60年の歴史を締めくくる展示「石橋美術館物語 1956久留米からはじまる。」

福岡県久留米市にある「石橋美術館」の名称が、今秋より「久留米市美術館」に変わります。

石橋美術館がたどってきた60年を振り返る展覧会「石橋美術館物語 1956久留米からはじまる。」が、7月2日(土)〜8月28日(日)の期間開催中です。

地域に根ざした美術館

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石橋美術館は、別府市美術館鹿児島市立美術館(旧美術館)に次いで、九州では3番目、福岡県内では初の本格的な美術館として、1956年に開館。

東西の名画を紹介する美術館として、青木 繁・坂本 繁二郎・古賀 春江をはじめとする久留米出身の画家たちを紹介する美術館として、そして展覧会以外にもさまざまなイベントを通して楽しんでもらう場としての役割を果たしてきました。

60年間での来館者数は390万人という点からも、人びとに愛された美術館ということがわかります。

美術と人を繋ぐ

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昨年、弊社の社員研修で久留米に行った際、スタッフ全員で石橋美術館に展示を観に行きました。

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その時は「ちょっと気になる 絵のまわり」という、“額縁”にスポットを当て作品を紹介する一風変わった視点からのコレクション展が開催されていました。

額縁が変わることで作品から伝わる印象が全く違うことや、作品の魅力を引き立たせるために趣向を凝らした額縁が丁寧に選ばれていることを実際に体験して、額縁と作品の深い関わりに改めて気付かされ、美術展の楽しみ方の幅が広がったように感じました。

石橋美術館ではこれまでも、「アートで対決」、「ちょっと気になる 絵の履歴」、「はじめての美術館」といった、ほかとはひと味違う切り口からの展示を数多く開催してきました。

美術に造詣が深くなくても楽しめるような、人と美術をやさしく繋ぐさまざまな企画から、アートを愛する学芸員の方々の質の高さが伺えます。

本展の見どころ

石橋美術館という名称では最後の展覧会となる本展。

60年間で石橋美術館が果たしてきた役割を石橋財団コレクションで振り返る、選りすぐりの作品約120点が展示されています。

左 古賀春江《鳥籠》1929年/右 青木繁《海の幸》1904年 石橋財団石橋美術館蔵

左 古賀春江《鳥籠》1929年/右 青木繁《海の幸》1904年 石橋財団石橋美術館蔵

石橋美術館を代表する久留米出身の画家、青木 繁・坂本 繁二郎・古賀 春江においては、これまで複数回開催してきた展覧会にも注目して作品を紹介。

左 セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06年頃/右 ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェットジョルジェット・シャンパルティエ嬢》1876年 石橋財団ブリヂストン美術館蔵

左 セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904-06年頃/右 ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェットジョルジェット・シャンパルティエ嬢》1876年 石橋財団ブリヂストン美術館蔵

セザンヌ、ピカソ、ルノワール、モネなど、現在は休館中のブリヂストン美術館の名品も一堂に会します。

美術館のあるべき姿を提案

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久留米は、石橋美術館のような存在感のある美術館や久留米絣といった名産品があるなど、“クラフトマンシップの街”という印象があります。そして、大きな医大があり学会が数多く開催される“医療の街”でもあります。

石橋美術館は、生きるために必要なものと、生活の質を上げるためのものが同居する、魅力あふれる久留米の形成に大きく貢献してきました。

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美術館のあるべきひとつの姿を提案し続けてきた石橋美術館の集大成であり、久留米市美術館へのバトンタッチの意味も込めた今回の展示。

是非とも足を運んでみてくださいね。

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