色の印象は世界共通じゃない!国によって異なるイメージとは

デザインには「色」の検討が不可欠です。色から受けるイメージは人によってさまざまですが、国によっても受けとるイメージは異なります。そのため、デザインを行う際は、ターゲットが色に対しどのような印象をもっているかについて、出身国もふまえて検討する必要があります。

そこでこの記事では、色が人に与える印象や国ごとの違い、違いが生じる理由について解説していきます。

 

そもそも色が与える印象とは?

私たちは意識せずとも、さまざまな色をみて自律神経に刺激を与えています。自律神経は、活動時に働く「交感神経」と休息時に働く「副交感神経」の2種類があり、これらが働くことによって体の機能は調整されているのです。

自律神経の働きが乱れると、体調にも影響を与えます。そのため、日常的に目にするものの色を変えてみると、心身の健康が改善されることもあるようです。以下では、それぞれの色が自律神経に与える作用についてご紹介します。

暖色

赤・黄色・オレンジ色などの暖色系の色は、交感神経を刺激するとされています。交感神経は、体の活動時に活発化する神経で、血圧・脈拍・呼吸数を高める効果があります。

また、暖色の空間は、時間の経過をはやく感じさせる効果もあるようです。そのため、回転率を求められる飲食店などに多く使用されています。

寒色

青・紫・水色などの寒色系の色は、副交感神経を刺激するとされています。副交感神経は体を休めているときに活発化する神経で、交感神経とは反対に生理機能を鎮静化させる効果があります。
また、寒色は、対象物をおなじ距離からみたときでも遠くに感じる「後退色」です。そのため、部屋の壁紙などに使用すると部屋を広くみせる効果があります。

 

各国がもつ色の印象

ここまで、色が脳に与える影響を中心にみてきましたが、色はさまざまなシンボルとして使われることでも固有のイメージをもつようになりました。おなじ文化圏では同様のイメージをもつことが多くありますが、異なる国や文化では、おなじ色でも異なるイメージをもつ場合もあります。

こういった事情から、デザインを行う際は、ターゲットの国や文化も考慮する必要があります。おなじ色でも、もつイメージが異なればデザインに対する印象も変わるからです。ここでは、赤・青・緑・白の4色におけるイメージの違いをご紹介します。

赤色は、多くの国で「情熱」「活発」などの意欲的なイメージがあります。暖色のなかでも代表的な色であり、交感神経が活発化するために活動的な気持ちが強まる色です。また、中国では祝いごとの際に使用する色としても認識されています。

日本のデザインでは「女性は赤」「男性は青」という色わけで使われることが多くありますが、海外では、色わけせずに「Women」「Men」と文字で表示したり、アイコンで区分したりすることが多くあり、いずれもおなじ色を使用することが一般的です。
そのほか、近代以降は、ソ連をはじめ東側諸国が赤をシンボルカラーとして多用したことから、「革命」「共産主義」などのイメージもあるようです。

青色は「誠実」「信頼」などのイメージが強く、寒色の代表的な色のため「清涼」「冷静」というイメージももたれます。一方で、「孤独」「憂鬱」などのマイナスなイメージもあり、良くも悪くも静かで落ち着いたイメージの色といえるでしょう。
また、青は食欲を減退させる色としても知られており、多くの国で食品に青が使われることは少ないようです。
なお、欧米では、出版物の検閲を青色でチェックしていたことから、「わいせつ」というイメージもあります。成人向けの映画を「blue film」、猥談を「blue jokes」というのも、これが由来だと言われています。

草木の色である緑色は、「自然」「新鮮」のほかにも、「平和」「癒やし」などの穏やかなイメージや、「若さ」「未熟」など初々しいイメージがもたれる傾向にあります。

その一方で、西洋では「毒」を連想させる色でもあります。肉食文化の西洋では、腐った肉の多くが緑色になることから、「緑色は毒」という印象が生まれたようです。また、シェイクスピアに由来して、「怪物」「嫉妬」というイメージも与えるようになりました。これは、シェイクスピアが自身の作中で、嫉妬のことを「緑の目の怪物」と表していたことから生まれました。

そのほか、イスラム圏では「国の繁栄」「神聖」などの意味あいがあります。イスラム教の始祖であるムハンマドが、緑色のターバンを使用していたことが由来とされており、イスラム国家の多くは国旗の構成色も緑色になっています。

白色は「純粋」「潔白」「神聖」などといった清らかなプラスのイメージがもたれがちですが、中国やインドなどでは「葬式」「不吉」「死」なども想起させます。中国の京劇では、登場人物の性格を顔の隈取りであらわしており、白い隈取りの人物は悪人をさします。このことから、中国では、白は悪印象のイメージがついているようです。

また、西洋では「降参」「敗北」など、白に「負け」の印象をもつこともあります。これは、戦争において降伏する際、白い旗を掲げることが国際的に定められているためです。

 

国によって色の印象が変わる理由

このように、色に対する印象は国や民族などにより異なります。主な理由としては、ここまでにも触れたように文化・歴史・宗教などによるものと、目の色・太陽光などの違いによるものが挙げられます。前者は「この色はこういうものだ」という常識の有無、後者は「この色を自分でみるとこう見える」という感覚の差異が理由です。以下で詳しくみていきましょう。

文化・歴史・宗教による違い

色に対する印象は、各人が所属する国・地域の文化や歴史、信仰する宗教によって変化します。文化が変わると色の表現や認識も変わるのです。たとえば、太陽の絵を描くときに、日本人の多くは赤を使うことが多いですが、欧米では黄色を使います。

また、歴史的に色へのイメージがつく場合もあります。たとえば、紫色は、昔は自然由来の染料が入手しづらいことから、高級品の色としてあつかわれていました。そのため、紫色の衣服を着用することは権力がある証拠となり、現代でも紫色には「高貴」のイメージがついています。

そのほか、宗教により印象が決まるケースもみられます。キリスト教において、イエスを裏切ったユダは黄色い目印を身につけていたとされています。そのため、現在でもキリスト圏では黄色に「裏切り」「不誠実」などの印象を抱く場合があるようです。

目の色や太陽光による違い

文化や宗教などのほかに、人種による瞳の色や地域による太陽光の波長なども色のイメージに影響を与えます。

まず瞳の色についてですが、日本人の多くが茶色の瞳をもっている一方、北欧などでは青色や緑色などの瞳をもっている人もいます。瞳の色はメラニン色素の量で決まるため、明るさの感じかたを左右します。一般的に、瞳の色が薄い人ほどまぶしく感じやすい傾向があり、おなじものを見ても瞳の色により印象が異なるのです。

また、太陽光の波長によっても色に影響がでます。基本的に太陽光のうち低緯度では赤が、高緯度では青が強調されます。これによりおなじものをおなじ人がみても、地球上の場所により微妙に色あいが変化するのです。
このように、おなじ色でも異なる感じかたをすると、色に対して受ける印象にも差がでてきます。異なる国の方を対象に色を扱う際は、相手がその色をどのように感じているか考えてみましょう。

 

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まとめ

この記事では、色が人に与える印象や国ごとに感じる印象の違い、違いが生じる理由について解説しました。色を有効に活用すれば、言葉を使わなくてもイメージや意思を適切に伝えることができます。しかし、この記事で紹介したとおり、色の受けとりかたはさまざまなので、ターゲットに応じて使用する色をよく検討しなければなりません。
色はデザインを決める際の重要な要素です。弊社ではユーザー目線にたち、さまざまな要素を考慮しながらデザインを制作しています。自社Webサイトやブランディングでデザインを検討中の方はお気軽にご相談ください。