躍動感あふれる「Rio 2016 font」の着想の源泉
2012年のロンドンオリンピックのフォントに続き、2016年のリオデジャネイロオリンピックのフォントを担当したのは、タイプフェイスデザインを行う会社Dalton Maag。
直線的でシャープなロンドンオリンピックのフォントとは対照的に、柔らかく丸みを帯びたリオデジャネイロオリンピックのフォントは、一風変わったものから着想を得ていました。
テーマは「情熱と変容」
Rio 2016 fontは、リオデジャネイロオリンピックとパラリンピックのエンブレムのテーマである「情熱と変容」を描いたデザインです。
オリンピック・パラリンピックの精神はアスリートの敏速な動きを意識した流動的なラインに、伝染性のエネルギーは文字の異なる高さや文字同士の太い接続部分に、活気ある性質は文字の全体的なデザインの中に反映され、文字ごとに異なるさまざまな曲線や高さは、ブラジルの人々の持つ温かさや楽しさを表現しています。 太いストロークと細いストロークの強いコントラストは、紙に筆をいれ何度も手描きして調整を重ねたデザインの過程を見ているようです。 小文字の“m”はコパカバーナの歩道、“T”はリオデジャネイロを見下ろす救世主キリスト像からといった、街や自然の景色から着想を得てつくられた文字もあります。制作の裏側
何度も微調整を繰り返し完成したRio 2016 font。 手描きフォントのRio 2016 fontはすべての軸が曲線でできているため、次に続く文字にどう繋げるかがとてもむずかしく、そこが一番苦労した点なのだと、Dalton Maagのブラジル人デザイナーFabio Haagさんは語っています。 次に続く文字によって形を変え、スクリプト体のリズムを活かしてバランスをとるという設計は、OpenTypeの機能を用いることにより実現しました。「多様性の調和」
文字により高さや太さが異なり、独特の曲線をまとったこのフォントは、まさにオリンピックにふさわしい「多様性の調和」をあらわしています。
2016年8月に開催されるリオデジャネイロオリンピック。どんな動きからどの文字が生まれたか、アスリートたちの動きとRio 2016 fontを重ねあわせて見てみると、また別の楽しみ方が出来そうですね。Rio 2016 font
自然の風景やアスリートの動きから着想を得た、2016年開催のリオデジャネイロオリンピック公式フォント