法、素材の違いを言葉と交えて“見える化”したもので、ひと目で理解できることから印刷物の面白さを知りました。

展示会には、どのようなジャンルにおいてもハッとさせられるような刺激があり、学ぶことがたくさんあります。あらゆる視点で物事を見て、より気づきが増えるようになりたいと思います。第1回で始まったばかりのデザイナー研修。今後どのような研修があるのか楽しみです。

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