「にじみフォント」でデジタルフォントにアナログの風合いを

活版印刷の風合いを再現した「にじみフォント」の第1弾、「秀英にじみ明朝 L」が、Webフォントサービス「FONTPLUS」にて、11月18日(金)より提供が開始されました。

100年以上開発されている書体がベース

にじみフォントを開発したのは印刷会社の大手、「大日本印刷株式会社(DNP)」。

DNPの前身である秀英舎時代に、オリジナル書体として「秀英体」を開発。その後も100年以上にわたり、時代の変還にあわせて開発を続けてきました。

左   秀英明朝L  /  右  秀英にじみ明朝L  引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

左 秀英明朝L / 右 秀英にじみ明朝L  引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

一筆書きが印象的な秀英体は、優美でしなやかな線の美しく読みやすい書体として、多くの書籍や辞書にも使用されています。

太さ(ウェイト)の違いや長体・斜体など(スタイル)の違いを合わせると、20種類という豊富なファミリーを持つ秀英体の中でも、特に強い印象のある「秀英明朝」をベースにした「秀英にじみ明朝 L」が、にじみフォントの第1弾。

活版印刷で使用されていた頃の秀英明朝の表情を再現し、紙とインクの質感を感じさせるような、やわらかな印象を持たせています。

“にじみ”へのこだわり

引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

インクが活字に付着していくことで、徐々に払いの先端部分、ウロコの角が丸く、線と線が交わる部分が丸くなるといった、活版印刷時の“文字のにじみ”を、DNPは細かく分析。

分析結果を“にじみ効果”としてフォントに反映させる専用プログラムを開発し、秀英体フォントデータにこのプログラムで画像処理を行い、にじみフォントはつくられました。

また、にじみの太らせ量や線のゆらぎ量といった強弱を段階的にシュミレーションし、インクがにじんだ文字特有のアナログ感やレトロ感を持たせつつ、見やすく読みやすいフォントに仕上がっています。

再び見直されるアナログのあたたかさ

ここ数年、デジタルメディアがさまざまな展開を見せる中、出版や印刷においては、手書き文字やテクスチャーを重視したものや活版印刷が改めて注目されるなど、アナログな風合いを活かした表現が見直されてきています。

引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

引用元:大日本印刷株式会社 公式サイト

DNPは、Webサイトにおける文字の表現力を高めるため、にじみフォントの開発に着手したそうです。印刷会社ならではのフォントと言えそうですね。

今後も「にじみゴシック」や「にじみアンチック」など、にじみフォントシリーズは続々と増えていく予定だそうです。

FONTPLUS会員の方は誰でも使用ができ、来年1月末までは入会金無料キャンペーン中だそうですので、未会員の方もこの機会に検討されてみてはいかがでしょうか。

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