プロジェクトを成功に導くための土台作り
まずはじめにワークショップを実施しました。このワークショップでは、pipitLINQというサービスだけでなく、企業のブランドイメージについても整理を行いました。
UIデザインでは、ユーザーの目線に立つことが特に重要です。ターゲットを細分化し、6人のペルソナを設定いたしました。ペルソナを複数設定すると、結果としてターゲットが曖昧になり、ブランドがどの層にも響かない状況になる可能性があります。今回は、6人のペルソナすべての意見を尊重するために、ユーザー分析に時間をかけ課題の共通項を見つけ出していきました。
カスタマージャーニーマップから見えた課題
カスタマージャーニーマップを作成することにより、4つの課題が見えてきました。
課題を明確にすることで、その後の具体的な施策も明確になっていきます。課題に対する施策として、UIなどのデザイン面はもちろん、pipitLINQをどのようにして広めていくべきなのか。広告の打ち出し方や社内へのアプローチなども提案させていただきました。
ユーザビリティ向上への工夫
UIデザインでは、ユーザビリティの向上を図るために仕様設計から取り組みました。シンプルかつ一貫性のあるデザインを採用し、ユーザーが迷わず操作できるようナビゲーションの整理を行いました。また、情報に優先度を付けたりユーザーの目線の動きに合わせたレイアウトにすることで、必要な情報を素早く見つけられるようにしています。行政機関や金融機関のご担当者様から実際にご意見をいただくことで、ユーザーの利便性によりフォーカスした改善を行いました。
ロゴマークに込めた想い
ロゴマーク制作では、はじめに複数のデザイン案を提案し、議論しながら案を絞りつつブラッシュアップを繰り返していきます。ユーザーの利用時を具体的にイメージするために、各モックアップにロゴマークを組み込みながら、最適なデザインを検討していきました。
完成したロゴマークは、“i”の○を繋げることで、pipitLINQが行政機関と金融機関を繋ぐ架け橋になるということを表しています。まだ預貯金等照会業務は書類の郵送によって行われており、その手続きには時間と負担がかかっています。このような手続きの負担を軽減し、日本全国の行政機関と金融機関をつなぎ、公平・公正な安心社会の実現に貢献するという想いを込めています。
イラストのもたらす効果
サイト内で使用するイラストは、サイト全体のイメージを作り上げる上で重要な役割を果たしています。人物イラストを使用する際には、表情によってユーザーに与える印象が大きく変わってきます。pipitLINQのブランドイメージに最適なものを模索しながら、イラストの表情やポーズを繰り返し微調整しました。誠実な印象を与えつつ、適度に丸みを帯びた柔らかいイメージのイラストにすることにより、導入時のハードルを下げるという課題をクリアしつつ、ブランドイメージを壊さないイラストを制作しました。
ユーザーの心理を考慮した動画と直感的に伝える資料
動画制作でも、ユーザーの心理や反応を考慮しながら制作を進めていきます。ユーザーに分かりやすい画面で操作も簡単であるということを伝えながら、最後まで動画を視聴してもらうためにはどのような構成にすべきなのか、シーンごとにユーザーの心理を洗い出しながら全体の流れの検討を重ねました。
また従来の営業資料は、詳細な内容を含んだ資料でしたが、ユーザーにとってわかりやすさと営業担当者などが説明をしやすさを考慮し、重要な数値やデータを図表にまとめることで、情報の効果的な伝達を図りました。
パンフレットでは、重要なポイントに絞った訴求を行うことに焦点を当てました。ページ数を絞り、必要な情報を適切にまとめることにより、ユーザーが短時間で簡単に理解できるパンフレットを制作しました。
結果による施策
導入のハードルを下げる戦略として、分かりやすい画面で簡単な操作性、またそれらを完結に伝える営業資料など、サービスの使い勝手からプロモーションまで一貫して設計を行うことで、全国67機関以上に導入いただくことができました。ホームページの訪問数も開始当初から5倍に成長しました。