Brand Strategy

ブランドコンセプト
競合調査で見えてきた市場の隙間
調査を進めると、メンズコスメ市場は40代向けの高価格帯に偏っている一方、30代前半の「そろそろ本格的にケアしたい」という層が十分に満たされていないことが判明。DOROSCRUBはこの最初のスカルプケア領域に挑戦し、努力する人のためのコスメというポジションを明確にしました。
そこから導いたコンセプトが「泥だらけって美しい」。汚れではなく努力の跡が美しく見えることを価値として掲げ、ブランドの核に据えました。
コンセプトを軸に据えたブランド戦略
ブランド全体の軸に合わせ、製品ごとに役割を整理。シャンプーは「30代で乗り換えるファーストスカルプケア」、入浴剤は「一週間の集中温浴体質改善」と位置づけ、すべてが努力の証を整えるプロダクトにつながるよう設計しました。
Brand Design
「泥だらけって美しい」を視覚で語るために
クリエイティブ制作で大切にしたのは、泥を汚れの象徴ではなく、努力の証の美しさへと昇華させることでした。建設業をルーツに持つNOCKWOODの誠実なものづくりの精神を軸に、働く男性が思わず手に取りたくなるような、強さと品を兼ね備えたデザインを目指しました。

見た目の派手さではなく、清潔感・力強さ・自信をまとう感覚を重視。日常に自然と溶け込みながらも確かな存在感を放つよう、「大地の力強さと人間本来の美しさ」をテーマに、赤と黒の2色配色でブランドの世界観を構築。対照的な2色がブランドの内なる美意識を表現しています。


ロゴタイプには洗練された印象をもつGothamをベースに採用。その洗練された美しさを活かしながらも、男性的、それでいてどこか可愛げのある印象を与えるよう細部を調整しました。「U」にはカットを入れ、あなたのよごれを拭い去るブランドであるという、立ち位置を現し、ターゲットユーザーに視覚的にも刺さるフックとしました。

パッケージはブランドローンチ時の統一感を重視し、シャンプーや入浴剤といった異なる製品が並んだ際にも、一目でDOROSCRUBと認識できるように設計。入浴剤の什器や販促ツールもプロダクトと同様に赤と黒を基調とし、棚の中でも記憶に残る造形を意識しました。

ブランドリーフレットは、ページを開いた瞬間にDOROSCRUBが大切にしているブランドコンセプトを伝える構成にしました。まずブランドの思いに触れてもらい、その後に各商品の魅力を丁寧に紹介する流れにすることで、単なる製品カタログではなく、ブランドの想いを感じながら読み進めることができます。

バラエティショップで販売するために用意した入浴剤の什器では、ブランドカラーを全面にあしらい、最上部にはロゴマークを大きく配置しています。その2つの要素のみが先に伝わる設計にすることで、店頭でのわずかな接触でも、DOROSCURUBというブランド名と赤のブランドカラーがセットで記憶に残るようにしました。
Brand Management
ブランドの立ち上げを経て、DOROSCRUBは現在も成長を続けています。ブランコでは、ブランドを自走できる状態に導くことを目的に、運用フェーズの支援も行いました。商品の特性やメッセージを体系的にまとめたコピーシートを作成し、製品ごとの魅力を言語化。ブランドの軸をぶらさずに、各プロダクトを展開できるよう、トーン&マナーや表現指針を明文化してお渡ししました。
販売開始後は、ポップアップでの売れ行きが好調で、デザインも好評とのことです。女性にも支持される、デザインが魅力的といった声が寄せられ、ブランドが想定していたターゲットを超えて、幅広い層に共感を生んでいます。
DOROSCRUBという名前に込められた“泥=誇り”という思想を軸に、NOCKWOODは今後も努力する人の美しさを肯定するブランドとして進化を続けます。ブランコもその歩みに寄り添い、デザインと戦略の両面から、ブランドの次のフェーズを共に築いていきます。