本と人をつなぐ、渋谷の「森の図書室」
お酒が飲めて深夜1時まで営業という、まるでバーのような一風変わった「図書室」が渋谷にあります。
そこは一体どんな場所なのでしょうか。
気軽に本を楽しめる大人の空間
本と人がつながる場所である「森の図書室」は、渋谷駅から徒歩7分ほど、道玄坂を上っていったところにあります。
『本が読めて、借りられる。お酒が飲める。音楽が楽しめる。むかし遊びにいった、友だちの家のように気軽な空間。』をコンセプトに、床には昔工事現場で足場として使用されていた古材という味のある木材を使用し、天井は配管むき出しのコンクリート打ちっぱなしという、雰囲気のある空間です。
カウンター席をメインに、窓際にはソファ席もあり、一人でも友だちとでも楽しめるような、くつろげる場所となっています。
壁一面にびっしりと並べられた本は、小説だけでなく、エッセイ、ビジネス本、漫画、絵本などバラエティに富んだラインナップ。
図書室の奥には、会員の方の一番好きな本だけを集めた本棚があり、この本のどういうところが好きなんだろう、と想像しながら見るととても面白いです。とても人気がある本棚なんだとか。
お酒はもちろん軽食もあるのですが、物語に出てくる料理を再現したメニューもあります。
例えば、「そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティ」より“薫製ニシンの虚偽”、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹」より“セロリと牛肉の煮物”、「西の魔女が死んだ/梨木香歩」より“パパの好きなキッシュ”などなど。
ドリンクのコースターにはオーナーのおすすめ本の紹介がプリントされているなど、本好きならではのアイディアが随所に散りばめられています。
誕生秘話
渋谷に夜の図書室をつくるにあたり、本を揃える資金の不足分を、クラウドファンディングにて集めていたのですが、「こんな場所を求めていた!」「本を読みながらお酒が飲めるなんて最高!」と、オーナーの思いに共感する方がとても多く、約1ヶ月という募集期間で爆発的な支援を集め、目標金額10万円のところ、なんと953万円が集まりました。
最終的に1737人からの支援を集め、クラウドファイティングのパトロン数日本新記録を樹立するという快挙を遂げました。
実は私もパトロンの1人です。
夢が実現
昔から本が大好きだったというオーナーの森俊介さんは、中学の頃から「いつか、自分の図書館をつくる」ということが夢だったそうです。
図書館は難しいけど図書室なら出来るかも、と動き出した森さんは、「こんな図書室があったら」という自身の願望を詰め込んだ、森の図書室をつくりました。
ここでは、本を楽しめるだけでなく、読書イベントや作家さんのトークショー、そしてサイレントディスコ、夏祭り、人工知能合コンなど、図書室にちなんでいたりいなかったりの、様々なイベントが多数開催されています。
ここでのシステム
図書室なので、本の貸出は無料。Facebook上のシステムで管理をするため、Facebookアカウントがあれば誰でも本を借りることが出来ます。
席のチャージ代として500円、会員になった方は無料となっています。
会員になるには年会費1万円がかかるのですが、会員証として渡されるカードキーを使うと、営業時間内であれば自分で入り口を開けられるという特典も。(非会員の場合、インターホンにて呼び出して開けてもらいます。)
2015年6月に1周年を迎えたことを記念して、2015年7月末までに会員になった方は、年会費1万円が今後ずっと無料だそうです。つまり永久会員ということ!
気軽に本を楽しめる、まるで秘密基地のようなこの場所。気になる方は、永久会員になれるこのチャンスをお見逃しなく。
森の図書室
〒150-0044 東京都渋谷区円山町5-3 萩原ビル3F
定休日 不定休
昼営業 13:00ごろ-17:00 夜営業 18:00ごろ-25:00
席料 500円(会員は無料)会員権 年間10000円