NTTデータ pipitLINQ NTTデータ pipitLINQ

NTTデータ pipitLINQ

公開日:2019/7/29

クライアント:
株式会社NTTデータ

Summary

プロジェクト概要

概要

概要

株式会社NTTデータ様の「pipitLINQ®」のロゴマーク、UX・UI、Webサイト、パンフレット、営業資料、動画、モック、記事広告を担当させていただきました。

背景

背景

行政機関と金融機関にて書面で行っていた預貯金等紹介業務を電子化することで、書類作成や送付にかかる時間的コストや対応完了までの期間削減を実現するサービス「pipitLINQ」。実証実験を経て開発に着手する段階でご相談いただきました。

課題

課題

行政機関ごとに使用しているシステムが異なることや、学習コストの高さに不安を感じて導入に向けた検討が進みにくい状況でした。

具体的な施策

ユーザーアンケートであがっていたシステム導入に伴う学習コストなどへの不安を軽減すべく、プロトタイプを操作しながら仕様をブラッシュアップしていき、マニュアルを見なくとも操作できるUIを目指しました。分かりやすい画面で操作も簡単であることを具体的にイメージいただけるようにデモンストレーション用のモックや操作説明動画を制作しました。

プロジェクトを成功に導くための土台作り

まずはじめにワークショップを実施しました。このワークショップでは、pipitLINQというサービスだけでなく、企業のブランドイメージについても整理を行いました。

UIデザインでは、ユーザーの目線に立つことが特に重要です。ターゲットを細分化し、6人のペルソナを設定いたしました。ペルソナを複数設定すると、結果としてターゲットが曖昧になり、ブランドがどの層にも響かない状況になる可能性があります。今回は、6人のペルソナすべての意見を尊重するために、ユーザー分析に時間をかけ課題の共通項を見つけ出していきました。

カスタマージャーニーマップから見えた課題

カスタマージャーニーマップを作成することにより、4つの課題が見えてきました。

課題を明確にすることで、その後の具体的な施策も明確になっていきます。課題に対する施策として、UIなどのデザイン面はもちろん、pipitLINQをどのようにして広めていくべきなのか。広告の打ち出し方や社内へのアプローチなども提案させていただきました。

ユーザビリティ向上への工夫

UIデザインでは、ユーザビリティの向上を図るために仕様設計から取り組みました。シンプルかつ一貫性のあるデザインを採用し、ユーザーが迷わず操作できるようナビゲーションの整理を行いました。また、情報に優先度を付けたりユーザーの目線の動きに合わせたレイアウトにすることで、必要な情報を素早く見つけられるようにしています。行政機関や金融機関のご担当者様から実際にご意見をいただくことで、ユーザーの利便性によりフォーカスした改善を行いました。

ロゴマークに込めた想い

ロゴマーク制作では、はじめに複数のデザイン案を提案し、議論しながら案を絞りつつブラッシュアップを繰り返していきます。ユーザーの利用時を具体的にイメージするために、各モックアップにロゴマークを組み込みながら、最適なデザインを検討していきました。

完成したロゴマークは、“i”の○を繋げることで、pipitLINQが行政機関と金融機関を繋ぐ架け橋になるということを表しています。まだ預貯金等照会業務は書類の郵送によって行われており、その手続きには時間と負担がかかっています。このような手続きの負担を軽減し、日本全国の行政機関と金融機関をつなぎ、公平・公正な安心社会の実現に貢献するという想いを込めています。

イラストのもたらす効果

サイト内で使用するイラストは、サイト全体のイメージを作り上げる上で重要な役割を果たしています。人物イラストを使用する際には、表情によってユーザーに与える印象が大きく変わってきます。pipitLINQのブランドイメージに最適なものを模索しながら、イラストの表情やポーズを繰り返し微調整しました。誠実な印象を与えつつ、適度に丸みを帯びた柔らかいイメージのイラストにすることにより、導入時のハードルを下げるという課題をクリアしつつ、ブランドイメージを壊さないイラストを制作しました。

ユーザーの心理を考慮した動画と直感的に伝える資料

動画制作でも、ユーザーの心理や反応を考慮しながら制作を進めていきます。ユーザーに分かりやすい画面で操作も簡単であるということを伝えながら、最後まで動画を視聴してもらうためにはどのような構成にすべきなのか、シーンごとにユーザーの心理を洗い出しながら全体の流れの検討を重ねました。

また従来の営業資料は、詳細な内容を含んだ資料でしたが、ユーザーにとってわかりやすさと営業担当者などが説明をしやすさを考慮し、重要な数値やデータを図表にまとめることで、情報の効果的な伝達を図りました。

パンフレットでは、重要なポイントに絞った訴求を行うことに焦点を当てました。ページ数を絞り、必要な情報を適切にまとめることにより、ユーザーが短時間で簡単に理解できるパンフレットを制作しました。

