ブランディングの歴史
ブランドアイデンティティとは
「ブランディング」と聞くと、今日では企業のロゴマークやキャッチフレーズをすぐに思い浮かべるかもしれません。ですがブランディングの起源は、ずっと昔、古代にまでさかのぼります。
ブランディングの語源
ブランディングの始まりは、「牛に焼印を押すこと」でした。英表記である「branding」のつづりを見ていただくとわかりやすいと思いますが、これは、「brandr」という古ノルド語で「燃やす」という意味の言葉から来ています。昔の人々は、自分の牛と他人の牛の見分けがつけられるように、牛に特別な印を焼き付けていました。これが、ブランディングという概念の最初の形です。
古代の職人もブランディングの先駆者?
実は古代エジプトやローマ時代の職人たちも、ブランディングをしていました。彼らは、自分が作った製品に独自の印をつけることで、その製品の情報を人々に知らせていたんです。これは、現代のブランドロゴのようなもので、製品の「出身地」や「品質の保証」を伝える役割を果たしていました。
産業革命がブランディングを変えた
産業革命の時代になると、物が大量生産されるようになりました。これにより、「この製品は私の会社のものですよ」と消費者に伝える必要がでてきました。ここで、製品に名前をつけたり、特別なマークをつけたりする現代のブランディングの形が生まれました。
マスメディアの台頭とストーリーブランディング
20世紀に入ると、ブランディングの世界は大きな変化を迎えました。この時代の一大革新は、テレビやラジオといったマスメディアの登場です。企業はこれらのメディアを用いて、今までにない規模で広告を打ち出し、自社のブランドを消費者に知らせるようになりました。
この時代のブランディングの特徴は、「広く、大きく伝える」こと。たとえば、テレビCMでは、企業は自社のロゴマークや商品、キャッチフレーズを使って、一気に多くの人々に自社の存在を印象づけることができるようになりました。マスメディアを通じて、ブランドは消費者の生活の中に深く入り込むようになり、人々の生活や文化に影響を与えるほどの力を持つようになりました。
この時代を象徴するのは、コカ・コーラやマクドナルドといったブランドです。マスメディアを駆使して、単純に商品を販売するだけでなく「ストーリーや体験を提供している」というブランドイメージを築き上げました。このように、マスメディアの台頭は、ブランディングを「物を売る」から「ストーリーを売る」へと変えたのです。
デジタル時代とパーソナライズされたブランディング
21世紀に入ると、インターネットとソーシャルメディアの普及が、ブランディングに新たな変化をもたらしました。このデジタル時代の最大の特徴は、「個々に合わせたパーソナライズ」です。企業は、マスメディア時代には不可能だった、消費者一人ひとりと直接コミュニケーションをとることができるようになりました。
ソーシャルメディアを利用することで、企業はユーザーの反応をリアルタイムで受け取り、それに応じてサービスを改善したり、新たなキャンペーンを打ち出したりすることが可能になりました。さらに、デジタル技術を活用することで、ユーザーの興味や過去の購買行動を分析し、一人ひとりに合わせた広告を表示することもできるようになりました。
この時代のブランディングの成功例は、AmazonやNetflixです。ユーザーの好みや行動パターンを分析して、個々のユーザーに合わせた商品やコンテンツを提案することで、ユーザーと強力な信頼関係を築いています。デジタル時代のブランディングは、ユーザーとの間に深い関係を築き、一人ひとりに合わせた体験を提供することに重点を置いています。
まとめ
ブランディングの歴史は、古代の「牛に焼印を押す」ことから始まり、産業革命を経て、マスメディアによる「大衆へ一斉に」という形へ変化しました。これに対し、デジタル時代には「一人ひとりのユーザーへ個別に」という新たな展開を見せています。時代の進行とともに、ブランディングは複雑さと多様性を増し、企業とユーザーの関係をより深いものへと変えているのです。
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