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【社員インタビュー#13】デザインの先にあるもの、 “ブランドが伝わる体験”をつくる仕事
まずはじめに吉原さんの経歴を教えてください。
吉原さん:現在私は、地元の佐賀に住んでいますが、大学時代は千葉でプロダクトデザインを学んでいました。はじめて地元を離れて生活するなかで、関東では佐賀の認知度が低く、当時発表された県の魅力度ランキングでも最下位から2番目という結果で、地元の魅力が正しく伝わっていないことを悲しく思いました。
そこから、いつか自分が好きなデザインで力になれたらと、地域活性化に関心を持つようになりました。卒業制作では地域ブランディングに取り組み、デザインを通じて地域をどのように魅力的に伝えるかを研究しました。そのなかで、“良いモノをつくる” だけでなく、“良い伝え方や見せ方” の大切さを強く実感し、それを追求したいと考えるようになりました。
その思いから、新卒では東京で広告やパッケージを手がけるデザイン会社に入社し、5年半にわたって経験を積ませていただきました。そして現在は佐賀に戻り、ブランコに入社して3年目になります。
入社されるきっかけは何だったんですか。
吉原さん:前職では食品や飲料、化粧品などのメーカーの商品パッケージデザインを主におこなっていました。その中で、印刷物のグラフィックデザインだけでなく、デザインの前段階である課題解決の提案にも関わりたいと考えるようになりました。また、パッケージデザインに限らず、Webなど他の媒体にも対応できるデザイン力を身につけたいという思いも強くなり、より広い視野でデザインに向き合える環境を探していました。
特に、デザインの見せ方を考えるにはブランディングの視点が不可欠だと感じ、ブランディングを軸にデザインに取り組める会社を探していたところ、ブランコに出会いました。
ブランコのWebサイトは、シンプルで情報がスッと入ってきやすく、『考え抜かれたデザイン』だと感じました。また、実績ページを確認すると、ワークショップやインタビューを通じてクライアントの課題を深く掘り下げ、それをデザインに落とし込むプロセスが取られているのが見えて、単なるビジュアル制作にとどまらず、プロジェクトに真摯に向き合っている点に魅力を感じました。
普段の業務を教えてください。
吉原さん:ブランドの世界観の構築やロゴマーク、Webサイト制作や商品のパッケージなど、幅広いデザインを担当しています。プロジェクトによってはネーミングから関わることもあり、ブランドの立ち上げから一貫してデザインに携わっています。
ブランドとユーザーの接点は多岐にわたります。バナーを見てWebサイトへ訪問し、リーフレットを手に取って商品のパッケージを見る…など、それぞれの接点がユーザー体験として一貫性を持つことが大切です。個々のデザインを単体で考えるのではなく、ブランド全体を俯瞰しながらトータルで設計することで、ブランディングの力を最大限に引き出せると感じています。こうした視点でデザインに取り組める環境は、とても刺激的でおもしろいですね。
ブランコで働く環境はいかがですか。
吉原さん:前職では自分が担当する範囲が限定されていたため、デザイン以外のプロジェクト全体の流れを把握する機会はあまりありませんでした。ですが、ブランコは朝会でプロジェクトの進行状況を知れたり、自分の担当外のクリエイティブに対してもディスカッションする機会があるので、デザインに関する理解が深まるだけでなく、自分の視野やスキルの幅が広がっていることを実感しています。
その中で苦労している点や、やりがいを感じる点を教えてください。
吉原さん:クライアントへの提案や意見の伝え方がむずかしいと感じることが多いですね。もちろん、クライアントの意見を尊重することは大前提ですが、私たちはクリエイティブのプロとして、そしてユーザーにとって最適な選択を導き出す立場でもあります。そのため、ただ要望を受け入れるのではなく、論理的な根拠をもってデザインの意図をしっかり伝えなければなりません。
ブランコは代理店などを介さずにクライアントと直接取引の形でプロジェクトを進めているので、よりそのスキルが重要になってきますし、社内のプロデューサーチームを見ていると素晴らしいなと感じることが多く、私も自分の個性を活かしたプレゼン力をまだまだ高めていきたいですね。
やりがいを感じるのは、やはり形になったものをクライアントに喜んでもらえたときです。また、制作中に“いいアイデアが浮かんだ!”と感じる瞬間もワクワクします。
いいアイデアを生むために工夫していることなどがあれば教えてください。
吉原さん:以前は、売り場に行ったり、グラフィックデザインの展示を見て学ぶインプットが中心でしたが、最近は視野を広げるために、あえて今までおこなっていなかったようなイベントに参加したり、これまで見ていなかったアニメを見たり、自分自身のユーザー体験を通じて新しい視点を得るようにしています。