結果による施策

導入のハードルを下げる戦略として、分かりやすい画面で簡単な操作性、またそれらを完結に伝える営業資料など、サービスの使い勝手からプロモーションまで一貫して設計を行うことで、全国67機関以上に導入いただくことができました。ホームページの訪問数も開始当初から5倍に成長しました。

pipitLINQ

株式会社NTTデータ

「pipitLINQ®」は行政機関と金融機関をつなぎ、加入機関間で統一フォーマットの電子データによる預貯金等照会を実現するNTTデータさまのサービスです。紙でのデータを取り扱う人的負担や郵送によるコストおよびタイムラグ、各機関での書面様式の違いによる処理の煩雑さが軽減され、迅速かつ適正な業務の実現につなげるものです。

実証実験の結果を元に製品化する段階でお声がけをいただき、製品名の検討やロゴマークの制作、サービス画面UIの設計、説明用パンフレット、Webサイトなどの各種広報ツールを担当させていただきました。開発当時を振り返ってご担当者さまにお話を伺いました。

NTTデータ様会議室にて

NTTデータ様会議室にて

受託型のビジネスからサービス開発へ

─pipitLINQというサービスは御社にとっても新たなチャレンジだったそうですね。

今までは省庁などの行政機関からシステム開発のご依頼を請けて、オーダーメイドで作るという、受注型のビジネスを主軸にしていましたが、事業部として「何か新しいことをやりたい、やっていかないといけないよね。」ということになり、3年前の春くらいからアイデア出しが始まりました。試行錯誤の結果、これは芽が出そうだねということで、実証実験とサービス開発を行い、pipitLINQというサービスを昨年2019年にリリースしました。

打ち合わせで企画と提案書ができあがっていくスピード感

─東京と福岡という地理的な距離があるにも関わらず、私たちブランコを選んでいただいたきっかけや理由についてお聞かせいただけますか。

はじめてブランコさんと打ち合わせをさせていただいた際に、話したことをその場ですぐに絵に描いていただいて、「それはこういうことですね」みたいな形でどんどん分析と企画が進んでその場で提案書ができてしまって、そのアイデアとスピード感に圧倒されました。

それで、ブランコさんだったらイノベーティブにスピード感をもって色々なことをやってもらえそうだねということでご一緒することを決めました。オンラインミーティングやTeamsなどを活用してやりとりもスムーズに行えましたので地理的な距離も気になりませんでした。

議論を重ねてよりよいものをつくりあげていく

─ご提案で数多くのアイテムを制作させていただきましたが、制作中に印象に残ったエピソードはございますか。

制作に入ってから、まず両社の主要メンバー10名程でワークショップを行い、ターゲットや製品について分析しました。その共通認識をもとにいろいろなご提案やアイデアをいただいたのですが、中でも当初16ページくらいのパンフレット制作を想定していたところ「必要な情報をわかりやすく、操作が簡単で導入しやすいということを伝えるためには6ページで完結に伝えるのが最適ではないですか」とご提案いただいたことが、すごく納得でき、とても印象的でした。

デザインだけでなく、ユーザーの利便性などの観点からシステムの仕様についてもいろいろとご提案いただき、議論を重ねてよりよいものになったと思います。そういったご提案に慣れていないので、知見をいただいて、非常に短期間の制作・開発でしたが、すごくいいものになったと思っています。

製品の魅力をお客さまに具体的にイメージしていただくために

─実際に制作した広報物をご利用いただいて、反応はいかがですか。

システムは目に見えないので、使ってみるまでお客さまにどのようなサービスなのかイメージしていただくのが難しく、そういったものは販促ツールが非常に大事になってくると考えております。

デジタルガバメント実行計画として国も注目している取り組みなので、どのようなサービスを提供しているのかを説明してほしいと言われることが度々あるのですが、販促ツールがしっかりしたものだとちゃんとしたシステムなのだなと安心感をもっていただけるので、そういった意味でも制作いただいたパンフレットは非常に効果的です。

展示会ではだいたい商品の概要を壁に貼ってあるだけのことが多いのですが、弊社では制作いただいた説明動画をモニターで再生しています。動画をみて足をとめてくださった方にPCで操作できるモックアップを見ていただくと、普段双方向のコミュニケーションがしにくいお客さまも、気になって「これを押したらどうなるの?」など具体的にご検討いただけます。

目に見え、操作できるものを作ってくださったので、初期提案時のコミュニケーションが非常に円滑で充実したものになっています。

部署内の新たな取り組みが、他部署へも

─pipitLINQのサービスリリースや本プロジェクトを通じて貴社内で変化はございましたか。

私たちの多くは生活に不可欠な社会インフラの開発保守を担っているということもあって社員のマインドで一番強い「守るんだ!」というところから、「攻めていかなきゃ!」という気持ちの掘り起こしを少しずつやっているところですが、pipitLINQのパンフレットが他部署からも羨ましがられたりしています。

pipitLINQのプロジェクトを参考にして「こういう風に社内説明を通そうと思います」という声が我々の部署だけを見ても続々と出てきています。今後は他部署へもこういった取り組みが広がっていくことを楽しみにしています。

─pipitLINQの導入も続々と増えているとのことで今後の展開も楽しみにしております。ありがとうございました。

NTTデータさま受付前にて

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