BtoBブランディングとは?効果や成功事例、おすすめ本を紹介

競合他社との差別化が難しいBtoB企業にとって、ブランディングは、価格競争からの脱却や新規顧客獲得、人手不足解消など多くのメリットをもたらします。BtoB企業が自社製品やサービスを訴求していくうえで、ブランディングは欠かせないものとなっています。今回は、BtoBブランディングの基礎から手法・効果までをわかりやすく説明します。

 

BtoBブランディングとは

日々ビジネスの場面で使われている「BtoB」とは、企業間でのモノやサービスの取引を指す言葉です。これに「ブランディング」を組み合わせた「BtoBブランディング」とは、潜在顧客や社会に対して、自社の認知度を高めて良いイメージを持つよう働きかける取り組みを指します。

ブランディングと聞くと、一般消費者を対象とした「BtoCブランディング」を思い浮かべる方が多いかもしれません。これに対して、BtoBブランディングは、企業担当者をはじめとするステークホルダー(利害関係者)や社会に向けた取り組みになっています。

企業にどんな技術力があっても、その技術や製品・サービスを売り込むことができなければ、市場を牽引することはできません。市場を牽引できなければ、市場内での価格競争に陥ってしまい収益力が低下してしまいます。BtoBブランディングを行うことで、自社製品やサービスを適切にアピールし、過度な価格競争や企業存続の危機に陥ることを回避することができるのです。

BtoBブランディングは、目的に応じて以下のようなアプローチ方法があります。

  • コーポレートブランディング:企業イメージの訴求と共感醸成を目的としたアプローチ
  • ソリューションブランディング:顧客ニーズへのPRを目的としたアプローチ
  • 技術ブランディング:特定分野において技術の差別化を目的としたアプローチ

いずれのアプローチにおいても、大まかな流れとして、

  1. 自社の問題を認識する
  2. 目指す方向を定める
  3. サービス・商品の価値を再検討する
  4. ターゲットを明確化する
  5. 情報発信する

といったステップを踏んで進めていきます。

 

なぜBtoBブランディングが必要なのか

では、なぜBtoBブランディングが必要となるのでしょうか。ここでは現在BtoB企業が直面している課題と、その解決策としてBtoBブランディングがなぜ有効になるのかについて解説します。

新規顧客の獲得

BtoBブランディングをすることで、BtoCと同様に、新規顧客の獲得へとつなげることができます。日本経済の成熟化が進むにつれ、多くの企業が海外に活路を見出しています。その結果、長らく日本企業の強みであった系列取引の崩壊をもたらしました。この流れを受け、系列外はもちろん世界規模での取引調達が当たり前の時代に変容してきました。
こういった事情から、今の時代は競合他社との差別化が特に重要性を増しています。その点、BtoBブランディングによって企業そのもののブランディングが成功し、ターゲットにとって魅力的な企業と判断されれば、顧客候補として認識されることが可能です。特にBtoB企業の中には、取引先が一社しかないという「一社依存」の企業も存在するでしょう。そうした企業にとって、BtoBブランディングは存続のために欠かせない施策の一つとなっているのです。

価格競争からの脱却

価格競争から脱却するためにも、競争に巻き込まれている企業や、競合が多い業界に位置する企業にはBtoBブランディングが必須です。BtoB企業をとりまく市場は、多くの場合価格競争が激しい傾向にあります。BtoBブランディングによって競合他社との差別化をすることで、自社ブランドが確立し、価格競争から脱却することができるのです。

人手不足の解消・予防

現在多くの業界において深刻な人手不足が叫ばれています。既に人手不足を懸念している企業はもちろんのこと、今は人手不足を他人事に感じている企業でも、人材確保は決して軽視できないポイントです。BtoB企業の意義や使命、あるいは社会的影響力が理解されることで、商品・サービスへの期待値が高まり、企業イメージも向上します。結果として企業の方針に賛同した人材の確保へとつながるのです。

 

BtoBブランディングがもたらす効果

ここまで、BtoBブランディングが求められる背景について解説してきました。ここでは、BtoBブランディングの主なメリットを改めて整理してみましょう。

社内の求心力が高まる

BtoBブランディングによって、すべての社員が目指す方向を共有し、同じ方向へ進む環境を創ることができます。ブランディングを通じて社内コミュニケーションの大幅な強化を図るため、商品企画やプロモーション、接客などの具体的な施策づくりなどについて、ブランド価値に基づいた一貫した判断が可能です。