尖ったデザインや個性を前面に出した表現も魅力的ですが、私が最も大切にしているのは“そのブランドにとって最適な形とはなにか”を追求することです。ブランドの価値をしっかりと伝え、ブランド体験全体を考えることのできるデザイナーでありたいと思っています。だからこそ、デザインだけでなく、ブランド全体の体験を意識しながらインプットを増やすことを大事にしています。
社内ではどのようにコミュニケーションを取っていますか。また、心がけていますか。
吉原さん:リモートワークが基本なので、テキストでのやり取りとGatherというバーチャルオフィスツールをつかった会話でのやり取りのバランスを取るようにしています。
ブランコの働き方でいちばん驚いたのは、リモートワークにもかかわらず、これだけコミュニケーションを取れているということです。個人同士のやり取りだけでなく、毎朝の全体朝会やチームミーティングがあり、社内全体での情報共有がしっかりとおこなわれているので、出社しているときと差を感じません。
ただ、リモートだけでは見えづらい人となりもあるので、直接会うことも大事にしています。出社した際にお昼休みにみんなで大きいテーブルを囲んで食事をする瞬間などはたのしみです。
また、ミーティングでは、特にアシスタントや意見を伝えるのが苦手なメンバーが参加している場合は、できるだけ話しやすい雰囲気をつくるよう心がけています。意見を言いやすい環境を整えることで、よりよいアイデアが生まれたり、新しい視点が得られたりするので、ひとりひとりが安心して発言できる空気づくりを意識しています。
実際に働いていて感じた、人に自慢できるブランコの風土・文化は何ですか。
吉原さん:ブランコのクリエイティヴポリシーにある『ユーザー中心であれ』という考え方と、それがしっかりとプロセスとして確立されているところです。
デザインに取りかかる前にワークショップを実施し、クライアントや市場について丁寧に分析するなど、表面的なデザインだけでなく、本質的に“ユーザーにとって最適な体験とは何か”を考え抜く文化があるのが、ブランコの魅力だと思います。
ユーザー目線でデザインを考えるうえで意識していることはありますか。
吉原さん:Webサイトであればプロトタイプで操作感を確認し、リーフレットやポスターは原寸大で印刷して検証するなど、ユーザー視点でのチェックは欠かせません。ただ、ブランド全体の体験の流れを想像し、ユーザーの立場に立って考えることは簡単ではありません。
自分と近いユーザーであれば比較的想像しやすいですが、例えば50代の男性など、自分と遠いユーザーの気持ちを想像するのは容易ではありません。幅広い視点を持てるように、『ガイアの夜明け』や『カンブリア宮殿』など、ドキュメンタリー番組を見るようにしています。人の思想が映し出されているコンテンツは勉強になります。
また、人と出会える機会は大切にしています。実際のその人の声を聞いたり、いちユーザーとしての考え方を取り入れてストックしておくと後々活きてくることが多いです。どんな人の話でも興味を持って話を聞くのは大切ですね。
効率だけを求めるのではなく、たのしみながら経験を積んだり、学ぶことの大切さを改めて感じています。
効率重視から楽しみながら学ぶという考え方に変わったきっかけはありますか。
吉原さん:ブランコ入社時はキャリアや人生設計をもっと意識していたと思います。やりたいことや目的、自分がどうなりたいかを考え、計画を立てて進んでいました。もちろん、計画的にキャリアを築くことも大事ですが、最近は目的達成だけを意識するのではなく、プロセスをたのしみながら学ぶことも大切だと感じています。
特にブランコは、思想や感性を大事にする会社です。論理的に物事を進めることも必要ですが、論理だけでは補えないクリエイティビティも求められます。そのバランスの大切さを実感し、以前とは異なる視点で仕事に取り組めるようになりました。
最初は、ブランコの進め方についていくのがむずかしいと感じることもありましたが、最近はそれ自体をたのしめるようになりました。自分では進められないと思った提案やデザインがクライアントに受け入れられ、成果につながるのを見れるのも、新鮮でおもしろいと感じます。
吉原さんの今後の目標を教えてください。
吉原さん:アートディレクションのスキルを磨き、長く愛されるブランドの軸となるコンセプトやメインビジュアルをつくれるようになりたいです。ブランドの方向性を定め、それを形にし、世の中に発信できるデザイナーを目指しています。
最後に、どんな方と一緒に働きたいですか。
吉原さん:クリエイティブをたのしんでくれる人が入ってきてくれたらそれが一番嬉しいです。また、ブランコに合う人としては、柔軟性を持っている方のほうが働きやすいと感じます。変化に対応しながら、新しい視点を取り入れられる人にとっては、成長できる環境だと思います。