「FITS 2015」レポート1 − 起業家を支える家族として

「最先端のテクノロジーを学び、これからの仕事とキャリアを考える」というテーマのもと、5月29日(金)西鉄イン福岡にて開催された「FITS 2015」の各セッションのなかで、起業家を家族に持つ方による「起業家を支える家族として」という、女性目線で行われたセッションについてレポートします。

起業するまでの経緯や起業してからのことを間近で見ていたスピーカーのお話には、起業家の素質、そして起業家になるためのヒントも隠れていました。

スタートアップの街、福岡

福岡市では今、行政のバックアップのもとでスタートアップをしたい人向けの交流の場「スタートアップカフェ」がオープンするなど、スタートアップブームで起業家が増えています。

起業家ご本人が様々なメディアにて注目されることはよくありますが、今回のセッションではご家族にフォーカスし、スピーカーとして迎えられたお二人の経験談から、起業家を家族という立場でどのように支えたらいいのかを学べるものでした。

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スピーカーは、ご主人とともに「人力検索はてな」「はてなブックマーク」などのWebサービスを提供する株式会社はてなの設立に関わられた(現在は退職されている)近藤 令子さんと、ご主人はレンタカーサービスを展開する株式会社リーボの代表で、ご自身は公務員として働かれている松尾 綾さんのお二人。

モデレーター(進行役)の株式会社グルーヴノーツ ショウジユウコさんの軽快なトークのおかげもあり、冒頭から笑い溢れるなか和気あいあいとセッションが行われました。

仕事に集中できる環境を整えること

「起業すると聞いた時の正直な気持ち」や「起業家の家族として気をつけていること」、「起業家の家族あるある」、「“家族”とは?」という様々な質問に対して、近藤さんと松尾さんがそれぞれ答えていく形式でお話が進みましたが、お二人に共通していたのは積極的に応援しているというスタンス。

起業家と一般サラリーマンとの決定的な違いとして、人生をかけて頑張ってもらわないと1円もお金が生まれない、というような前提があるからかもしれません。

お二人とも、人には「向き不向き」があるのでそれぞれが得意なことをする、という考えを持って役割分担を行い、ご主人は常に仕事優先というような起業家にありがちな生活スタイルについても受け入れ、家族のイベントを優先させることを諦めています。

一見すると華やかなイメージのある起業家とそのご家族ですが、色んな物事を犠牲にしたり経済的に不安定な側面もあるという赤裸々なエピソードに、会場の参加者は聞き入っていました。

受け止めてあげること

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また起業家を支えている人やこれから支えていく人へのお二人からのアドバイスとして挙げられた「これまでにない発想を持つ“子供っぽい”性格を受け止めてあげることと、ユーザーの視点を伝えてあげることが大事」や「起業家だからと気負わず、仕事をしている人を応援するという点ではサラリーマンの家庭と変わらない」といったお話に、参加者が皆大きく頷いている様子がとても印象的でした。

質疑応答の時間には、奥様に限らない「家族」としての支え方について質問があり、その答えではご主人のご両親について、幼少の頃からやりたいことをやらせていたとか子供の可能性を信じていたというような、起業家の性格を受け止めて応援する「奥様からの目線」との共通点がありました。

起業家の素質が芽生えるには、子供の頃からの周りの接し方が大切なのかもしれませんね。

起業家の気持ち

会場が最も盛り上がったのは、モデレーターの庄司さんがご自身の周りの起業家に聞いた「家族からどのように支えて欲しいか」というアンケートの結果を紹介した場面です。

・優しくして欲しい
・「バカなの?」と言わないで欲しい→突飛なアイディアを持つから?
・まずは受け止めて欲しい
・洗濯して欲しい(独身起業家)→出張が多いため
・異性と飲みに行っても許して欲しい
・「私と仕事、どっちが大事?」と聞かないで欲しい
・共感して欲しい

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どれも、理解して欲しい、味方でいて欲しいという起業家の方々の切実でストレートな気持ちがひしひしと伝わってきて思わず笑ってしまいましたが、常に気を張っていなければならない立場なので、甘えられる存在が必要なのかもしれませんね。

起業家を家族に持つ方、あるいは起業家の家族になる予定の方や子供を起業家に育てたいと思っている方は、是非参考になさってください。

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