市場における競争力を強化できる

ブランディングの結果として、市場内での競争力が高まります。グローバル化の進行やITの標準化によって、市場にサービスやモノが氾濫している現状では、価格や機能だけでは他社との差をつけづらい状況です。そこで、たとえばシャネルなら「パリ、クラシック、黒」のような、企業・商材と特定イメージが紐付いた認知を獲得することによって、価格・機能面以外での差別化を可能にします。このようにして、ブランドの構築・市場競争力を向上させていくのです。

企業イメージの向上に繋がる

企業イメージの向上は経営において非常に重要です。企業イメージの向上によって各ステークホルダーからの信頼へとつながりますし、自ずと競合他社との差別化が図れ、売上面においても人材確保の面においても強みを発揮することができます。企業イメージの向上による知名度の拡大や訴求ポイントの強化は、長期的に安定した経営を行ううえで欠かせないものとなっています。

 

BtoBブランディングの成功事例

ブランディングを成功させる術を学ぶには、既にある成功事例を参考にするのが早道です。ここではBtoBブランディングの成功事例をご紹介します。

IBM

IBMは、ソリューションに対するブランディングとして「コグニティブ・コンピューティング」を提唱しており、自社の人工知能である「Watson」の売上につなげました。コグニティブ・コンピューティングとは、従来のコンピュータが行ってきた「定形処理の効率化」「解釈」「判断」までを一貫して担う仕組みです。ブランディングの結果、このシステムへの理解が深まり、コグニティブ・コンピューティングを実現する自社製品「Watson」が比例して売れる構図が作り上げられています。

ドルビーラボラトリーズ

ノイズ低減技術をライセンス販売するドルビーラボラトリーズは、自社の技術を使用した製品に商標表示をし、製品品質イメージを高く維持する取り組みを行ってきました。その結果、同社の商標は「高音質を保証するシンボル」として一般消費者に広く認知されています。認知自体が商標の入った製品の売上を後押しするため、自社のライセンス収入もより多く得られるようになりました。

 

BtoBブランディングに関するおすすめ本

ここまで、BtoBブランディングの必要性や効果について解説してきました。ここでは最後に、さらに詳しくBtoBブランディングについて学びたいという方に向けておすすめのBtoBブランディング書籍を紹介します。初学者から経験者まで、さまざまなレベルに応じた関連書籍が発売されているので、ぜひ興味のある本を見つけてみてください。

「デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』「潜在リード」から効率的に売上を作る新しいルール」竹内 哲也(著)

少人数で効果的にBtoBマーケティングへ取り組む方法にフォーカスした書籍です。潜在するリードの掘り起こしからリード育成までの一連の流れを学べます。加えて、図版も豊富に掲載されているので、BtoBマーケティング初学者でもわかりやすい構成です。具体的な事例も紹介されており、実践的なマーケティングの手法を体系的に学びたい方におすすめです。

「ノヤン先生のマーケティング学」庭山 一郎(著)

マーケティングと言うと、統計分析やフレームワークなど難解な理論ばかりで学習のハードルが高い印象を持たれがちです。本書籍では、展示会やセミナーで実際に起こったエピソードを取り入れながら、わかりやすくマーケティング理論を解説しています。初学者でも基礎から実践方法まで一通り学ぶことができます。

「図解 実戦マーケティング戦略」佐藤 義典(著)

実践的なマーケティング戦略の組み立て方を解説した書籍です。使える戦略は、実行可能・定量化可能という2つの条件を満たす必要があります。本書では著者が考案した「戦略ピラミッド」というフレームワークが紹介されており、実際に使える戦略の立案方法を身に付けることができます。

 

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BtoB市場でも、BtoCと同じく自社サービス・製品が選ばれるには独自の強みを知ってもらう必要があります。その企業にしか出せない価値の認識が顧客に広まることで、自社を選んでもらえる確率が高まるでしょう。BtoBブランディングの重要度は年々増していますが、実際に構築する際は、企業・製品・サービスなどが持つ特性や実績の十分な検証が肝要です。この記事でご紹介したようなポイントを踏まえて、BtoBブランディングを成功させビジネスの好循環を築いていただければと思います。ご質問・ご相談等ありましたら、お気軽にお声がけください。